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2021年03月24日
3月21日、「2021原発のない福島を!県民大集会」(主催:「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会)が、とうほう・みんなの文化センター(福島県民文化センター)で開催され、新型コロナウイルス感染症防止対策を施し、福島県内の団体・労働組合代表を中心に小規模で開催し、約100名が参加しました。
主催者を代表し、実行委員長の角田政志さん(福島県平和フォーラム共同代表)は、原発事故から11度目の春を迎え10年が経過したが、以前の生活を取り戻せない方々が福島県内にたくさんいることを紹介し、今回の集会は、①これまでの10年間の運動を振り返り、②私たちが果たしてきた役割を共有し、③今後の新たな10年の運動へつなげていく、そんな場になるよう開催したことを話されました。
特別ゲストあいさつとして、古今亭菊千代さん(さようなら原発実行委員会)は、この10年間、被災地である飯館村・大熊町などを訪れ、落語を聞いてもらう時間だけでも笑顔を取り戻してもらい、多くの方々とお話をされたことを紹介されました。
その後、「原発のない福島を!県民大集会10周年 ―これまでの10年、これからの10年―」と題し、これまでの10年間をスライドショーを中心に振り返り、この10年を土台として、さらなる運動の継承をはかっていく主催者の決意が実行委員会事務局長から述べられました。
呼びかけ人である武藤類子さんから「東電裁判」についての報告、被災者を代表して酪農を営んでいる方からの訴え、教育関係者からの訴え、若者(第23代高校生平和大使2名)からの訴えの順に4件の「福島からの訴え」がありました。
最後に、「この地で何が起こったのかを、世界に、そして将来の世代に発信し続けること、安心して住むことのできる福島を取り戻すために、真の『原発のない福島を』めざし、力を合わせていくこと」を柱とした集会アピールを採択し、閉会しました。
集会は、YouTubeでライブ配信され、編集したうえで再度配信されています。ぜひご覧ください。
http://gensuikin.peace-forum.com/2021/02/17/20210321fukushima/
2021年03月24日
3月18日、水戸地方裁判所(前田英子裁判長)は、日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)運転を差し止めるという画期的な判決を下しました。
東海第二原発は、2011年の東日本大震災によって被災した原発であり、運転開始からすでに40年超の老朽原発です。運転延長に際して、安全性や避難の困難さがかねてから指摘されており、県内の多くの自治体から反対や懸念が示されていました。今回の裁判は、周辺の住民をはじめ11都府県から224名の原告が日本原子力発電(原電)に対して東海第二原発の差し止めを求めたものでした。
判決では、原発の半径30キロ圏内に94万人が暮らす中で、「実効性ある避難計画や防災体制」が不十分であるとして、原子炉の運転により住民らに具体的危険がおよび「人格権」が侵害されるとし、30キロ圏内の住民の訴えを認め、東海第二原発の運転の差し止めを認めました。
今回の判決は、原発の安全性について判断する枠組みである深層防護の1~5段階のレベルで、最後の砦ともいわれる第5段階の「住民の避難」の計画が不十分であり、安全を確保できないと判断されました。そのことが具体的危険にあたるとして、司法としてはじめて原告の「人格権」を認め、差止めを認めたものです。
当日は、裁判の後、記者会見と原告団集会が開かれました。弁護士から、判決の概要説明があり、今回の判決が、他の原発訴訟にも影響を与えるとする一方、他の論点が認められなかったことに大きな不満が出されました。原告からは、「福島原発事故の被災者に報いることができた」などと心情が話されました。
この判決に対して、被告・原電は、控訴を表明しています。本訴の闘いの続いている間に、原電は対策工事を完了し、再稼働を強行する可能性もあり、全国的な支援が引き続き必要です。
なお、原水禁として今回の判決を受け声明を発しています。
東海第二原発運転差し止め判決に対する原水禁声明
2021年03月12日
