原水禁 - 原水禁
2026年03月12日
3月3日、高レベル放射性廃棄物(「核のごみ」)の最終処分地の選定をめぐり、経済産業省が、東京 小笠原村の南鳥島で調査の第1段階となる「文献調査」の実施について村に申し入れを行いました。これを受け、原水禁は、抗議の意思を示す声明を発出しましので、ここにお知らせいたします。
原子力政策推進と南鳥島への「核のごみ」処分地選定調査申し入れに断固反対し抗議する
3月3日、経済産業省は、東京都小笠原村に対して南鳥島での「文献調査」の実施について申入れを行った。「文献調査」とは、高レベル放射性廃棄物(「核のごみ」)の最終処分地を選定するための第一段階の調査である。
日本では2000年に成立した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」にもとづき、原子力発電(原発)から出る「核のごみ」を地下300メートル以上に埋設し、数万年から10万年単位で隔離する地層処分を基本方針として、原子力発電環境整備機構(NUMO)が処分事業を担っている。
政府は各自治体から手が挙がるような仕組みによる「応募誘導政策」を進め、これまで北海道の寿都町や神恵内村、佐賀県玄海町でNUMOが処分地の選定調査を進めている。
「応募誘導政策」が行き詰まる中、政府は「地域任せにせず、国の責任で地域に協力をお願いしていく」として、小笠原村への要請となった。政府は調査有望地を表示した「科学的特性マップ」で「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域とされている」ことや「全島が国有地である」ことなどを理由にあげている。
しかし、島の面積はおよそ1.5平方キロメートルであり十分な処分場所の確保ができるとは言い難く、台風の常襲地域であること、気候変動による海面上昇など長期的な環境変化の危険性も高いと考えられる。また、近年南鳥島近海では、放射性物質を含まない良質のレアアース鉱床が発見され、その開発が期待されている。
原子力政策は、経済面でも環境面でも利点はなく、政策そのものが行き詰まっていること、原発再稼働によって「核のごみ」がより一層増えていく問題を、原水禁はこれまでも繰り返し指摘してきた。日本だけでなく、世界のどこにも放射性廃棄物処分に関して確実に安全だと言い切れる場所は存在していない、にもかかわらず、処分地をどこかに設定し埋めてしまえばよいという安易な発想で問題を処理しようとしていることは許されない。本来問われるべきなのは、原子力政策とその構造的矛盾ではないか。
原水禁は、現状においては、脱原発を実現してこれ以上「核のごみ」を出さないこと、そして核燃料サイクル計画を断念し、使用済み核燃料はドライキャスクなど比較的安全な方法で監視できる場所で保管することを提起している。
日本の原子力政策は、「原発を動かして核のごみを生む、しかし処分地は決まらない」という矛盾を抱えたまま続けられている。その結果として、「住む人が比較的少ない場所、すなわち過疎地に膨大な財政支援を付帯して押しつける」という、極めて差別的で不公正な方法で進められる。
原水禁は、原子力政策そのものが誤った政策であることを強く訴え、脱原発社会の実現をめざしていく。今回明らかになった南鳥島への処分地選定調査の申し入れというやり方には断固反対する。そのうえで、「核のごみ」の問題については、地層処分方針からの転換を求め、すでに生み出してしまった「核のごみ」の行き場については、開かれた場所での議論を丁寧に進めていくことを、政府に求めていく。
2026年3月12日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之
2026年03月11日
3月11日という日を迎えるにあたり、東電福島第一原発事故の教訓と現在の課題をあらためて共有するため、原水禁は以下の声明を発出しました。
東京電力福島第一原発電事故から15年 事故はいまだに終わっていない
2011年3月11日に発生した東日本大震災。マグニチュード9.0という日本周辺における観測史上最大規模の地震によって大津波が発生し、多くの人も街も、それまでの生活のすべてをのみこむ甚大な被害をもたらしました。震災によって亡くなられた1万5900人を超えるみなさまに心から哀悼の意を表します。今も行方のわからない方が2519人いるとされ、避難中に体調を崩すなど、この15年の間に災害関連死と認定された方は3810人にのぼります。(人数は警察庁・復興庁まとめ)
