再処理 - 原水禁

12月13日、止めよう!六ヶ所再処理工場!「新“原告”募集」集会を開催

2020年12月22日

 

集会やデモの様子が分かる動画をつくりました。ご覧ください。

現在、六ヶ所再処理工場は、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査合格を受け、2022年の完工に向けて動き出しました。しかし、原子力をめぐる環境は福島第一原発事故以降大きく変わり、六ヶ所再処理工場で作り出されたプルトニウムやウランの使い道についての目途は立っていません。再処理・核燃料サイクル政策が、順調に進む見通しは全くないのが現状です。

このような中、12月13日にこれまで六ヶ所再処理工場の行政訴訟を担ってきた「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」が、新たに“原告”を募集することになりました。原告団は、現在継続している取り消し訴訟(以下、「旧訴」)とは別に、福島原発事故以降設定さらた新規制基準に合わせた審査に対して、新たな取り消し訴訟(以下、「新訴」)を起こすことになりました。集会は、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団・核燃サイクル阻止1万人訴訟弁護団・再処理とめたい!首都圏市民のつどいの三者の呼びかけで、東電本店前の内幸町ホールに約40名が集まりました。その中で20名を超す人が新原告に加わりました。

集会は、1万人訴訟の原告団長で弁護士の淺石紘爾さんから六ヶ所再処理工場の現状の報告と核燃料サイクル政策の破綻が語られました。その上で、今回の新訴訟について「原発・再処理を絶対に許さない意思を込めて提起する」と力強く発言されました。また同じく弁護士の伊東良徳さんからは、新訴に当たって新たな争点として「航空機落下」の問題が解説されました。三沢には米軍基地や航空自衛隊基地があり、六ヶ所村には天ケ森射爆場があり、現実に航空機落下の危険性があることを指摘しました。

海渡雄一弁護士からは、活断層と地震の問題が提起さレ、活断層を短く切り刻み地震を小さく見せようとする日本原燃の評価の問題の間違いを指摘しました。「原発はよく5重の壁守られているというが、六ヶ所再処理工場は、最初から使用済み核燃料が硝酸に溶け、その溶液が配管でつながっている。そこでは二重の壁でしか守られておらず、地震によって大惨事を招く可能性がある」と指摘しました。

最後にルポライターの鎌田慧さんからは、「再処理を止めたら、原発というフィクションが崩壊する」と指摘し、それを政治が支えていると、政治の劣化ガ訴えられました。

種会後、「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」の定例デモを東電本店前から銀座に向けてデモをしました。

六ケ所村MOX工場への「審査合格」に対する原水禁議長声明

2020年12月14日

六ケ所村MOX工場への「審査合格」に対する原水禁議長声明発出について

12月9日、原子力規制委員会は、青森県六ケ所村に建設しているプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場の安全対策が、新規制基準に適合するとして正式に「審査合格」としました。
これを受け、原水禁議長声明を発出致しましたので、ここに掲載致します。

 

 

六ヶ所村MOX工場の破綻は明らか ―核燃料サイクルの根本的転換を急げ―(原水禁声明)

 

12月9日、原子力規制委員会は、日本原燃(原燃)が青森県六ケ所村に建設しているプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場の安全対策が、新規制基準に適合するとして正式に審査合格とした。

MOX燃料加工工場は、六ヶ所再処理工場とともに核燃料サイクル政策の要の施設だが、しかし、高速増殖原型炉もんじゅ(もんじゅ)の廃炉や六ヶ所再処理工場の完工延期など、核燃料サイクル政策は行き詰り、先行きは不透明な中にある。国や電力会社は、MOX燃料を利用して「プルサーマル発電」を行うとしているが、福島原発事故以降これまで再稼働した原発9基のうち4基しか導入できていない。さらに実際に稼働しているのは現在2基にすぎない。

プルトニウム利用の中心であったもんじゅが廃炉となり、その後、連携を模索したフランスの高速炉開発も頓挫した。結局現在のところ、プルトニウム利用はプルサーマル発電だけが残るこ
ととなった。当初、16基~18基とした原発でのプルサーマル導入計画は、しかし、福島原発事故以降、原発の再稼働もきびしい中で進んでいない。日本は、使用済み核燃料の再処理にあたって
は、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを持たないことを国際公約としており、核燃料サイクル計画を続ける限りその公約の実現は不可能である。

