原水禁 - 原水禁 - Page 3

核兵器廃絶に至るこれからの道 前広島市長・原水禁顧問 秋葉忠利「核兵器禁止条約」に関する動画を公開

2021年01月17日

核兵器廃絶に至るこれからの道 前広島市長・原水禁顧問 秋葉忠利「核兵器禁止条約」に関する動画を公開

 

 

バイデン政権が成立直後の1月22日、原水禁運動に関わる全ての人々が切望した「核兵器禁止条約」が成立します。

本来であれば、記念すべき「核兵器の終わり」の始まりとなる時を、皆様と対面する形で迎えていたはずです。

しかし、コロナ禍にあって、対面の形式でのイベントはかないませんので、オンラインで開催できるものを企画させていただきました。

 

第一弾として、1月12日にピースボート代表の湯浅一郎さんによる解説動画を公開いたしました。

第二弾として、「核兵器禁止条約」が発効する今、これから核兵器廃絶に至るまで、その目標を達成するまで何をすればいいのか、原水禁の顧問であり、前広島市長、数学者でもある秋葉忠利さんに解説していただきました。

学習会の教材・資料としての動画視聴も歓迎いたします。

ぜひ、ご視聴ください。

 

 

◆ 原水禁では、条約発効に際し「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」を以下の通りオンラインで開催致します。

「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」

(1)日時:2021年1月23日(土)10:00~12:00

(2)内容:

① 主催者あいさつ 川野浩一議長

② 日米韓国際シンポジウム

(3)パネリスト

日  本:秋葉忠利さん(原水禁・顧問)

アメリカ:ケビン・マーティンさん(ピースアクション)

韓  国:イ・ヨンアさん(参与連帯)

コーディネーター:藤本泰成さん(原水禁・副議長)

(4)YouTube原水禁チャンネルにて、生配信いたします。

原水禁チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCE9kPbD9CrNxSe9eF54nz3Q

 

「核兵器禁止条約」発効の意義と課題―今こそ、東北アジア非核兵器地帯を―湯浅一郎(ピースデポ代表)「核兵器禁止条約」に関する学習動画を公開

2021年01月12日

「核兵器禁止条約」発効の意義と課題―今こそ、東北アジア非核兵器地帯を―湯浅一郎(ピースデポ代表)

 

緊急事態宣言が発出されるなど、コロナ禍にあって、学習会などの開催が難しくなっています。

しかし、新STARTの延長交渉の難航、NPT再検討会議の延期など、核兵器をめぐる情勢は混乱を極めています。

その中で、原水禁運動に関わる全てのものが切望した「核兵器禁止条約」が2020年10月に批准50か国を達成し、本年1月22日に発効することとなりました。

国際法で「核兵器」が違法なものとされ、その存在の意義が問われます。また、「核兵器」という存在を、「核抑止」という理論で日本は安全保障の軸に据えています。

世界が核兵器廃絶へ向けて動き出した今、核保有国はどうするべきであるか、日本はどうあるべきであるかをピースデポ代表の湯浅一郎さんに解説していただきました。

学習会の教材・資料としての動画視聴も歓迎いたします。

ぜひ、ご視聴ください。

 

◆ 原水禁では、条約発効に際し「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」を以下の通りオンラインで開催致します。

「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」

(1)日時:2021年1月23日(土)10:00~12:00

(2)内容:

① 主催者あいさつ 川野浩一議長

② 日米韓国際シンポジウム

(3)パネリスト

日  本:秋葉忠利さん(原水禁・顧問)

アメリカ:ケビン・マーティンさん(ピースアクション)

韓  国:イ・ヨンアさん(参与連帯)

コーディネーター:藤本泰成さん(原水禁・副議長)

(4)YouTube原水禁チャンネルにて、生配信いたします。

原水禁チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCE9kPbD9CrNxSe9eF54nz3Q

 

12月6日、経済産業省説明会を福島で実施

2020年12月22日

12月6日(日)、福島第一原発で生成されるトリチウム汚染水の海洋放出をめぐって、地元福島県民と経済産業省との話し合いが、福島県青少年会館で開かれました。

2022年夏には、サイト内につくられる汚染水を貯蔵するタンクが満杯になり、政府は「トリチウムの含有量を基準以下に希釈して海洋放出する以外に方法がない」として、閣議決定を行おうとしています。

当日、資源エネルギー庁原子力発電所事故収束対応室から奥田修司室長が参加しました。奥田室長は、これまでの政府の主張通りトリチウムは人体に害がないことを基本に、他の原発や海外の原子力施設の環境への放出量を説明しながら、理解を求めるとしました。