震災発生当時、東京電力(東電)福島第一原子力発電所(原発)は1号機から3号機が運転中で、4号機から6号機は定期検査中でした。「想定外」とされた大津波によって全電源が喪失し、1号機から3号機は炉心溶融(メルトダウン)が起きました。その影響により水素が大量発生した結果、1号機・3号機・4号機が水素爆発を起こし、原子炉建屋、タービン建屋および周辺施設が大破しました。映像によって水素爆発の様子が報じられ、わが目を疑う事態が起きていることに私たちは大きな衝撃を受けたのです。
周辺住民の混乱は、筆舌に尽くしがたいものがありました。津波による被害から逃れるために着の身着のまま避難していた多くの住民は、そのまま自宅に戻ることもできず、行方不明の家族や親族等を探すこともできないままに避難を強いられました。目に見えない放射能におびえ、寒さに身を震わせながらの避難は大変なことでした。さまざまな報道がなされ、原発事故から避難することがどれほど過酷で残酷であったかを、私たちは目の当たりにすることになったのです。その衝撃は15年経った今でも決して色あせることはありません。まして2万3000人を超える福島県内外に避難を強いられ続けている住民の心情を思うとき、言葉にはならない強い憤りと不安を抱かざるにはいられません。
東日本大震災から15年。復興する各地の様子が報じられることも多くなりました。しかし、避難指示・避難準備に指定されていた地域では住民の帰還率は20%にも満たず、いまだ復興とは程遠い状況にあります。東電福島第一原発事故は発生から15年経った今も、決して終わることはありません。それどころか、安全な廃炉に向けた道のりは遠く、多くの困難が待ち受けていることが明らかになっています。放射性物質に汚染された除染土(汚染土)は現在、福島県内の中間貯蔵施設に保管されていますが、2045年までに福島県外で最終処分することが決定しています。その行先はいまだ明らかになっていません。1号機から3号機にある核燃料デブリは約880トンとされていますが、試験的に取り出せたのは約0.9グラム、わずか「10億分の1」という現状です。それでも国と東電は「廃炉措置」を2051年までに完了させるというロードマップを提示し続けています。
政府の「原発回帰」政策は、これらの現実を直視しているのでしょうか。収束の見通しが不透明でありながらも、核燃料デブリを取り出し、2051年までに「廃炉措置」が実現できると強弁をふるい、過酷な避難を強いられた住民への医療費等の補助を打ち切り、事故の被害を小さく見せようとしています。まるで原発事故は終わったと言うかの如く、再び原発推進に舵を切り、避難者を切り捨てる政府の方針は、決して許されません。
東日本大震災・東電福島第一原発事故から15年を迎えるにあたり、原水禁は改めて命の尊厳と向き合う政策を政府に求めるとともに、「核と人類は共存できない」という理念の実現に向け、とりくんでいきます。原発に頼らない未来を描き、核エネルギーからの脱却を実現するその日まで、私たち原水禁運動の歩みを続けていく決意です。
2026年3月11日
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之
2025年11月26日
11月26日、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働容認表明を受けて、原水禁は以下の声明を発表しました。
原水禁声明 「信を問う」とは何か 柏崎刈羽原発の再稼働は県民からは認められてはいない
11月21日、「信を問う」と繰り返し発言してきた新潟県・花角英世知事が、東京電力(東電)柏崎刈羽原発の再稼働の容認を正式表明した。東電福島第一原発事故の原因究明も、原発事故被害者への補償も十分には進まず事故の収束さえ見通せない中で、知事が再稼働を認めたことに私たちは強い危機感と深い憤りを覚える。「信を問う」手段は、県議会で信任を仰ぐことではなく、県民投票や知事選挙ではないのか。
原発推進政策に舵を切った政府は、避難道路整備の全額国費負担や、柏崎刈羽原発周辺自治体への財政支援拡大など、「地元の理解」を得るための施策を次々と打ち出してきた。こうした「支援」を背景に、知事が再稼働容認へ傾いたとされるが、県民意識調査では賛否が拮抗しており、再稼働への理解が得られているとは言えない。知事が新潟県議会を『信を問う』方法として選んだ理由として、「投票という形を取ると分断が深まる」と述べている。しかし、住民の分断を招く可能性を認識しながら再稼働を容認すること自体が矛盾している。