原子力規制委員会の更田豊志委員長は、「安全性や核拡散の観点から再処理工場で抽出したプルトニウムは、速やかにMOX燃料に加工することが必要だ」と述べ、再処理とMOX燃料加工を一体的進めることを求めているが、出口にあたるプルサーマル発電が進まない現状では、MOX燃料は消費されず工場が計画通り操業できる見込みは立たない。

さらにMOX燃料加工工場の建設費も当初の約1,200億円から約3,900億円と3倍以上に跳ね上がっている。六ヶ所再処理工場も当初約7,600億円だった建設費が約2兆9,000億円と4倍近くに膨れ上がっている。今後も核燃料サイクル計画にかかる費用は、歯止めなく膨らんでいくに違いない。

六ケ所村の再処理工場は、1993年の着工以来、24回も完工延期が繰り返され四半世紀を経てもいまだ完成していない。原燃は2021年度上期の完工をめざしているが、今後も地元の合意、細かな審査や試験があり、本格稼働の時期は見通せていない。MOX工場は、2012年完成を目指していたが、これも延期が繰り返され、現在2022年上半期の完成となっているが、再処理工場との一体的稼働を考えれば、操業時期は不透明といえる。

MOX燃料の需要が不透明で、工場の計画的稼働も見込まれない中で、莫大な建設費はMOX燃料の価格を高騰させ、経済的合理性を失うこととなっている。巨額な投資は、電力料金に跳ね返ることは必死であり、高速炉開発に多額の税金が投入されたと同様、市民の負担増は避けられない。

特に福島原発事故以降、原子力発電や再処理事業を巡る環境は大きく変化した。米国や英国、ドイツなどは既に核燃料サイクルから撤退し、世界の流れは脱原発へと大きく舵を切っている。

国・電力会社は、核燃料サイクル政策の破綻を認め、原子力政策全体の根本的転換を図ることが必要だ。これ以上問題の先送りは許されない。

2020年12月14日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一

「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みの強化について

2020年11月17日

「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みの強化について

 

「止めよう再処理¡100万人署名」の取り組み強化についてのお願いです。

すでに各地、各団体において取り組みをすすめていることと存じますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、署名運動の展開が厳しく、街頭などでの取り組みも困難な中にあると思いますが、今回あらためて取り組みの強化をお願い致します。

核燃料サイクルについては、菅新政権は先の衆議院予算委員会(11月4日)で、「核燃料サイクル政策を推進する」ことを基本的方針と述べた上で、再処理工場の完工、プルサーマル発電の推進、使用済みMOX燃料の再処理の研究開発などの政策を進めると言明しています。

しかし、原発や核燃料サイクルをめぐる環境は大きく変わり、原発の新増設は進まず、むしろ原発の廃炉が相次いでいます。まさに原発は「廃炉の時代」を迎えています。核燃料サイクルも、中心となるべき高速増殖炉は、原型炉「もんじゅ」の開発が廃炉となり、フランスなどとの高速炉開発もとん挫しました。プルトニウム消費のためのプルサーマル計画も低調なまま先行きが不透明となっています。核燃料サイクルは、実現性もなく政策的にも破綻しているのが現状です。

 安倍政権を引く継いだ菅政管も、原発・核燃料サイクル路線を進め、国際的にも問題となっている温暖化対策に原発を活用しようとしています。破綻が明らかな核燃料サイクル路線からの撤退を求め、脱原発に向けた政策転換をはかるためにこの署名に引き続きご協力をお願い致します。なお、署名展開に役立つ冊子「STOP!再処理―六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」も併せてご活用ください。

 

止めよう再処理!100万人署名

1.要請先

内閣総理大臣/経済産業大臣/原子力委員会/原子力規制委員会

2.要請項目

  1. 原子力政策、核燃料サイクル政策の根本的転換を求めます。
  2. 六ヶ所再処理工場、MOX加工工場、むつ使用済み核燃料中間貯蔵施設、世界初の大間フルMOX原発の建設中止を求めます。
  3. プルトニウム利用政策の放棄を求めます。
  4. プルサーマル計画の中止と第二再処理工場計画の放棄を求めます。
  5. 下北半島を核のごみ捨て場にしないことを求めます。
  6. 原子力政策、核燃料サイクル政策について公開討論会を求めます。