しかし、説明は結局の所「安全かもしれないが、安全でないかもしれない」という域を出ないもので、基本的には「放出」ありきの姿勢をこえず、様々な意見に耳を傾ける姿勢は感じられませんでした。

漁業関係者の風評被害や生体での濃縮によって、福島の漁業は壊滅的被害を受けるとの指摘にも、答えるものではありません。「これまでの10年間の努力は水泡に帰す」との漁業者の指摘が重たく響きました。

40人を超える会場参加者からは、引きも切らず様々な批判が飛び出しました。誰もが、納得できずに会場を後にしたと思います。

 

大飯原発設置許可取り消しの判決を真摯に受け止め、直ちに廃炉を選択せよ

2020年12月08日

 12月4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、安全審査基準に適合するとした原子力規制委員会(規制委)の判断は誤りだとして、福井県など11府県の住民127人が設置許可の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は、設置許可を取り消しました。地震による原発事故の懸念に目を向けた画期的な判断で、判決では、新規制基準に基づく原子力規制委員会の判断には「看過しがたい、過誤・欠落がある」と、その誤りを強く糾弾し、国の安全審査に疑問を突きつけました。

今回の判決を受け、原水禁として声明を発しましたので、ここに掲載いたします。

 

 

大飯原発設置許可取り消しの判決を真摯に受け止め、直ちに廃炉を選択せよ(原水禁声明)

 

 12月4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、安全審査基準に適合するとした原子力規制委員会(規制委)の判断は誤りだとして、福井県など11府県の住民127人が設置許可の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は、原告の主張を認め設置許可を取り消す判断を下しました。

 東京電力福島第1原発事故を踏まえて策定された新規制基準の下で、設置許可を取り消す司法判断は初めてです。判決は、新規制基準に基づく原子力規制委員会の判断には「看過しがたい、過誤・欠落がある」と、その誤りを強く糾弾しています。地震による原発事故の可能性に目を向けた画期的な判断であり、国の安全審査の根幹に大きな疑問を突きつけるものです。

 裁判では、耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の評価を基に設置を許可した規制委の判断の妥当性が大きな争点となり、その中で原告側は「基準地震動の算出で、過去の地震データの数値に平均値から外れたものなどがあるが考慮されておらず、地震の規模や基準地震動が過小評価されている」と主張しましたが、国側は「数値のばらつきを考慮する必要はない」としました。判決では、規制委が定めた審査ガイドもばらつきを考慮する必要性を示しているとして、規制委は、基準地震動を算出する地震規模の想定で必要な検討をせず、「審査すべき点を審査していないので違法だ」ときびしく指摘しています。原発の安全性をチェックする規制委の耐震設計の手法が根本から否定されました。

 2014年福井地裁が、大飯3、4号機については、「地震対策に構造的な欠陥がある」として運転差し止めの判決を出しました。その際、官房長官(当時)だった現在の菅義偉首相は「規制委が世界で最もきびしい安全基準で審査し、その結果を待って(再稼働させる)ということだ」と述べています。政府は、判決を受け止めることなく再稼働を積極的にすすめ、2017年に規制委は、新規制基準に基づき審査し安全であるとして再稼働させました。首相や規制委の姿勢が改めて問われています。

政府・規制委は、今回の司法の判断を重く受け止め、新規制基準下で許可を受け稼働している原発は直ちに停止し、すべての原発の耐震性の見直しを行うとともに、地震や活断層の問題が指摘される危険な原発は直ちに廃炉とすべきです。

現在定期検査で停止している大飯3,4号機の再稼働はむろん許されず、関西電力は、廃炉の選択をとるべきです。それが、原発マネー問題などで市民社会の信頼を失った関西電力がとるべき唯一の道と考えます。

 

2020年12月8日

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野浩一

 

 

12月1日、さようなら原発1000万人アクション―市民と議員の意見交換会を実施

2020年12月02日

12月1日、さようなら原発―市民と議員の意見交換会を実施

原水禁が事務局を務める「さようなら原発1000万人アクション」実行委員会は、この間、国会会期ごとに「原発ゼロ基本法案」を共同提案した立憲野党との意見交換を重ねてきました。
今臨時国会でも、「原発ゼロ基本法案」の審議や原子力政策に関わる様々な課題について議論を諮っていただきたくため、12月1日、衆議院第一議員会館 大会議室において、立憲野党議員との意見交換会を開催しました。
会場参加者のほか、オンライン配信の視聴者も含め、多くの市民が参加しました。