柏崎刈羽原発では、テロ対策の秘密文書を社員が無断でコピーするなど管理不備が今年6月に複数見つかっていたことが明らかになっている。2021年にもテロ対策をめぐる不備が相次ぎ、原子力規制委員会が「事実上の運転禁止命令」を出していた。この命令は解除されたとはいえ、東電の安全への意識改革が徹底したとは感じられない。原発事故を起こした当事者でありながら、基本的な安全管理もできず、欠陥を露呈し続ける東電に原発の運転を任せることはできない。
2026年3月で東電福島第一原発事故から15年を迎えようとする今も、事故による避難を強いられ、故郷に戻れない人々は各自治体の発表を合計すると5万人以上にのぼる。東電が事故を起こした責任をいまだ果たし切れていない中で再稼働に進むことは、原発事故被害者を切り捨てることにもつながる行為である。
柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で被災している。日本のどこであっても巨大地震が発生し、海岸線に津波が押し寄せる可能性を考慮しないわけにはいかない。それこそが東電福島第一原発事故の教訓ではないか。能登半島地震でも示されたように、災害時の避難は容易ではなく、港湾や道路が利用できなくなる複合災害は免れない。
原子力政策は行き詰まり、経済面でも環境面でも利点はない。さらに再稼働によって「核のごみ」が増え続けると、いまだ解決の目途が立たない「高レベル放射性廃棄物処分場」の問題はより一層深刻なものとなる。
私たちは、住民の不安と反対の声を十分に聞き入れない今回の知事の再稼働容認に断固反対する。
知事に対し、柏崎刈羽原発の再稼働容認を撤回するよう求めるとともに、県民投票や知事選挙などの手段によって住民に「信を問う」べきだ。日本政府に対しても、原発依存の政策から脱却し、地域分散型の再生可能エネルギーと省エネルギーへの転換へととりくみをすすめることを重ねて求める。
二度と原発事故を繰り返させないために。命と暮らしを守るために。
原水禁は、東電による柏崎刈羽原発の再稼働を決して容認することはできない。すべての原発を今すぐ停止し、廃炉に向けた具体的な道筋を描くことが必要であると訴える。
2025年11月26日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之
2025年10月03日
9月23日、代々木公園に全国各地から4500人が集まり、『ともに声をあげよう!~脱原発と気候正義のために~』のタイトルのもと「さようなら原発9.23全国集会」が開かれました。
集会は、特設されたミニステージ、野外音楽堂でのメインステージが行われ、集会後にはパレードも行われました。
詳しくは、以下のさようなら原発1000万人アクションのウェブサイトをご覧ください。
【開催報告】さようなら原発9.23全国集会 「ともに声をあげよう!―脱原発と気候正義のために」
2025年07月05日
原水禁はこのたびブックレット「核と人類は共存できない あの日から80年、私たちがつなぐ平和の祈り」を作成しましたので、ご紹介します。

被爆80年を迎えるにあたって、原水禁運動の歴史的内容や、これから核廃絶を実現していくための具体的な運動の方向性について、広く共有することを目的としています。
執筆者と章立ては以下の通りです。
-
川野浩一さん(原水禁共同議長)「ごあいさつ 被爆80周年を迎えて」
-
秋葉忠利さん(前広島市長・原水禁顧問)「2035・2045ビジョン」
-
金子哲夫さん(原水禁共同議長)「被爆の実相とすべてのヒバクシャ救済」
-
中村桂子さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)准教授)「『核のタブー』で考える、世界の現状と私たちの課題」
-
藤本泰成さん(原水禁顧問)「原水禁運動と脱原発」
-
畠山澄子さん(ピースボート共同代表)「被爆者のおもいを受け継ぐ未来へ」
A5判・28ページと、コンパクトでわかりやすい内容になっています。
ご希望の方には無料でお分けしています(たいへん恐縮ですが送料のみご負担ください)。ご家族・ご友人、地域や職場などでもご紹介していただけますと幸いです。
