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原水禁世界大会の最終日は長崎で閉会総会開く

  長崎に原爆が投下された8月9日、被爆72周年原水爆禁止世界大会の最終日を迎え、長崎大会の閉会総会が、長崎県立体育館で開かれました。全国から1600人が参加し、核兵器禁止条約の批准など、当面する課題を確認し、運動を広げていくことを誓いあいました。 長崎実行委員会を代表し、松田圭治・実行委員長(長崎原水禁議長)があいさつに立ち「国連の核兵器禁止条約採択の原動力は被爆者の思いだった。それにもかかわらず、日本政府がこれに反対することは、唯一の戦争被爆国として許されない」とし、憲法改悪や沖縄への新基地建設、原発政策を進める安倍政権を厳しく批判しました。 九州各県をつないで毎年行われている「非

原水禁世界大会・長崎大会 2日目は分科会やひろばで討議

8月8日、原水爆禁止世界大会・長崎大会の2日目は。いくつかの課題に分かれての分科会や、関係団体の自主企画の「ひろば」、フィールドワークなどが行われました。 「平和と核軍縮」の分科会では、共謀罪などの憲法問題や沖縄での新基地建設問題での討議と、7月7日に国連で採択された核兵器禁止条約と東北アジア非核兵器地帯化構想について考えました(写真上)。 「脱原子力」の課題では、福島原発事故の現状と再稼働問題を考える分科会のほか、プルトニウム利用路線の破たんと自然エネルギーの展望を検討しました(写真下)。 「ヒバクシャ」については3つの課題に分かれ、世界各地での核実

長崎大会 第1分科会「平和と核軍縮1-核も戦争もない世界を!~憲法・沖縄から考える」

長崎大会 第1分科会「平和と核軍縮1-核も戦争もない世界を!~憲法・沖縄から考える」 講師:前田哲男(ジャーナリスト・軍事評論家) 海外ゲスト:ポール・マーチン(米国・ピースアクション) 参加者 220名 はじめに、軍事評論家の前田哲男さんより「安倍政権の危険な本質」と題して講演を受けた。まずオスプレイ墜落と安倍首相の防衛計画大綱の直近情勢に触れたうえで、小野寺大臣の提言について解説があり、北朝鮮のミサイル対策・敵基地反撃能力を保有すべくということは、専守防衛という言葉は形骸化しているとの説明があった。このなかでは、政府の弾道ミサイルに関するホームページを引用し、長

長崎大会 第2分科会「平和と核軍縮2―核兵器禁止条約と東北アジア非核地帯化~展望と課題」  

長崎大会 第2分科会「平和と核軍縮2―核兵器禁止条約と東北アジア非核地帯化~展望と課題」 講 師:田巻一彦(ピースデポ代表) 参加者 70名 ピースデポ代表の田巻さんから次のような報告があった 7月7日についに、歴史上初めての「核兵器禁止条約」ができた。しかし、日本、アメリカ等の最も参加しなければならない国々が参加していない。また、北東アジアの状況も核兵器禁止条約の精神に反するような実態が続いており、私たち市民が具体的な要求を日本や核兵器を持つ国々に訴えていかなければならない。 これらのことをふまえたうえで、以下の5点が提起された。 ①核兵器の現状 ②核兵器禁

長崎大会 第3分科会「脱原子力1~福島原発事故の現状と再稼働問題を考える~」

長崎大会 第3分科会「脱原子力1~福島原発事故の現状と再稼働問題を考える~」 講師:伴英幸(原子力委資料情報室共同代表) 後藤政志(元原子力プラント設計技師) 海外ゲスト:キム・ポンニョ(韓国・脱核情報研究所所長) 参加者:120名  原子力資料情報室共同代表の伴さんからは、福島原発事故によって受けた健康被害、放射能数値20シーベルトの健康影響を及ぼしかねない危険が潜む地域へ住民を帰すといった避難解除の問題について提起があった。 元原子力プラント設計技師の後藤さんからは、安全の定義とは、リスクを許容できるかどうかどうかであり、許容できれば安全であり、許容の判断は個々

長崎大会第4分科会「脱原子力2 プルトニウム利用とエネルギー政策の転換を求めて」

 長崎大会第4分科会「脱原子力2 プルトニウム利用とエネルギー政策の転換を求めて」 講師:藤井石根(明治大学名誉教授) 西尾漠(原子力資料情報室共同代表) 海外ゲスト:シュウ・グァンロン(台湾・台湾大学教授) 参加者 86人 2人の講師から、もんじゅの廃炉、六ヶ所再処理工場の大幅な遅れなど、プルトニウム利用路線の破綻は安倍政権が進める原子力政策そのものの破綻である。未来のない原子力に代わり、今後のエネルギー政策の展開を考える提言があった。また、海外ゲストから脱原発に向けた台湾の報告があった。これらの提言、報告を受けて、次のような質疑が行われた。 【質疑】 アジアで最

長崎大会 第5分科会「ヒバクシャ1 核被害・ヒバクと補償問題を考える」

長崎大会 第5分科会「ヒバクシャ1 核被害・ヒバクと補償問題を考える」 講師:豊﨑博光(フォトジャーナリスト) 参加者 21名  講師の豊﨑さんから「世界の核被害者―核被害の現状と未来」と題して、被害補償という観点で、世界のヒバクシャがどう扱われているか、その実情を解説していただいた。 アメリカの核実験の被害を受けたマーシャル諸島では、2017年3月に「核の負の遺産会議」を開き、「ヒバクシャは十分な補償を得る権利(Justice)があるとして取り組みを始めた。また、「核兵器禁止条約」の前文では「核兵器の非人道性」に触れ、「核兵器の壊滅的な結果が国境を越え、人類の生存や環境、

長崎大会 第6分科会「ヒバクシャ2─在外被爆者と戦争責任を考える」

長崎大会 第6分科会「ヒバクシャ2─在外被爆者と戦争責任を考える」 講師:在間秀和(弁護士) 海外ゲスト:カク・キフン(韓国・元韓国原爆被害者協会会長) チョン・テホン(韓国・韓国原爆被害者協会釜山支部) 山下泰昭(メキシコ・在外被爆者) 参加者 16人 弁護士の在間さんは、①旧植民地出身者、②被爆後日本国外に移住した被爆者、③戦争捕虜、④その他という在外被爆者の定義を示し、その上で、在外被爆者による闘いの経緯として、原爆2法(原爆医療法、原爆特別訴訟法)と1994年に制定された被爆者援護法が、国籍条項が定められていないにも関わらず国外に在住する被爆者に適用され

長崎大会 第7分科会「ヒバクシャ3―被爆二世・三世問題を考える」

長崎大会 第7分科会「ヒバクシャ3―被爆二世・三世問題を考える」 講師:中鋪美香(弁護士) 振津かつみ(医師) 報告:崎山昇(全国被爆二世協会長) 平野克博(全国被爆二世協事務局長) 参加者 73名  崎山さんより「国連人権委員会に対する取り組み」に関して報告を受けた。崎山会長は、国連の人権理事会に被爆二世・三世の課題を取り上げさせるためジュネーブに訪問団を派遣した経過について報告するとともに、現在、11月の第28会期に向けて行なっているロビー活動について紹介した。 中鋪弁護士から「被爆二世集団訴訟の意義と展望」と題して報告を受けた。今年の2月に広島と長崎