今年は福島原発事故から10年目の節目の年に当たります。依然として事故の収束作業は難航し、福島では4万人近くの人々がいまだ避難生活を余儀なくされ、故郷や生活を奪われ、健康や将来への不安を抱えています。事故の記憶の風化も心配されます。このような中で菅政権は、福島で放射能汚染水の海洋放出を狙い、原発再稼働や核燃料サイクルの推進など、民意や現実を無視する政治を進めています。「さようなら原発」の運動は、事故の風化と原発・核燃料サイクル推進の動きに抗し、フクシマのさまざまな運動と人々と連帯し、脱原発へ向けて運動をすすめていきます。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県では3月7日まで緊急事態宣言が発令されています。2020年9月の集会に引き続き、今回も規模を縮小し、「3・27さようなら原発首都圏集会」として開催することになりました。
新型コロナウイルス感染症は、未だ収束する気配が見えませんが、10年目のフクシマの問題に対して声を上げていくことが、「コロナ禍」にあっても重要です。「さようなら原発」としても、コロナ感染対策をとりながら標記集会を開催致しますので、ここにご紹介させていただきます。
なお、今後の感染状況により、集会を急遽中止することもあります。その際は改めてご連絡致します。当日は、マスク着用で、体調がすぐれない方は参加をご遠慮ください。 |
チラシはこちら(PDF)
さようなら原発ホームページはこちら http://sayonara-nukes.org/
記
1.3・27さようなら原発首都圏集会
(1)日 時:3月27日(土)12:00開場 13:30~集会開始
(2)会 場:日比谷野外音楽堂
(3)規 模:1,300人
※ 座席数の上限50%との指導を受けています
※ なお会場に入れない場合は、日比谷公園内で待機をお願いします。
(4)内 容:
12:00 開場
13:00 オープニング・ライブ 片平里菜さん(シンガーソングライター/福島市出身)
13:00 集会
発言者:鎌田慧さん(呼びかけ人・ルポライター)
落合恵子さん(呼びかけ人・作家)
吉原毅さん(原自連会長・城南信用金庫顧問)
地脇美和さん(福島原発事故訴訟支援団事務局長)
大石光伸さん(東海第二原発差止訴訟原告共同代表) ほか
14:45 終了後デモ行進 【日比谷野外音楽堂~東電前~数寄屋橋~鍛冶橋駐車場前(解散)】
(5)その他
① コロナ対策について
(ア)会場整理係りを配置し、参加者同士の間隔をとるようにします。
(イ)アルコール消毒液を会場入り口に設置します。
(ウ)検温はサーモグラフィーを使用します。
(エ)参加者にはマスク着用をお願いします。
(オ)入場人数は1,300人とします。
② 新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては、集会そのものが中止になる場合がございます。その場合は再度ご案内させていただきます。また「さようなら原発」のホームページでも掲示します。
③ 当日、体調のすぐれない方は参加をご遠慮ください。
2021年03月11日
2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故から10年が経過しました。
東日本大震災・福島原発事故により、お亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表します。また、今もなお、かつての生活を取り戻せず、苦難の日々を過ごされている方々にお見舞い申し上げます。
福島原発事故の廃炉・収束作業は、10年が経過しても、約880トンと言われている溶融した核燃料、デブリの全貌は把握できていません。2021年中の予定とされていたデブリ取り出し開始が断念されるなど、廃炉に向けての作業は、高線量の放射線に阻まれ、困難を極めています。事故収束に向けて、最大の問題であるデブリ取り出しの具体的な工法も見えず、山積する課題に、事故後30年から40年とされた廃炉作業の「完了」は、全く見通しが立たない状況にあります。
たまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む汚染水(ALPS処理水)は、現在約124万立方メートルとなり、日本政府は「海洋放出」によって処分しようとの見解を発表しています。「海洋放出」ありきの議論は、福島県民・漁業従事者などを置き去りにしてすすめられています。復興に向けた、これまでの福島県民をはじめとする多くの方々の努力を水泡に帰きすような事態が想定されます。