ご注文の際はお送り先・お名前・必要冊数をお書き添えの上、メール( office@peace-forum.top )またはファックス( 03-5289-8223 )でお申し込みください。
2025年07月01日

私たち原水爆禁止日本国民会議(原水禁)はこれまで、「被爆者の救済なくして核廃絶なし」「核廃絶なくして被爆者の救済なし」、そして「核と人類は共存できない」のことばを原水禁運動の基礎に据えながら、核廃絶にとりくんできました。
それにもかかわらず、被爆から80年を迎える2025年、核なき世界の実現にいまだ至らず、むしろ核兵器使用のリスクが高まり続けています。核兵器の小型化や高性能化、核弾頭の増強、そして核兵器使用の威嚇が行われています。
しかし、私たちは厳しい現実を踏まえつつも、日本、そして世界の市民と手をとりあって、核も戦争もない世界をつくりだすことをめざす決意を、あらためて確認しています。「被爆80周年原水爆禁止世界大会」をはじめとしたさまざまなとりくみのなかで、核廃絶に向けた課題と展望を多くの人びとと共有しながら、原水禁運動を大きく拡げていきたいと考えています。
その一環として、「被爆80年からその先へ 核なき未来をつくるカンパ」を行うことにいたしました。被爆80年である今年、そしてNPT再検討会議などが予定される来年は、核廃絶をめざす原水禁運動にとって、非常に重要な時期となっています。国内外でのさまざまなキャンペーン展開を検討していますが、その際、相当程度費用が発生することが見込まれます。被爆80年から核なき未来へとつないでいくためにも、積極的なご支援・ご協力をお願いします。
「被爆80年からその先に 核なき未来を支えるカンパ」
いただいたカンパをもとに、以下のような活動をすすめていきたいと考えます。
・被爆証言キャラバン(仮称)の展開
日本国内、そして世界各地で、被爆者による被爆証言を聞く機会を設定します(交通費や会場費等)
・次世代に向けた被爆の実相を継承する活動への支援
被爆の実相を次世代の若い人びとに継承する活動を支援します(動画資料や冊子作製等)
・地域における原水禁学習会の開催
被爆80年にあたり、これからの原水禁運動をどのように拡げ核兵器廃絶を実現するのか、課題と目標を共有するための学習会を日本各地で開催していきます(講師費や会場費等)
こうした活動を通じ、日本全国各地における草の根のとりくみ強化と平和を求める世界の人びととの結合・連携を発展させ、核廃絶に向けた世界的なうねりをつくりだしていきたいと考えています。
【カンパ方法】
(1)オンライン決済
専用ページをご覧ください。金額や決済頻度、決済方法などが選択できます。
( https://congrant.com/project/gensuikin/17957 )
(2)郵便振り込み
下記振込先にお願いします。
ゆうちょ銀行 019支店 当座 口座番号0154710
(または 00130-6-154710 )
ゲンスイバクキンシセカイタイカイジッコウイインカイ
(原水爆禁止世界大会実行委員会)
2025年06月30日
原水禁は6月28日、東京・日本教育会館で「原水禁・被爆80年を考える集い」を開催しました。ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。
【参考】
「被爆者の存命中に…」 原水禁が「被爆80年を考える集い」で核のない世界の実現へ、それぞれ思い伝える
https://www.tokyo-np.co.jp/article/415500

被爆80年にあたって作成したブックレット「核と人類は共存できない あの日から80年、私たちがつなぐ平和の祈り」(近日ご案内予定です)の執筆者である秋葉忠利さん(原⽔禁顧問)、⾦⼦哲夫さん(原⽔禁共同議⻑)、川野浩⼀さん(原⽔禁共同議⻑)、中村桂⼦さん(⻑崎⼤学核兵器廃絶研究センター(RECNA)准教授、ビデオメッセージ)、畠⼭澄⼦さん(ピースボート共同代表)、藤本泰成さん(原⽔禁顧問)、そして高校生平和大使OPの大学生のみなさんにご登壇いただき、原水禁運動の歴史的内容を確認するとともに、これから核廃絶を実現していくための具体的な運動の方向性について、意見を交わすことができました。

以下にアーカイブ動画を掲載しますので、ぜひご覧ください。
2024年10月30日
10月29日の女川原発再稼働をうけて、原水禁は「女川原発2号機の再稼働を許さず、原子力推進政策の撤回を求める原水禁声明」を発表しましたので、ここにお知らせいたします。
