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長崎大会第4分科会「脱原子力2 プルトニウム利用とエネルギー政策の転換を求めて」

2017年08月08日

 長崎大会第4分科会「脱原子力2 プルトニウム利用とエネルギー政策の転換を求めて」

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講師:藤井石根(明治大学名誉教授)
西尾漠(原子力資料情報室共同代表)
海外ゲスト:シュウ・グァンロン(台湾・台湾大学教授)
参加者 86人

2人の講師から、もんじゅの廃炉、六ヶ所再処理工場の大幅な遅れなど、プルトニウム利用路線の破綻は安倍政権が進める原子力政策そのものの破綻である。未来のない原子力に代わり、今後のエネルギー政策の展開を考える提言があった。また、海外ゲストから脱原発に向けた台湾の報告があった。これらの提言、報告を受けて、次のような質疑が行われた。
【質疑】 アジアで最初の脱原発をかかげた台湾であるが、代替エネルギーの関係で石炭が使われると環境と対立するのではないか。また、台湾では、放射性廃棄物の捨てる場所についてはどうするのか?
【応答】 高レベルの放射線廃棄物はかなり多くあるが、処理できるところは少ない。捨てる場所がないということを政府にもっと市民が訴えていかなければならない。
【質疑】日米原子力協定が2018年に見直されるだろうか?
【応答】政府は延長を考えているのではないか。再処理のことも考えていくべきとアメリカや国内外にも訴えていきたい。また、日米原子力協定改定に伴い、再処理を認めさせない方向にもっていきたい。
【質疑】3.11以降、原発のほとんどが止まっているが、二酸化炭素の量が増えている。
【応答】世界のトレンドは脱原発だ。3.11以降原発が止まり、火力発電にシフトしたが、政府は経済性を重視したのでCO?が増加した。電力の買い取り制度を導入し、太陽光発電の設置が多くなったが、大企業によって森林伐採など環境を破壊することになっていることもある。環境を破壊せずに自然エネルギーを拡大できるようにしなければならない。
【質疑】廃炉作業で労災事故も増えていて相談も多いようだがどうか?
【応答】労災として認められても、因果関係を認めたわけではない。被災者との協力体制をしっかりととっていきたい。

 最後に、エネルギー基本計画の見直しについては、原発に頼らない、CO?もださない、再生可能エネルギーの拡大を考えていくべきである。原発をベースロードと考えている政府に対し、意見を出していく必要がある。プルトニウムは原発をやめれば出なくなるのであり、廃棄物の再処理も必要なくなる。自然エネルギーへのシフトへ向け、地域でネットワークの構築をすることも大切であるとまとめ、分科会を終えた。

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