「でたらめな原子力政策を、国会で多数を占めて、変えていこう」と、さようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人である鎌田慧さんが、主催者挨拶を行いました。

「福島第一原発の汚染水問題」について、原子力資料情報室の伴英幸さんが問題提起し、汚染水海洋放出の危険性を訴えました。

続いて、各政党からの発言となり、会場に到着した順番に発言をいただきました。


第180回国会に提出された脱原発基本法案(原発ゼロ法案)は、提出から2年9カ月もたなざらし状態にあります。与党の審議拒否が続いているだけではなく、来年改訂される「エネルギー基本計画」が原発回帰にならないように取り組んでいく旨の発言を、それぞれの議員からいただきました。

発言順は以下の通りです。

山崎誠さん 立憲民主党/「原発ゼロ基本法」事務局
笠井亮さん 日本共産党
福島みずほさん 社会民主党
辻村ちひろさん れいわ新選組(党代表・東京8区総支局長)
大河原雅子さん 立憲民主党
伊波洋一さん 沖縄の風

集会の時間が限られた中で行われた意見交換では、「老朽原発を止めることこそ、原発をなくすことにつながる」という意見が出されました。

最後に、「国会の活動と大衆活動をつなげていく」と呼びかけ人の鎌田慧さんの閉会あいさつで、集会は終了となりました。

なお、集会の様子は、さようなら原発1000万人アクションのツイキャスにて、録画をご覧いただけます。

動画はこちらから→ https://twitcasting.tv/sayonara_n2011/movie/654114617

 

原水禁は、汚染水海洋放出の問題について、日本のみならず、これまでともに原水禁活動を行ってきた海外の活動家・団体に、「汚染水放出を止めるため」のキャンペーンを呼び掛けています。
結論ありきの議論にさせないためにも、引き続き、海外とも協力し、取り組みを強めていきます。

[Please share this widely] “Say NO to the dumping of Fukushima’s radioactive water to the Pacific Ocean!”

海外での「トリチウム汚染水海洋放出反対する原水禁からの呼びかけ」についてご紹介

10月27日「福島原発汚染水を海に捨てるな!緊急行動」を開催

2020年11月15日

10月27日(火)午後6時から衆議院第二議員会館前で「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」が主催して「福島原発汚染水を海に捨てるな!緊急行動」が行われ、170名が参加しました。

司会者が「汚染水廃棄の決定は本日延期になったが、これまで以上に運動を強めないといけない」と開会を告げました。

まず主催者を代表し、呼びかけ人でジャーナリストの鎌田慧さんが発言に立ちました。

「福島での住民、漁民の皆さんの汚染水廃棄に対する怒りが、全国に広がりつつある。全世界に影響する環境汚染であり、国際的にも運動を作り上げていきたい。菅政権は論理も倫理もない、何をするかわからないが、私たちは海洋投棄を許さない闘いを強めて行こう」という決意を明らかにしました。

続いて「原発の無い福島を!県民大集会実行委員会」から副実行委員長の滋賀一幸さんが、福島現地での動きと取り組みを報告し、政府を決定できないところに追いこんでいるが、厳しい状況は続いている、さらに運動を強めて行こうと呼びかけました。

その後、現地から送られた「これ以上海を汚すな!市民会議」のメッセージが読み上げられました。

続けて「FoEジャパン」の満田夏花さん、「原子力資料情報室」から片岡遼平さん、「原発ゼロ基本法案事務局」から山崎衆議院議員と福島参議院議員、「原発をなくす全国連絡会」の木下興さん、「再稼働阻止全国ネットワーク」の木村雅英さん、「ふぇみん婦人民主クラブ」から片岡英子さんが発言し、海洋投棄阻止への決意を明らかにしました。

また原水禁の北村智之さんが北海道の高レベル廃棄物中間貯蔵施設の問題で、「文献調査」に手を挙げた自治体への申し入れ行動を行ったことを報告しました。

海洋投棄阻止への決意を再度確認し、集会は終了しました。

 

 

 

女川原発2号機再稼働に対する地元同意に強く抗議する

2020年11月12日

民意を無視し、強引に女川原発再稼働を進めることを許すことはできません。

原水禁は、抗議声明を発しましたので、ここにお知らせ致します。

 

女川原発2号機再稼働に対する地元同意に強く抗議する

 