女川原発2号機の再稼働を許さず、原子力推進政策の撤回を求める原水禁声明
10月29日、東北電力は女川原発2号機の原子炉を起動し再稼働させた。福島第一原発事故後、東日本で初めての再稼働となる。
今回再稼働した女川原発2号機は、事故原因の究明がいまだなされていない福島第一原発と同型の沸騰水型軽水炉(BWR)であり、先に西日本で再稼働をしている加圧水型炉(PWR)とは意味合いを異にするものである。東日本大震災では、高さ約13メートルの津波に襲われ、原子炉建屋地下が浸水するなど被災した。先の能登半島地震でも大きな問題となった住民の被災と避難の問題については何ら解決されていない。事故時の避難計画に実行性がないとする住民訴訟の判決もまだ出ておらず、再稼働に対するさまざまなリスクを取り除けていない。
女川原発2号機の再稼働は、夏や冬に電力需給が逼迫しやすい東日本での安定供給を念頭にすすめられた。しかし、いまだ行き先の決まらない高レベル放射性廃棄物(核のごみ)問題をかかえ、高コストで安全とはいえない原子力発電に頼ることは、決して持続可能な解決策ではない。
GX基本方針を策定後、政府は福島原発事故そのものがなかったかのように、原発積極活用へと舵を切っている。原発事故によっていまだ故郷に帰ることもできないまま避難を強いられている人々が2万人以上いるにもかかわらず、なぜ今も原発推進をするのか、だれかの犠牲の上に成り立つような原子力政策を私たちは望んでいない。
私たちは、福島原発事故を経験し、能登半島地震により日本のどこでも地震のリスクがあることを再認識し、自然災害と原発事故による複合災害への危機感を強く持っている。気候危機による自然災害が多発している今、さらに原発再稼働によって複合災害へのリスクを高めることは、住民の安全な暮らしを奪うも同然のことである。そして、それは命に関わる重大な問題だと認識すべきだ。
原水禁は、原子力政策が既に行き詰まっていることをこれまでも繰り返し指摘してきた。原子力政策を延命させるために様々な理屈をつけて原発の再稼働をすすめるのではなく、各地域での持続可能な再生可能エネルギーによる発電の普及や省エネ政策に本腰を入れていくべきだと考える。原子力推進政策の維持継続ありきの議論を脱し、だれもが安全な暮らしができる未来を描いていく必要がある。
私たちはあらめて、女川原発2号機の即時停止と、原子力推進政策の撤回を強く求める。
2024年10月30日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之
2024年07月29日

7月28日、福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」において、「被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会」が開催され、約650人が参加しました。「ALPS処理水」海洋放出開始から1年、あたらめてこれを弾劾するとともに、全国・全世界の人びとと連帯し、反核・脱原発の運動をすすめていくことを確認しました。
開会にあたって東日本大震災の犠牲となったすべての方に対し黙とうを行いました。あわせて昨年の福島大会で基調講演を行っていただいた故・伴英幸さん(原子力資料情報室・共同代表、今年6月に逝去)への追悼の意も表しました。

染裕之・大会共同実行委員長と、現地実行委員会を代表し角田政志・福島県平和フォーラム共同代表がそれぞれあいさつしました。その後、大会基調提起を谷雅志・実行委員会事務局長が行いました(→大会基調はこちら)。

特定非営利活動法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也さんから基調講演が行われました。「文明史的エネルギー大転換と日本の未来を福島から見通す 第7次エネルギー基本計画策定にあたって」をテーマとして、日本のみならず世界的に原発回帰の動きがあるいっぽうで、再生可能エネルギーをめぐる「新しい現実」が出来していることを豊富なデータをもとに解説。太陽光・風力の急拡大のなかで日本はむしろ急ブレーキをかけている状況だが、太陽光・風力こそが原発や気候危機を含むエネルギー問題を解決する現実的な方策だとしました。