3.呼びかけ団体

止めよう再処理!100万人署名実行委員会

 原水爆禁止日本国民会議・原子力資料情報室・核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団

核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会・反原発運動全国連絡会・青森県反核実行委員会

4.目標数 100万筆

5.締め切り 2021年3月31日

6.送付先 青森県反核実行委員会    

〒030-0811 青森県青森市青柳1-3-14  

      ℡ 017-776-5665                           

7.教宣資材 学習小冊子(A5判・24頁)を作成しました。ご活用ください。

  「STOP!再処理―六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」

    はんげんぱつ新聞編集部・著

    頒価 1冊200円・送料別

    *申込書はこちら

8.その他

  ①青森県反核実行委員会からの呼びかけ PDFはこちら

  ②署名用紙は、PDFデータを印刷してください。 PDFはこちら

  なお、大量に必要な場合は、原水禁事務局へご相談ください。

 

2020年7月10日発行 「STOP!再処理 六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」

2020年08月18日

「STOP!再処理 六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」

 

2020年7月10日発行

体裁:A5版24ページ
発行:原水爆禁止日本国民会議
価格:200円(送料別)

 

 

 

 

もくじ

はじめに

1 大事故の危険性がある。

2 建ててはいけない場所にある。

3 上空を戦闘機が飛ぶ。

4 放射能を垂れ流す。

5 リサイクルはまやかし。

6 核拡散に道をひらく。

7 放射能のごみを増やす。

8 放射能ごみは地元に残る。

9 コスト負担を強いる。

10 地域経済を脅かす。

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ご注文を受け付けています(送料別)

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11 連合会館1F
TEL:03-5289-8224 FAX:03-5289-8223

申し込みはお名前、送り先、冊数明記の上、メール、またはFAXでお願いいたします。

メール:office▲peace-forum.top(▲を@に変えてください)
FAX:03-5289-8223

 

 

「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みについて

2020年08月18日

「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みについて

 

1993年から始まった六ヶ所再処理工場の建設は、27年経った今でも完成していません。この間、原発や核燃料サイクルをめぐる環境は大きく変わり、原発の新増設は進まず、むしろ原発の廃炉が相次いでいます。原発は「廃炉の時代」を迎えています。核燃料サイクルも、中心となるべき高速増殖炉は、原型炉「もんじゅ」の開発がとん挫(廃炉)となり、フランスなどとの高速炉開発も行き詰まっています。プルトニウム消費のためのプルサーマル計画も低調なまま、先行きが不透明となっています。核燃料サイクルは、実現性もなく政策的にも破綻しています。しかし、安倍政権は、原発・核燃料サイクル政策を強引に推し進めています。

原発をめぐる世論は、福島原発事故以降大きく変わり、圧倒的多数は脱原発を求めています。核燃料サイクル政策の破綻は、六ヶ所再処理工場やMOX加工工場、むつ使用済み核燃料中間貯蔵施設の存在意義を失わせました。余剰プルトニウムを持たないことを国際公約としている中で、これ以上プルトニウムを増産すれば、国際社会に「核武装」の懸念を与えます。六ヶ所再処理工場は、核拡散の面からも問題となっています。このまま核燃料サイクルを進めれば、処理・処分の難しい核のごみを増やし、危険なプルトニウムを増やすだけです。現在、六ヶ所再処理工場は規制委員会による新規制基準に「適合」とされ、完工そして稼働に向け動き出していますが、ここで止めることが重要です。

今年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、4月の「4・9反核燃の日」行動を取り組むことができませんでした。核燃料サイクルが破綻している現状をこのまま放置することなく、反核燃の声を大きく集め、世論にしていくために、標記署名を現地の方々と協力して展開することになりました。ぜひご協力をお願い致します。

 

止めよう再処理!100万人署名 署名用紙『止めよう再処理!100万人署名』(PDF)

 

1.要請先

内閣総理大臣/経済産業大臣/原子力委員会/原子力規制委員会

 