事故から10年が経過しても、福島県では県内に7,185人、県外に2万8,505人、避難先不明者13人の合計3万5,703人(2021年2月8日復興庁調査に基づく、3月5日現在の被害状況即報[福島県災害対策本部発表])が、長期の避難生活を余儀なくされています。また、福島県内の震災関連死と認定された人は2,320人[同発表]で、前年度より13人増えています。一方、政府は、避難者の実情を考慮することなく、「帰還困難区域」の指定を解除し、補償の打ち切りや帰還政策をすすめています。被災者を社会的・精神的・経済的に追い詰め、切り捨てていく政策は決して許せません。
事故の責任の所在もあいまいなまま10年が経過しました。いくつかの裁判において、国・東京電力(東電)の責任を認める判決が出されましたが、国・東電は、その責任を果たしていないのが現状です。
東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての「復興」のかけ声の中、事故を「風化」させ、なかったものにしようとの企図が見え隠れします。事故から10年が経過しましたが、原因究明や責任追及が終わった訳ではありません。避難者が全て帰還できたわけではありませんし、失われたコミュニティーが全て再建されたわけでもありません。そして廃炉作業が終了したわけでもありません。事故は終わっていません。今も続いていることを私たちは胸に刻むべきです。
日本政府は、脱原発を決断せず、原発再稼働をすすめ、核燃料サイクル計画を推進し、事故以前と変わらない姿勢に終始しています。そのことが、再生可能エネルギーの進捗を拒んでいます。しかし、原子力をめぐる環境は、この10年で大きく変化しました。事故当時54基あった原発は、事故後21基が廃炉となり、新規原発は立ち上がっていません。原子力政策の要と言われた核燃料サイクル計画も、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉などによって政策の破綻は明らかです。今や原発は「廃炉の時代」を迎えています。
原水禁は、一貫して「反原発」「脱原発」を掲げて運動をすすめてきました。私たちの力がおよばず福島原発事故を許してしまいましたが、今後の第2・第3のフクシマを止めなければなりません。原水禁は、一刻も早い脱原発社会の実現に向けて、さらなる努力を重ねることを「3.11」に改めて誓います。
2021年3月11日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一
2021年03月10日
2020年10月以降、原水禁は、世界の「トリチウム汚染水の海洋放出に反対する声」を集めるべく、”Urgent Action”(緊急行動)として呼びかけてきました。
2021年3月9日現在、呼びかけに応えて7カ国から、合計135通が届き、これらの海外からの意見を集約し、原水禁は廃棄断念を要求する経済産業省と交渉を行いました。
団体:4
個人:131
交渉には、福島からも参加者が駆けつけ、海洋投棄反対の意見を表明しました。
福島県平和フォーラムの角田共同代表からは、「何がどのように検討されているのか全く分からない。理解が得られないことはやってはいけない」と政府が方針を決めるプロセスに対し、納得のできないことを伝えました。
脱原発福島県民会議の佐藤龍彦さんからは、「30年、40年で終わる問題ではない」と安易な政治判断をしないように意見するとともに、希望のもてる漁業がおこなえるように、海洋投棄はすべきでないと述べました。
経済産業省側からは、関係省庁で話合い、市民との意見交換も積極的にやっていくことが回答されるとともに、「しかるべき時に…」という歯切れの悪い説明がなされました。
引き続き、トリチウム汚染水の海洋投棄に反対する取り組みを進めていきます。
原水禁から提出した要請書は、以下の通りです。
2021.03.09. 経済産業省への要請書(PDF)
“Urgent Action”(緊急行動)経過報告12/14現在
[Please share this widely] “Say NO to the dumping of Fukushima’s radioactive water to the Pacific Ocean!”