 11月11日、東北電力女川原子力発電所2号機の再稼働について、宮城県、石巻市、女川町の地元三自治体の首長が「再稼働の同意」を表明した。村井嘉浩宮城県知事は、11月16日以降梶山弘志経済産業相に同意する考えを直接伝えるとされているが、「再稼働の同意」は県民の総意とは考えられない。

 東北電力女川原発は、2011年3月11日の東日本大震災に際して、5系統ある外部電源のうち4系統が失われ、残った1系統により大惨事を免れたが、場合によっては全電源喪失の事態も考えられた。重油タンクの倒壊や原子炉建屋への浸水被害、タービン周辺の損傷を受けるなど、被災した原発である。住民を放射能から守る拠点施設となるはずの原子力防災対策センターや宮城県原子力センター、モニタリングステーションも地震と津波により破壊された。女川原発2号機は、東日本大震災に際して過酷事故を起こし、福島県および周辺地域に大量の放射性物質を放出し、今なお、事故の収束もままならない福島第一原発と同じ沸騰水型原子炉(BWR)の「マークⅠ改良型炉」である。安全性に関しては、福島第一原発事故の調査結果を踏まえる必要があり、福島原発事故の全容が明らかになっていない中での同型の原発の再稼働は、多くの不安材料を残している。そもそも新規制基準は、現時点での知見に基づく基準に他ならず、将来的な「安全」を保障したものでないことは、原子力規制委員会が度々繰り返し発言している。女川原発はひずみが集中するプレート境界線に立地し、地震や津波のリスクの高さが指摘され、過去三度想定を超える地震動により揺さぶられた被災原発であり、原発建屋や原子炉などの剛性劣化が指摘される。国の地震調査研究本部の「日本海溝沿いの地震活動の長期評価」によれば、宮城県沖のプレート間巨大地震の発生確率は、今後30年で20%とされているが、M7.0~7.5程度のひとまわり小さいプレート間地震は、今後30年間で90%の確率を示している。研究者の中には、明治三陸沖地震と37年後の昭和三陸沖地震との関連から、東日本大震災の余震としてのアウターライズ型地震が今後予想されるとの指摘もあり、予断を許さない状況にある。そのような中で再稼働を認めることは、地域住民の安全の軽視と言わざるを得ない。

 菅首相は、再稼働に際し、「しっかりした避難計画がない中で、再稼働が実態として進むことはない」と国会答弁をしているが、女川原発周辺30km圏の緊急防護措置区域(UPZ)の住民や自治体は、避難計画の実効性を不安視している。地震や津波などにより孤立や通行不能などの事態に陥ることは東日本大震災で経験しており、避難路の整備の必要性については国や東北電力も認めているが、その見通しは立っていない。原発に近い寄磯地区は、陸路では避難時に原発を通らざるを得ない。安全性の高い道路整備は計画されず、住民の安全を軽視したまま再稼働を決定している。30km圏内も含め一斉避難の場合、5km圏内の約3,500人が避難するのに5日間はかかるとの宮城県の試算もある。

 宮城県の広域避難計画は、原発30km圏の約20万人が県内31市町村に避難する内容だが、受け入れ先の首長も含めその実効性に疑問を呈している。広域避難計画は、複合災害を想定したものであり、受け入れ自治体は「複合災害時は自らの住民の避難に専念する」としており、県内避難のみで実効性ある避難計画を作り上げることは物理的に困難である。しかしながら村井知事は「訓練を積み重ねることで実効性を担保する」とし、東電福島第一原発事故の反省の上に義務付けられた「広域避難計画」を、一貫して再稼働の同意要件から切り離す姿勢にあることは、住民の命を軽視するなにものでもない。

 宮城県議会は、世論調査で県民の8割が賛成していた再稼働の是非を巡る「県民投票条例案」を2019年の議会で否決しながら、2020年9月議会でも徹底した審議をすることなく「再稼働推進」の請願を採択し「再稼働の地元同意」を後押ししてきたことは、民主主義とは言えない行為と言わざるを得ない。

 村井知事は、11月9日、市町村長会議を開催し、再稼働に「賛成」「反対」も含めさまざまな意見が首長から示されたが、「近く開催する女川町長、石巻市長との三者会談での結論を、全ての市町村長の総意とする」と提案し、11月11日の地元同意に至ったものであり、県民はもちろん、原発立地周辺自治体や住民の声を反映したものではない。