2.要請項目

1.原子力政策、核燃料サイクル政策の根本的転換を求めます。

2.六ヶ所再処理工場、MOX加工工場、むつ使用済み核燃料中間貯蔵施設、世界初の大間フルMOX原発の建設中止を求めます。

3.プルトニウム利用政策の放棄を求めます。

4.プルサーマル計画の中止と第二再処理工場計画の放棄を求めます。

5.下北半島を核のごみ捨て場にしないことを求めます。

6.原子力政策、核燃料サイクル政策について公開討論会を求めます。

 

3.呼びかけ団体

止めよう再処理!100万人署名実行委員会

原水爆禁止日本国民会議・原子力資料情報室・核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会・反原発運動全国連絡会・青森県反核実行委員会

 

4.目標数 100万筆

 

5.締め切り 2021年3月31日

 

6.送付先 青森県反核実行委員会    〒030-0811 青森県青森市青柳1-3-14  ℡ 017-776-5665

 

7.学習小冊子(A5判・24頁)を作成しました。ご活用ください。

「STOP!再処理―六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」はんげんぱつ新聞編集部・著

販売価格 1冊200円・送料別    *申込書Word(ダウンロードしてご使用下さい)

 

 

 

 

 

 

 

8.その他

①青森県反核実行委員会からの呼びかけ要請文(以下記載)

署名用紙は、PDFデータを印刷してください。なお、大量に必要な場合は、原水禁事務局へご相談ください。

 

 

ストップ再処理!百万人署名 の要請

 

私たちは、六ヶ所再処理工場をはじめとする、下北半島に展開している核燃サイクル政策に関わる原子力施設の計画・建設・操業に反対している。その主な理由は①六ヶ所再処理工場の意義が既に失われていること②世界初のフルMOX大間原発を軽水炉原発の運転経験がない電源開発が手掛けるのは無謀であること③むつ使用済燃料貯蔵施設から50年後に搬出する保証がない等の理由にあります。

六ヶ所再処理工場は、平常時の運転でも多量の放射能を垂れ流し、また抽出したプルトニウムは、国際原子力機関(IAEA)も「2週間ほどで核兵器に転用可能」と認めています。日本のプルトニウムの大量保有は海外からは核拡散の問題であるととらえられています。そして同時に取り出される回収ウランは使い道がない事や、重大事故への対処は通常の原発以上に困難であり、周辺住民の避難さえ下北半島の地理的条件や自然条件によって大きな困難に直面することが懸念されています。六ヶ所再処理工場は、1997年完工予定であったが、今現在も完工にいたらず、その間に建設費も7600億円から約3兆円にまで膨れ上がっています。現在総事業費も14兆円という巨額な費用が見積もられていますが、それで済む保証はなく、その料金は私たちの電力料金などから支払われています。何より巨額の投資に見合うほどの恩恵があるとは思えません。核燃料サイクルが破綻しているいま、六ヶ所再処理工場の存在意義は失われています。

大間原発はプルサーマル燃料を大量に消費することが期待されていますが、MOX燃料は制御が難しく、事故時の被害が深刻なものになることが指摘されています。さらに、使用済MOX燃料は長期に渡る冷却が必要となるなど問題が多い。現在、使用済MOX燃料も再処理することが方針として示されていますが、具体的計画はありません。むつ市にある使用済燃料貯蔵施設は、貯蔵期間50年までに再処理工場に搬出することを約束していますが、六ヶ所再処理工場の後の第二再処理工場の具体的計画はまったくなく、そのまま留め置かれ核のごみ捨て場となる可能性が高い。

核燃料サイクル施設や原発が集中立地する下北半島は、原子力政策の矛盾と破綻が象徴的に表れています。原発は「廃炉の時代」に入り、核燃料サイクルはいたるところでほころび、まともにサイクルできずに破綻の現状を見せています。そのような中で安倍自公政権は、エネルギー基本計画を打ち出し、原発・核燃料サイクルの推進に躍起になっています。その流れは、来年の第6次エネルギー基本計画に引き継がれようとしています。しかし、いまこそ原子力政策・核燃料サイクル政策の根本的転換が求められています。