2021年03月05日
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)では、各専門分野の委員の皆様にご協力いただき、東京電力福島第一原発事故以降のエネルギーを取り巻く環境の変化に対応したエネルギー政策の「提言」をとりまとました。
なお、原水禁では過去、2回にわたりエネルギー政策の提言を発表しており、今回で3度目のとりまとめとなります。
2005年7月「2050年 自然エネルギー100% エコ・エネルギー社会への提言」(時潮社刊)
2011年1月「原水禁エネルギー・プロジェクトからの提言 持続可能で平和な社会をめざして」(http://gensuikin.peace-forum.com/EnergyProject.pdf)
◆「―第3次原水禁エネルギー政策の提言―」(概要版)のダウンロードが可能です。
ダウンロードはこちら(PDF)
2021年3月4日、「―第3次原水禁エネルギー政策の提言―」について、発表会見を開催し、提言の概要版を発表いたしました。
〇配信URL https://youtu.be/1_5GKv9ln3Q
〇出席者 藤本泰成(原水禁副議長)、長谷川公一(東北大学名誉教授)、鎌田慧(さようなら原発呼びかけ人)、松久保肇(原子力資料情報室事務局長)、ほか
原水禁エネルギープロジェクト 日本のエネルギー政策への「提言」リリースについて
2021年03月02日
記者会見の模様は、YouTubeで生放送配信いたします。
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は、脱原発を目指し日本のエネルギー政策の転換を求めて運動を続けてきました。福島原発事故以降、原子力をめぐる環境は大きく変わり、気候変動・温暖化対策のとりくみも世界的規模ですすめられています。
この間、原水禁は、2回にわたりエネルギー政策の提言をまとめ、発表してきました。2005年7月には「2050年 自然エネルギー100% エコ・エネルギー社会への提言」(時潮社刊)、2011年1月には「原水禁エネルギー・プロジェクトからの提言 持続可能で平和な社会をめざして」(原水禁HP掲載)としてまとめ、政府や国会議員、原子力関係の委員会などに配布し、エネルギー政策の議論に加えていただくように要請してきました。
しかし、福島原発事故以降のエネルギーを取り巻く環境の変化に対応すべく、新たなエネルギー政策の「提言」をまとめることとなりました。現在、政府の方でも新たな「エネルギー基本計画」が、今夏にもまとめられようとしています。その議論にも反映させるべく、原水禁としての見解をまとめました。
残念ながら菅政権は、原発再稼働や核燃料サイクルの推進を押し出しています。しかし、原子力政策は、実態的には破綻に破綻を重ねています。このまま原子力政策の延命を図っても、政策破綻の現実からは逃れることはできません。今後の日本社会が「原発ありき」ではなく、真摯にエネルギー政策を論じ、原子力政策の破綻の現実に向き合わなければなりません。
脱原発・脱炭素社会にむけた原水禁のエネルギー政策の「提言」について、下記の日時に記者会見を開きますので、ぜひご覧ください。
記
◆原水禁エネルギープロジェクトからの「提言」記者会見
タイトル: 2021年原水禁エネルギーシナリオ ―第3次原水禁エネルギー政策の提言―
日 時 : 3月4日(木)13:30~14:30
場 所 : 衆議院第一議員会館第3会議室
出席者 : 鎌田慧(さようなら原発呼びかけ人)、藤本泰成(原水禁副議長)、松久保肇(原子力資料情報室事務局長)長谷川公一(元東北大学名誉教授)ほか
*上記出席者は会場現地での参加、他の委員はZOOMでの参加となります。
配 信 : https://youtu.be/1_5GKv9ln3Q
原水禁エネルギー政策提言作成委員会
委員会メンバー
座 長 : 長谷川公一(東北大学名誉教授)
委 員 : 松久保肇(原子力資料情報室事務局長) 、桃井貴子(気候ネットワーク 東京事務所長)、藤堂史明(新潟大学准教授)、手塚智子(市民エネルギーとっとり)、松原弘直(環境エネルギー政策研究所(ISEP) 理事) 、末田一秀(はんげんぱつ新聞編集委員)
特別顧問 : 西尾 漠(原子力資料情報室共同代表)、藤井石根(明治大学名誉教授)
問い合せ : 03‐5289‐8224(原水禁・担当 井上/橋本)
その他 ①報道関係者のみ、当日13:15から通行証を会館ロビーで配布させていただきます。
②ZOOMでの記者会見に参加ご希望の方は、事前にご連絡ください。URLをお送りいたします。
③当日は「提言」のサマリーを発表します。このサマリーは、全国会議員に当日午前中に配布する予定です。「提言」全体は、後日、政府関係機関等に提出する予定です。
お問い合わせ先:原水爆禁止日本国民会議 事務局
千代田区神田駿河台3-2-11連合会館1F
TEL 03-5289-8224
FAX 03‐5289‐8223
原水禁「エネルギープロジェクト」について
2021年01月24日
国の責任を不問とした東京高裁判決に対する原水禁議長声明発出について
1月21日、東京高裁は、東京電力福島第一原発事故で、群馬県などに避難した住民が、国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、国の責任を認めた一審の前橋地裁判決を覆し、国の責任を不問とした。