 また、村井知事と立地2市町長は東北電との安全協定に基づき、原発施設の新増設に対する「事前協議」も了解する方針である。これにより、東北電力は2号機で格納容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)装置を運用するための追加工事など行う事が可能となるが、宮城県においても東電福島第一原発の放射能漏れ事故による農林系廃棄物や指定廃棄物の処分を巡り、現在も住民と自治体が対立するなど不幸な事態も招いており、放射能を生活圏に放出することを義務付けた新規制基準を人道的に許すことはできない。

 村井知事は、記者会見で「原発は安定した電力供給に優れており、地域経済の発展にも寄与する」と述べているが、福島原発事故の反省に何ら立っていない。福井地裁の樋口英明裁判長は、大飯原発差し止め訴訟の判決で「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」と述べた。そのことの意味をしっかりと受け止めなくてはならない。

 再稼働に向けた女川原発の安全対策工事は2022年度まで続く。私たちは、県民の命と安全を守る立場で被災原発の再稼働に反対し、廃炉を求めていく。

 

2020年11月12日

原子爆禁止日本国民会議

議長 川野浩一

 

10月25日、高レベル放射性廃棄物シンポジウムを開催し、200人が参加

2020年10月29日

高レベル放射性廃棄物シンポジウム 「核のごみ受け入れていいのー文献調査と地域の未来」を開催しました

 

原水禁、北海道平和運動フォーラムが主催、原子力資料情報室が協力し、 10月25日、札幌市のかでる2.7を会場に、高レベル放射性廃棄物シンポジウムを開催しました。

これまで、「核のゴミ」の問題は危険性にばかり注目されがちでしたが、今回のシンポジウムでは、「核のゴミ」を受け入れることによって、地域の未来はどうなるのかに焦点を当てて進行しました。

北海道平和運動フォーラム 佐藤代表

北海道平和運動フォーラムの佐藤代表が主催者挨拶を行い、その後、原子力資料情報室共同代表の西尾漠さんが、「地層処分とは何か?文献調査のねらいは何か?」と題してイントロダクションを行いました。

原子力資料情報室 西尾漠さん

続いて、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会共同代表の久世薫嗣さんに「核抜き条例の意義と課題」を報告してもらいました。

核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会 久世薫嗣さん

新潟大学法学部准教授の藤堂文明さんからは「原発立地地域は発展したのか~柏崎刈羽原発の事例から」と題した講演をしてもらい、「経済効果」は「経済神話」でしかなく、地域振興に原発は役に立っていないことがデータを用いて説明されました。

新潟大学 藤堂史明准教授

シンポジウムでは、これまでの発言者に加え、前札幌市長の上田文雄さんにも登壇いただき、「原発予算に依存しない街づくり」をテーマに議論を交わしました。議論の進行の中で、「そもそも原発が誘致された地域の住民は幸せになったのか」などの率直な質問がでるなど、様々な角度から「核のゴミ問題」を捉えていきました。

前札幌市長 上田文雄さん

閉会挨拶では、原水禁の北村事務局長が、翌26日に、今回のシンポジウムの主催・協力の3団体で、寿都町、神恵内村に「文献調査受け入れの白紙撤回」を求める申し入れに行くことを報告しました。

原水禁 北村事務局長

シンポジウムへの参加者は、オンラインでの視聴者も含め、200人以上となりました。

 

「高レベル放射性廃棄物シンポジウム」は、コロナ禍のシンポジウムであることも鑑み、オンライン配信も行いました。当日の配信は、Twitterを利用した「ツイキャス」の形で配信し、録画動画は以下からご覧いただけます。

配信の都合上、前半と後半に分かれています。

ツイキャス配信動画(前半)https://twitcasting.tv/forum_gensuikin/movie/647829994 

ツイキャス配信動画(後半)https://twitcasting.tv/forum_gensuikin/movie/647846311

 

 

核兵器禁止条約の発効にあたっての原水禁議長声明

2020年10月25日

核兵器禁止条約発効確定にあたっての原水禁議長声明発出について

 昨日10月24日、中米ホンジュラス共和国が核兵器禁止条約に批准し、よって来年1月22日には発効することが確定しました。発効することが確定したことを受けて原水禁は、別紙声明を発出しました。核禁条約発効後も「核と人類は共存できない」ことを基本として、核兵器廃絶のみならず、すべての国の、すべての核に反対しとりくみを強化していくことを確認したいと思います。

 

 