私たちは、六ヶ所再処理工場とMOX加工工場、大間フルMOX原発、むつ使用済燃料の計画・建設・運転の中止を求め、行き詰る原子力政策、中でも核燃料サイクルの破綻実態を明らかにする「ストップ再処理!100万人署名」を提起し、全国展開することにしました。

全国各地、各団体、市民の皆様の御協力をお願いします。

 

注)*MOX ウラン・プルトニウム混合酸化物。

*プルサーマル MOX燃料を、現在の原子力発電所で利用すること。

 

2020年7月

青森県反核実行委員会

代 表 三上 武志

 

「六ヶ所核燃サイクル・再処理工場新規制基準に関するパブリック・コメントのとりくみ」参考意見について

2020年06月04日

「六ヶ所核燃サイクル・再処理工場新規制基準に関するパブリック・コメントのとりくみ」参考意見について

 

原子力規制庁が5月14日より開始したパブリック・コメントの締め切りが、6月12日と迫っています。

※原水禁ホームページでも、5月21日にご案内しています。

締め切り直前のご案内ではありますが、「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の山田清彦さんからパブリック・コメントを提出するための参考意見が提示されていますので、ご案内いたします。

◆「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」HPはこちら

 

◆日本原燃(株)六ヶ所再処理事業の変更許可申請書に関する 審査書(案)についてのパブリックコメント文例集 PDFはこちら

 

◆ パブコメの箇所とそれに対する意見の例 その1

◆ パブコメの箇所とそれに対する意見の例 その2

◆ パブコメの箇所とそれに対する意見の例 その3

 

 

「六ヶ所核燃サイクル・再処理工場新規制基準」に関する パブリック・コメントのとりくみ

2020年05月21日

「六ヶ所核燃サイクル・再処理工場新規制基準に関するパブリック・コメントのとりくみ」について

 

 5月13日、原子力規制委員会は、青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所再処理工場)が、新規制基準に適合していると認める「審査書案」を了承しました。30日間の意見公募(パブリック・コメント)を行った後、「審査書」を正式決定するとしています。

 これを受け、同月15日、原水禁は「核燃料サイクル政策の破綻を認め、六ヶ所再処理工場の建設中止を求める原水禁声明」を発出致しました。

 現在、原子力規制委員会事務局である原子力規制庁が、意見公募(パブリック・コメント)を開始していますので、パブリック・コメントにおとりくみいただくようご協力をお願いいたします。

 

意見公募(パブリック・コメント)案件番号198020202 

「日本原燃株式会社再処理事業所における再処理の事業の変更許可申請書に関する審査書(案)に対する科学的・技術的意見の募集について」

 https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198020202&Mode=0

期間:6月12日まで

応募フォームに沿って、「直ちに核燃料サイクル政策を取り止めるべきである」という視点から意見をお願いいたします。

 

◆原水禁声明(2020年5月15日付)をご参照ください。

 http://gensuikin.peace-forum.com/2020/05/15/kakunen0513/

意見公募要領

 https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000202106

◆原子力規制委員会・審査状況資料

https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/nuclear_facilities/REP/index.html

 

◆関連講座のご案内

   現在、原子力資料情報室では、再処理問題の論点整理として、連続WEB講座を開催しています。

https://cnic.jp/9104

 

 

止めよう再処理!共同行動ニュース09/26号の記事から

2012年09月26日

再処理からの撤退は当然だ!