続いて、各地の原発をめぐる状況について、女川原発に関して多々良哲さん(女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション世話人)、柏崎刈羽原発に関して近藤正道さん(原水爆禁止新潟県協議会理事長)、そして福島第一原発に関して松久保肇さん(原子力資料情報室事務局長)から、それぞれ報告を受けました。

高校生平和大使からの訴えでは、福島の五十嵐まど佳さん・田村陽子さん(第26代)と長澤華咲さん・半谷優亜さん(第27代)、新潟の手代木幸さん(第26代)が登壇。昨年のジュネーブ派遣での活動報告や今年の派遣にかける意気込み、あるいは核兵器や原発をめぐっての率直な意見が表明されました。会場入口では署名活動とカンパの呼びかけが行われ、多くの参加者がこれに応じていました。
最後に、福島大会実行委員の菅野賢一さんが「フクシマアピール(案)」を読み上げて提案(本ページ下部に掲載)。全体の拍手をもって採択しました。
翌29日には東京電力福島復興本社への要請行動が行われました。
【被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会】アーカイブ動画
2024 フクシマアピール
東京電力福島第一原発の過酷事故から13年が過ぎました。特定復興再生拠点区域の避難指示が、2023年11月の富岡町をもってすべて解除され、住民の帰還に向け、町の整備や企業誘致などが進められています。また、昨年6月の福島復興再生特別措置法の改正により、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域外の区域において、避難指示の解除により住んでいた方々の帰還とその後の生活再建を目指す「特定帰還居住区域」を定めることが可能となりました。しかし、避難の長期化に伴い帰還を断念せざるを得ない住民も多くなっています。未だに立ち入ることのできない多くの帰還困難区域の除染は手つかずのままです。
避難指示区域等の住民の医療・介護保険料や医療費の窓口自己負担分の免除等の措置が、2014年までに避難指示が解除された地域から段階的に廃止されています。原発事故によって生活を奪われた人々の健康及び生活の保障は、事故を起こした国と東京電力の責務であり、被害者の当然の権利です。被災者の生活再建支援や健康への保障の打ち切りを許してはなりません。さらには、被ばくを強いられたすべての人々の健康と医療を保障させていかなければなりません。
政府・東京電力は、昨年8月24日、「ALPS処理水」の海洋放出を実施し、これまで7回、約5万5千トンを放出しました。2024年度は約5万4600トンを7回に分けて放出するとしていますが、今後もこの放出が30年間も繰り返し行われることになっています。漁業関係者をはじめ多くの県民、国民、さらには国際社会の理解が得られないまま、海洋放出を強行したことは許せません。
岸田政権は、GX(グリーントランスフォーメーション)推進と称して、原発再稼働と「60年超運転」を推し進めています。未だに約2万6千人の県民が避難を余儀なくされるなど、原発事故は現在進行形であるにもかかわらず、被害者の心の痛みを忘れたかのような政府方針の転換は、到底認められません。
今年元日の能登半島地震では志賀原発が「想定外」の事態に陥り、重大な損傷が生じました。地震大国日本において、原発は危険な施設以外の何ものでもありません。フクシマの悲劇を二度と繰り返させてはなりません。国の政策の誤りによって、再び人々が犠牲を強いられることがあってはなりません。
私たちは、今こそフクシマから声をあげます。宮城県女川原発、新潟県柏崎刈羽原発、茨城県東海第二原発の再稼働反対、加えて青森県六ヶ所村再処理工場の核燃料サイクル施設の建設・運転の断念などを求めます。また、福島第一原発事故がもたらした深刻な被害を風化させないため、世代を超えて共に考え、伝え、福島から全国、全世界に発信します。
さらに、国と東京電力の責任を厳しく問い、原発事故被害者の人権と補償の確立を求める運動を強めるため、全国、全世界の反核・脱原発運動と連帯します。ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリをはじめ、世界の核被害者と連帯します。「核と人類は共存できない」を原点に、原発も核も戦争もない平和な社会の実現に向けたたかいを進めていきます。
2024年7月28日
被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会
TOPに戻る