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長崎大会第1分科会「脱原子力1学習・交流編-再稼働問題と日本のエネルギー政策」

第1分科会では、海外ゲストを含む3名の講師から講演があり、4つの地域から報告があった。主な内容は下記の通り。約300名参加、うち初参加は50名程度。 1. 『我々の責任を再検証する』  シュウ・グァンロンさん(台湾) 台湾国立大学のシュウ・グァンロンさんより、台湾の原子力事情と運動の課題について、報告があった。 台湾には3つの原発があり、もう1つ休止している原発がある。台湾の原子力エネルギープログラムは、核兵器プロクラムを隠すために60年代後半に始まり、今日まで厳密な機密情報として取り扱われてきた。 台湾の原子力エネルギーを所管する「行政院原子能委員会」は、本来の規制機関の

長崎大会第2分科会「福島原発事故と脱原発社会の選択」

ベーベル・ヘーン(ドイツ・みどりの党) ドイツでは2002年に15年かけて原発の段階的廃止法を制定し、その後、保守党によって廃止か延期されたが、2011年の福島原発事故で再び段階的廃止を決定した。段階的に廃止して原発ゼロになる。ドイツでは、自然エネルギーが拡大し、コスト削減と雇用創出できた。ドイツより日本は日照時間も長く風も強く、日本でも必ず成功する。その為には、国民の声や市民運動は不可欠だ。 藤井石根(明治大学名誉教授) 講師の藤井石根さんから、福島第一原発事故が起こり普通ならば日本のエネルギー政策を見直すべきだが、経産省が示した2030年の電源構成案は、原発の発電比率は2

長崎大会第3分科会「2015年NPT再検討会議と核兵器禁止条約への動き」

運営委員:石川俊二(自治労高知県本部)    第3分科会は、出席者55人で開催され、そのうち約7割の方は初参加ということであった。 分科会では、司会の開会挨拶の後、米国最大の平和・軍縮団体である「ピースアクション」の組織化・政策ディレクターのポール・マーティン氏から「NPT再検討会議のさらなる失敗と核廃絶への課題」と題しての報告と提起があった。大きくは2点で、1点目は「今年のNPT再検討会議の結果について」、もう1点は「核兵器廃絶に向けた長い道のりにおいて私たちが直面する課題について」。まず第1点目については、「今年のNPT再検討会議では最終文書の採択はできなかった」が、その直接の原因

長崎大会第4分科会「平和と核軍縮2-日本の安全保障政策-東北アジアの非核地帯化と沖縄」

参加者数は105名+運営委員+座長・司会=110名で、その内、約3分の1が初めての参加者であった。 討議の主な内容 ピースデポ・田巻さんよりNPTの仕組みについて概括的な説明と、「抑止力」とはどういう意味か、核廃絶をすすめる運動の在り方、について問題提起を受けた。海外ゲストの報告も含めて、非核3原則の法制化の必要性と北東アジアの非核地帯化を求める方向性を確認した。 その一方で、安倍政権の今日的動向が、大きな障壁となり、さらに北東アジアの緊張を高めていることへの強い危惧が指摘された。この点は、会場からの質疑・討論でも際立ち、安倍政権の歴史認識はもとよりと、私たち自身も侵略と植民地支配

長崎大会第6分科会「強制連行と被爆を考える」

於ブリックホール3F 参加者:52人     20代 12-3人、30代 14-5人、40-59代 16-7人、60以上 9-10人 初めて 14-5人、2回目 9-10人、3回目 8-9人、4回目 8-9人、5回以上 12-3人 ・司会者が「大会運営の基本ルール」を説明し、運営委員が参加者の傾向を把握して始めた。 ◇高實康稔さんの報告「強制連行と被爆を考える」 はじめに   広島でも長崎でも被爆者の1割は朝鮮人であった。「唯一の被爆国」といい、原爆の悲惨さと核兵器廃絶のみを訴えて、戦争責任を追及しない態度は許されない。 1 段階的に強化された朝鮮人強制連行   日中戦

長崎大会第7分科会「ヒバクシャ3 – 被爆二世・三世問題を考える」

報告者:運営委員 金子哲夫    第7分科会「ヒバクシャ3-被爆二世・三世問題を考える」は、崎山昇全国被爆二世協議会副会長の司会で始まり、開会あいさつで丸尾育郎長崎原爆二世の会会長は「安倍政権は、アメリカと一緒の姿勢で核抑止力に頼っている。子や孫が核兵器を背負わないようにしなければならない」と訴えた。その後、古川雅敏運営委員(静岡)から運営上の説明を行い、報告が始まった。 最初に丸尾さんから「被爆二世問題とは何か」の問題提起がなされた。その中で被爆二世団体の歴史と「被爆の継承と核兵器の廃絶、戦争反対の闘い」を取組んできたこと、そして原発被害の問題を見続けることの決意を述べるとともに「被

長崎大会第8分科会「見て・聞いて・学ぼう ナガサキ」

報告 菅原  参加者220人、内初参加半分    「君たちはゲンバクを見たか」のビデオ上映の後、山川剛さん(長崎県原爆被爆教職員の会)から被爆証言、続いて西岡由香さん(漫画家)から講演を頂きました。 山川さんは、「日本人ならゼイタクは敵だ」の看板の写真などを紹介しながら、①原爆投下にいたる当時の状況が話されました。 奢侈品等製造販売制限法で、贅沢品が制限されパーマなどのおしゃれは国が禁止した。 思ったことを口に出したら殺されるような息苦しい世の中だった。 戦争への疑問を口にしようものなら、『貴様はそれでも日本人か。この非国民め』と殺されかねなかった。 戦争の最初の犠牲者は、「真

原水禁世界大会・長崎大会に1800人 被爆70年-再び過ちを繰り返さないために戦争法案を許さない

被爆70周年原水爆禁止世界大会は、広島大会を引き継ぎ、8月7 日から長崎大会が始まりました。長崎ブリックホールで開かれた開会総会には1800人が参加し、原爆投下をもたらした日本が戦争へ歩んだ過ちを安倍内閣のもとで再び繰り返す動きを強めていていることに強い怒りと断じて阻止しようとの声が相次ぎました。 オープニングは核廃絶を願って、長崎県内386キロをめぐった「反核平和の火リレー」の皆さんによる取り組みが紹介されました。 黙とうに続いて、上川剛史・長崎実行委員長(長崎県原水禁会長)が戦争法案阻止を強く訴える開会あいさつを述べました。主催者あいさつは、長崎原爆の被爆者でもある川野

原水爆禁止世界大会 長崎大会 基調提起(藤本泰成・大会事務局長)

2015年8月6日、安倍首相は広島の平和祈念式にのぞみ、挨拶の中で「非核三原則」に言及しませんでした。その後の会見において「非核三原則は堅持する」と表明したものの、被爆者の方々からは非難の声が相次ぎました。政府は「特段の意図はない」としています。であれば、なおのこと挿入すべきではないでしょうか。安倍政権は、「非核三原則」など全く気にもしていない、思いも至らないというのが事の真相だと思います。 安全保障関連法案を審議する参議員特別委員会では、中谷元防衛大臣が質問に答えて「法制度上は、自衛隊の支援活動における核兵器の運搬も可能」と発言し、横畠裕介内閣法制局長官も同様に「憲法上、核兵器を保有しては