2030年代原発ゼロ?
 9月14日、政府のエネルギー・環境会議は、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定しました。原発の依存度を減らし、①40年廃炉を厳格に適用、②原子力規制委員会が安全確認を得た原発のみ再稼働認める、③原発の新増設は行わないとする三原則をあげた上で、「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指すとし、そのため「あらゆる政策資源を投入する」としました。
 9月19日、この方針を政府は、「今後のエネルギー・環境政策については、『革新的エネルギー・環境戦略』を踏まえて、関係自治体や国際社会と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」として、閣議決定をしました。しかし、方針としての閣議決定にとどめただけで、文書そのものを閣議決定とすることまではいきませんでした。政府の覚悟が疑われます。
 「革新的エネルギー・環境戦略」では、使用済み核燃料の再処理問題は、見直されることなく、事業を引き続き進めるとし、高速増殖炉もんじゅは、年限を区切った研究を経て廃炉にするとされ、原発の廃炉や放射性廃棄物の最終処分について国が責任を持つことが示されただけで、具体的な施策は示されませんでした。核燃料サイクルそのものが破たんしているにもかかわらず、問題を先送りしたものとなっています。
 さらに、この戦略発表後、島根原発3号機や大間原発、東通原発の計画続行を認めました。原発立地県への配慮が目立ち、「原発の新増設は行わない」との原則と大きく矛盾するものとなっています。「40年廃炉」となれば、それらの原発の廃炉は2050年代以降となるでしょう。「原発稼働ゼロ」に向け「あらゆる政策資源を投入する」とした政府の覚悟や具体的政策が見えません。選挙目当てと言われても仕方なく、政権が代われば、簡単に放棄されてしまうのではないでしょうか。
 脱原発に向けた国民的な世論が高まる中で、このような中途半端な戦略では、結局2030年代に「原発稼働ゼロ」は絵に描いた餅でしかなく、いまこそ具体的な原発撤退戦略が求められています。

六ヶ所再処理工場はどうなる?
 この「革新的エネルギー・環境戦略」に対して再処理工場の建設を進める日本原燃は、「2030年代に原子力稼動ゼロの方針となったことは極めて遺憾である。エネルギー政策は、5~10年経って失敗だったということは許されない。今後は、本戦略の中で示されたように、絶えず検証を行うとともに、不断の見直しが必要と考える。そして、わが国の将来の視点に立った冷静で現実的な判断をお願いしたい」と、自らの「失敗」を認めず、強引に核燃料サイクル路線を主張しています。
 再処理工場そのものは、本来今年10月には竣工するはずでしたが、相次ぐトラブルでさらに1年延長され、来年10月と発表されました。前回の延期(2010年9月)に際し、日本原燃の川井吉彦社長は、「最後の延期。不退転の決意で臨む」と強調していましたが、今回、19回目の延期発表となりました。延期、延期を重ねていまだ完成していないのが六ヶ所再処理工場の実態です。1年先延ばしをしても、順調に事が進むとは限りません。新たに発足した原子力規制委員会がどのような完工前審査を行うのか、これまでトラブル続きだった
高レベルガラス固化施設が今後も順調に動き続けていくのか、これまでの事前確認試験の結果だけでは見えません。さらなる延期が待っているのではないでしょうか。
 これまで何度も指摘しているように、作り出したプルトニウムの使い道がないのも問題です。現在、大飯原発が2基稼働しているだけで、残りの48基の原発は止まったままです。再稼働には新たに発足した原子力規制委員会が新基準で評価することになっています。その基準での評価は、来年夏以降となるようです。それ以降でしか再稼働はなく、新たに拡大した防災計画も自治体の対応がこれからという状況にあり、再稼働をめぐる状況は厳しいものがあります。その上プルトニウムを使うプルサーマル計画では、さらに周辺住民などの合意などハードルは高く、2015年までに16~18基の原発でプルサーマルを実施するという計画はすでに破たんしています。原発の再稼働さえ不透明な状況の中、六ヶ所再処理工場でプルトニウムをつくり出す意味はまったくありません。さらに2030年代に「原発稼働ゼロ」を目指すのであればなおさらです。再処理工場は40年間運転を前提にしていましたが、今回の「革新的エネルギー・環境戦略」議論ではその前提さえなくなるものです。
 すでに2兆1000億円以上もの資金が六ヶ所再処理工場に投下されています。完成までさらに費用をかけ、その後何年稼働させるのか? 高くつく再処理工場は、本当に必要なのでしょうか。
 六ヶ所再処理工場は「5~10年経って失敗だったということは許されない」ではなく、1984年の受け入れから28年経っても完成しないのにいまだ「失敗だった」と認めないことが問題です。プルトニウム利用政策の破たんを直視し、「冷静で現実的な判断」こそ、再処理事業に下されるべきです。