これを受け、原水禁議長声明を発出致しましたので、ここに掲載いたします。
国の責任を不問とした東京高裁判決を許さない(原水禁声明)
1月21日、東京高裁(足立哲裁判長)は、東京電力福島第一原発事故で、群馬県などに避難した住民37世帯91人が、国と東京電力に約4億5,000万円の損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、国の責任を認めた一審の前橋地裁判決を覆し、国の責任を不問とした。一方で東京電力には、原告90人に約1億1,972万円の賠償を認めた。国と東京電力に合わせて62人、3,855万円の賠償を命じた一審の前橋地裁判決より救済範囲を広げたものの、原告の要求からは程遠い。
国と東京電力を被告とした高裁判決は、2020年9月の仙台高裁に続くものだが、国と東京電力の責任を問えるかどうかの判断は分かれた。仙台高裁の判決は、双方の責任を認めたが、今回の判決では、国の責任を不問とした。
両訴訟では、2002年7月に国の地震調査研究推進本部が公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」をめぐって、津波の襲来予測と事故回避の可能性が争われた。仙台高裁の判決では、国の専門機関が明らかにした「福島沖で巨大地震が起きる可能性がある」との長期評価の信頼性を認め、東京電力と国が適切に対応していれば被害を避けられたとした。しかし、今回の東京高裁判決では、長期評価の前提となる「約400年間に3回の津波地震の発生」について異論があったほか、2002年1月に土木学会原子力土木委員会が公表した「原子力発電所の津波評価技術」の知見とも整合しないことを理由に、巨大津波の襲来を予見できなかったとし、「長期評価」の知見を前提に津波対策を講じても原発内への津波の浸水を防止はできなかったとして、「津波対策に関する国の対応に問題があったと認めることは困難だ」とした。
しかし、国や東京電力が、津波の可能性を警告する「長期評価」を無視し、経営を優先して原発事故のリスクを軽視し対応を怠ったことは事実であり、原子力災害を招いた責任から逃れることはできない。
現在20件余りにもおよぶ同様の裁判が進行し、今後も国と東京電力の責任が追及される。そこでは、当事者が真摯に責任を省みることが求められている。
原発事故被害者への賠償は、政府の原子力損害賠償紛争審査会が定めた指針に基づいて進められてきたが、今回の判決においても不十分であることが指摘された。同様の判断は、他の訴訟でも繰り返されている。事故から10年を経た現在においても、被害者の納得する賠償が進んでいなことは、きわめて問題である。東京電力は、審査会の指針以上の賠償を拒否し、原子力損害賠償紛争審査会の調停案にも異議を唱え、福島地裁の和解勧告さえもはねのける姿勢に終始し、被災者からの訴訟が相次いでいる。政府も、避難指示解除にともなって避難者へのさまざまな賠償や支援を次々と打ち切っている。避難者の置かれている実態を考慮せず、一方的に切り捨てようとする姿勢は、許せない。
私たちは、避難者、被災者への誠実な賠償と支援を強く求めると同時に、国の責任を不問とした東京地裁判決に強く抗議する。
2021年1月24日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一
2021年01月19日
原水禁は、核兵器禁止条約発効を受け、課題を整理するとともに、世界がどのように変化していくかを展望し、これからの原水禁運動のあり方を提起します。
その様子は以下の通り、オンラインでご覧いただけます。
「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」
記
(1)日時:2021年1月23日(土)10:00~12:00
(2)内容:
① 主催者あいさつ 川野浩一議長
② 日米韓国際シンポジウム
(3)パネリスト
日 本:秋葉忠利さん(原水禁・顧問)
アメリカ:ケビン・マーティンさん(ピースアクション)
韓 国:イ・ヨンアさん(参与連帯)
(4)コーディネーター:藤本泰成さん(原水禁・副議長)
(5)YouTube原水禁チャンネルにて、生配信いたします。
原水禁チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCE9kPbD9CrNxSe9eF54nz3Q
配信のULRを拡散いただく場合は、こちら https://youtu.be/9lJFxYBZVYM
また、シンポジウムに先駆けて、核兵器禁止条約の基本から学べる動画も公開しています。
核兵器廃絶に至るこれからの道 前広島市長・原水禁顧問 秋葉忠利「核兵器禁止条約」に関する動画を公開
「核兵器禁止条約」発効の意義と課題―今こそ、東北アジア非核兵器地帯を―湯浅一郎(ピースデポ代表)「核兵器禁止条約」に関する学習動画を公開
原水禁の核兵器禁止条約発効にあたっての議長声明はこちらをご覧ください。
核兵器禁止条約の発効にあたっての原水禁議長声明
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