核兵器禁止条約発効確定にあたっての原水禁議長声明

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

議長 川野浩一

 10月24日、核兵器禁止条約(TPNW)を中米のホンジュラス共和国(Republic of Honduras)が批准しました。これにより批准した国・地域が50に達して、2021年1月22日に発効することが確定しました。これにより核兵器を非人道的兵器・絶対悪と定める国際規範が成立し、世界は核兵器廃絶という希望へ大きく前進することとなりました。原爆投下の惨劇の中から生きることを選択した被爆者の強い思いと、日本の原水禁運動やICANなどの核兵器廃絶にとりくむNGOの様々な努力、そして核兵器に頼ることなく自国の安全と世界の平和を願う各国政府のとりくみの大きな成果です。原水禁は、条約発効の意味をしっかりと受け止め、様々な組織・人々とともに核兵器廃絶へのとりくみを進めることを改めて確認します。

 しかし、核兵器保有国、日本やドイツなど他国の核の傘の下にある国は、核抑止力を自国の安全保障の基本に据えて、条約に反対しています。本年10月2日に開かれた国連の「核兵器廃絶国際デー」で演説に立った、オーストリア代表の「核抑止力は安全をもたらすものではない。いいかげんにこの神話を葬ろう」との呼びかけに、核兵器保有国や保有国の核の傘の下にある国は真摯に応えるべきです。

 今年8月9日、長崎平和祈念式典後の記者会見で安倍首相は、核兵器禁止条約に触れ「わが国の考え方とアプローチを異にしている」として、改めて条約に参加しないことを表明しています。また、安倍政権を継承するとした菅首相は、9月26日の国連総会でビデオ演説し「積極的平和主義」に基づき世界平和に貢献するとしましたが、「現実の安全保障の観点を踏まえていない」として、これまでの政府の姿勢を基本に核兵器禁止条約には触れませんでした。安倍政権は、この間朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の核実験・ミサイル発射実験を脅威とし、また中国の南シナ海進出も含めて日本をめぐる安全保障の脅威を主張してきました。その上で、核抑止力をことさらに評価し条約批准が日米安保条約体制に矛盾するとの立場をとり、旧来の安全保障観を抜けることができません。朝鮮は、2002年のアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領の「悪の枢軸国」とされて以来、米国の圧力の下で核兵器保有を強行してきました。中国は、核の先制不使用宣言しており、両国の核兵器や戦力が日本へ向けられているとは考えられません。米国とともに、中国や朝鮮を仮想敵国として、ミサイル防衛の強化や敵基地攻撃に言及する日本政府の姿勢こそが、日本の安全を脅かすものと考えられます。

 原水禁は、連合、核兵器廃絶・平和建設国民会議とともに、「核兵器廃絶1000万署名」にとりくみ、日本政府に核兵器禁止条約の批准を求めるとともに、核兵器廃絶を訴えてきました。8月9日には、長崎において中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表に、823万を超える署名を手交しました。中満泉事務次長は、核兵器廃絶という目標は「日本も共有しているはず」として条約に反対する各国に対して「ドアを完全に閉めずオープンマインドで」と苦言を呈しています。

 米国は、イラン核合意を破棄し、そしてINF条約も破棄しました。来年2月には期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)の交渉も、米露両大国の思惑が交錯し、先行きが不透明となっています。これまでの米露を中心とした核兵器削減の流れが止まろうとしています。中距離核戦力をめぐる米国とロシア・中国の対立は、日本への米軍中距離ミサイル配備や核弾頭配備の可能性も引き出しています。唯一の戦争被爆国としての国是である、核兵器をもたず、つくらず、持ち込ませずとする非核三原則に抵触する事態もおきかねない状況です。核兵器廃絶を、日本政府が主張するのであれば、核兵器保有国と非保有国の間に立って、核兵器廃絶への対話をつくりだす役割を果たさなくてはなりません。核兵器をめぐる状況がきびしい中にあって、日本に与えられた役割は大きいと考えます。今年の長崎平和祈念式典の平和宣言において、田上富久長崎市長は「核兵器の恐ろしさを経験した国として、1日も早く核兵器禁止条約の署名・批准を実現するとともに、北東アジア非核地帯の構築を検討してください。『戦争をしない』という決意を込めた日本国憲法の平和の理念を永久に堅持してください」と訴えました。戦後日本が、日本国憲法前文で誓った「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」のであれば、日本と世界の将来を見据えた議論を開始し、そのための努力を開始すべきです。

 原水禁は、核兵器禁止条約が発効したこの記念すべき出発点にあたって、平和を愛するすべての人々と、核兵器廃絶・平和構築にむけて、全力でとりくんでいくことを改めて確認します。

 

 

TOPに戻る