もんじゅは即刻廃炉しかない!
 六ヶ所再処理工場とともに、核燃料サイクルの中核を担うとされている高速増殖炉は、もんじゅの開発段階で破たんを来しています。1995年にナトリウム漏洩火災事故を起こして以来17年間、まともに動いたことのない原子炉です。現在も2010年8月の炉内中継装置の落下事故で停止したままです。今後の再開の見通しさえ立っていません。
 そして今回の「革新的エネルギー・環境戦略」の中では、もんじゅ開発は、「年限を区切って廃炉にする」となっています。その年限も5年と言われ、放射性廃棄物の減容に寄与する研究が無理矢理付けられて、なんとか研究開発は続行しようとしていますが、そこでの成果など期待できるものではありません。
 すでにもんじゅ開発には、9600億円以上の資金が投入されてきました。それらは、すべて私たちの税金です。さらに東海再処理やMOX燃料加工、常陽などの高速増殖炉関連の開発では、さらに1兆7000億円もつぎ込んでいます。六ヶ所再処理工場の莫大な資金投下と合わせて、未完の核燃料サイクルに私たちの税金や電力料金が浪費されています。福島の事態の一刻も早い収束にむけた取り組みに、人やものや資金を全力で投入すべきであり、これ以上ムダな浪費を繰り返している場合ではありません。もんじゅを即刻廃炉にすることがまず先決です。

日本学術会議もNO!
 これまでの核燃料サイクル路線は、原発から出てくる使用済み核燃料を全量再処理して出た、高レベル放射性廃棄物をガラス固化して数万年に渡って地中に廃棄処分する計画でした。現在その処分場の候補地さえ見つかっていません。この計画に対して、日本学術会議は見直しの「提言」を原子力委員会に提出しました。(9月11日)。その中で、日本では「万年単位で安定した地層を見つけるのは困難」と指摘しています。これまで「トイレなきマンション」と言われてきた原子力政策が、「トイレ」がないことがあらためて明らかにされました。六ヶ所再処理工場での高レベル放射性廃棄物の処分そのものがあらためて問われています。どこにも処分できるところがないまま、原発をさらに進めていくことは、大量の廃棄物をつくり出すだけで、後の世代に大量の負の遺産となるだけです。2030年代と言わず、一刻も早く脱原発に向けた政治選択と具体的取り組みを取るべきです。とりわけ再処理や高速増殖炉などの核燃料サイクル路線は即刻中止すべきです。

止めよう再処理!共同行動ニュース11/30号記事から

2011年11月30日

高速増殖炉「もんじゅ」廃炉検討
核燃料サイクル路線見直し必至!

ついに担当相が廃炉に言及
 今月26日、細野豪志・原子力行政担当相は、高速増殖炉もんじゅについて「一つの曲がり角に来ている」、「(廃炉について)そういうことも含め検討していくべきだ」と発言しました。さらに「前回(2005年)改定のときは、従来の路線を継続したが、今度は問題の先延ばしは許されない」と述べ、現在進められている内閣府・原子力委員会の「新原子力政策大綱策定会議」の中でも廃炉を含めた抜本的な見直しが必要との意向を示しました。
 もんじゅは、これまで国が進める核燃料サイクル政策の中核を担うものとして位置づけられてきました。2025年ごろには実証炉(もんじゅは「原型炉」)、2050年には実用炉を導入するとするロードマップを描いてきました。将来は高速増殖炉が原子力の主流を担うこととされていたのです。
 しかし、1995年のナトリウム漏洩火災事故をはじめ近年では、炉内中継装置の脱落などの事故を繰り返し、長期に渡って運転が停止し、現在も停止したままです。その間にもんじゅには1兆円を超す資金が投入されてきました。運転停止中のもんじゅ維持のため年間200億円もの資金が浪費されています。事故続きで将来展望の見えないもんじゅに対して見直しの声が政府部内からも強く上がってきました。今月10日から始まった政府の行政刷新会議の「提言型政策仕分け」作業の中でももんじゅの予算やもんじゅの方向性を含め原子力研究開発の是非が問われ、「抜本的な見直しに踏み出すべき」との提言をまとめました。その中で、蓮舫・行政刷新担当相は「『もんじゅ』は1兆円かけて、まだ実験段階。信じられないぐらいの国民の税金とか、電気料が使われてきている」と述べていました。
 もんじゅについては、原子力分野を担当した仕分け人7人全員が、抜本的な見直しが必要だと判定。12年度予算の概算要求に文部科学省が盛り込んだ試験費用22億円に対し、「計画そのものを見直すべきだ」として見送るよう提言しました。
 そのことは、もんじゅを中心に描かれていた日本の核燃料サイクルの破たんを示すものです。すでに世界は高速増殖炉開発からの撤退をしています。アメリカ、フランス、イギリス、ドイツといった国々では技術的困難性や軽水炉(普通の原子炉)と同じような経済性を達成できない、核拡散の問題など多くの問題を抱える高速増殖炉開発から早々に撤退をしてきました。残された日本が高速増殖炉開発のトップランナーとして走ろうとしてきましたが、その夢も破れようとしています。

