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長崎大会第7分科会「ヒバクシャ3 – 被爆二世・三世問題を考える」

2015年08月08日

長崎第7分科会

報告者:運営委員 金子哲夫

   第7分科会「ヒバクシャ3-被爆二世・三世問題を考える」は、崎山昇全国被爆二世協議会副会長の司会で始まり、開会あいさつで丸尾育郎長崎原爆二世の会会長は「安倍政権は、アメリカと一緒の姿勢で核抑止力に頼っている。子や孫が核兵器を背負わないようにしなければならない」と訴えた。その後、古川雅敏運営委員(静岡)から運営上の説明を行い、報告が始まった。
最初に丸尾さんから「被爆二世問題とは何か」の問題提起がなされた。その中で被爆二世団体の歴史と「被爆の継承と核兵器の廃絶、戦争反対の闘い」を取組んできたこと、そして原発被害の問題を見続けることの決意を述べるとともに「被爆二世の法的定義がないこと。国が認めていない」中での4つの問題「健康問題、遺伝的影響、社会生活上の問題、人権の問題」があることを報告した。続いて原水禁大会に初めて参加したオランダの被爆二世ロブ・シュカウテンさんから被爆者である父の被爆体験とその後の精神的苦痛、そしてその体験を知った家族のことがくわしく話された。その中で特にお父さんが2008年に被爆者健康手帳を取得したこと。その思いは「お金ではなく、犠牲者として認められることが重要だ」という話が印象に残った。ロブさんは、「父が被爆した地をどうしても訪れたかったこと」そして「長崎で初めて二世の同じ仲間のことを知った」ことを報告した。続いて司会の崎山さんから、被爆二世問題を国際的な人権問題にするため「国連人権理事会」に行ったことが報告され、続いて平野克博全国被爆二世団体連絡協議会事務局長から「被爆二世問題解決のためにどう取り組むのか」として「①署名活動②国会議員への働きかけ③裁判闘争に向けた取り組み④放影研に対する取り組み⑤組織の強化と拡大」等の課題が提起され、今後の活動強化の決意が報告された。
その後会場からの発言を求めたところ、被爆二世3人を含む6人から質問や意見が出された。特に被爆二世からは、自らの健康不安問題や県二世協の取り組み状況、ロブさんへの「はじめてお父さんから話を聞いた時の感想」という質問、今後の課題などが報告された。最後に運営委員の金子哲夫(広島)がまとめとして、「はじめてオランダの被爆二世が参加し、大変良かったこと、そして今後被爆二世問題解決のためには、特に地域被爆者組織との連携が必要なこと」を報告し、分科会を終わった。なお、本分科会への参加者は、55人(うち8割がこの分科会への初参加)であった。

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