プルサーマル計画の破たん
 もんじゅだけではありません。高速増殖炉開発の間をつなぐものとして登場した「プルサーマル計画」(普通の原子炉でプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を燃やす計画)も、今回の原発震災によって計画そのもの実現がもはや不可能となっています。2015年までに16~18基の原発で実施する予定でしたが、来春には全ての原発が停止になることもあって、プルサーマルを実施するより、まず再稼働できるかどいうかという状況です。
 さらに先行してプルサーマル発電を行っていた福島第一原発3号機は、爆発によってプルトニウムが飛散したこともあって、通常の原発よりもさらに危険性を高くしています。プルサーマル計画を今後歓迎する地元自治体はないのではないでしょうか。MOX燃料をフルに装荷する大間原発も工事が中断して再開の目途が立っていません。頼みのプルサーマル計画の実施は、もはや“夢物語”でしかありません。

福島原発事故の収束に全力を!
 福島原発の放射性廃棄物処理も含め、放射性高レベル廃棄物の処理・処分の問題も残っています。最終的処分場や方法も決まらない中、六ヶ所村で再処理してもそこで生まれたプルトニウムの利用先がなければ、国際公約としての余剰プルトニウムを持たないことを打ち出している手前、これ以上プルトニウムを生産することは許されません。プルトニウムを生み出す六ヶ所再処理工場は、これまた事故と先の震災によっていまだ完成していません。
 これ以上、完成に向けた資源と資金の浪費が必要なのか、もんじゅ・プルサーマルの動きを見れば、日本のプルトニウム政策を取り巻く環境は非常に厳しいものがあり、自ずと答えが出るはずです。もはやこれ以上のプルトニウム利用路線の追及に拘泥しているときではありません。福島原発事故の一刻も早い収束に向けた努力に全力を尽くすときです。


再処理推進の本音は核武装のため?

 核燃料サイクル路線が行き詰まりを見せ、再処理そのものの存在理由が問われる中で、読売新聞は社説(9月7日)の中で「日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に務め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外向的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ。」と主張しています。

 自民党の石破茂政調会長(当時)も今年9月に「原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れるという『核の潜在的抑止力』になっている」と同じような趣旨の発言をしています。原発も再処理も核武装のために必要とするマスコミと政治家の発言は、ヒロシマ・ナガサキそしてフクシマの惨事が起こった「被爆国」日本の中で、核の悲劇を再び起こすことの「力」をもつことは必要だと述べていることです。「力」は、見せかけでは「抑止」になりません。場合によっては「使うぞ!」ということがあってはじめて「力」となりえるものです。「潜在的核抑止力」だと言えばいうほど日本周辺の国々に対して警戒心を増幅させるだけです。

 そもそもこのような考え方は古くからあり、1968年の外務省の内部文書「我が国の外交政策大綱」に「当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル=可能性」は常に保持するとともにこれに対する掣肘(せいちゅう=妨害)をうけないよう配慮する」としていました。しかし一方で、1973年のNPT加盟を論じた外務省の文書では「現段階では核武装する可能性がまったく無い」とし、「一個や二個の原爆と引き換えに失うものは、あまりにも大きい」として前記の主張を退けています。

 それを再び、読売新聞も「自民党」もゾンビのごとく持ち出し、住民の安全・安心より国家の論理を押しつけようとしています。国策の名に依って押し進められた原発。またも国策として原発も再処理も押し進めようとする巨大マスコミと政治家。福島原発事故が何故起きたのかもう一度彼らは考えるべきである。地方をまたも犠牲にするのか!

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