エネルギー基本計画 - 原水禁
2024年12月18日
12月17日に政府が「第7次エネルギー基本計画(原案)」を公表しました。原発の「最大限の活用」をかかげる計画案に対し、原水禁として声明を発表しました。
第7次エネルギー基本計画(原案)に対する原水禁声明
政府・経済産業省は、中長期的なエネルギー政策の指針を示す第7次エネルギー基本計画に向けた原案を12月17日に示した。2050年の「カーボンニュートラル」の実現、ウクライナや中東情勢をめぐる「エネルギー分野におけるインフレーション」、DXやGXの進展にともなう今後のエネルギー需要の増大を理由に、2040年度の電源構成の見通しについて原子力を「2割程度」とし、既設の原子炉を「最大限活用する」としてこの間の原発の再稼働を正当化し、次世代革新炉の研究開発を進めると宣言している。福島第1原子力発電所における事故を踏まえる形で「可能な限り依存度を低減する」としていた2014年度以降の基本計画からの重大な方針転換である。
2023年2月に決定された「グリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた基本方針」では同一の敷地内としていた廃炉後の原子炉の建て替えについても、「同一事業者の原発の敷地内」であれば建て替えを認める方向へと条件が緩和されている。現実には、この間の各地の原発の新規建設計画はいっこうに進んでおらず、「最大限の活用」は老朽原発のさらなる延命を前提とする無謀な計画と言わざるを得ない。そもそも、既存の各原発内における使用済み核燃料の貯蔵容量が限界に近付き、最終処分の見通しも立たないなかでは、原発の運転の停止こそが現実的な方針である。
地球温暖化対策が喫緊の課題とされるなか、2021年の第6次基本計画では、再生エネルギーを「温室効果ガスを排出しない脱炭素エネルギー」と位置づけて主電源化に取り組むとして2030年度の電源構成で「36~38パーセント」に引き上げる方針が示されていた。ところが、今回公表された第7次基本計画の原案では「再生エネルギーに最優先でとりくむ」という文言が削除されたうえ、2040年における「4~5割程度」という比率も2050年の「カーボンニュートラル」実現という方針をきわめて疑わしいものとしている。
2023年度の日本国内における発電実績は、再生エネルギーが22.9パーセント、原子力は8.5パーセントに過ぎず、68.6パーセントを火力に依存している。火力の約半分がCO2排出量の多い石炭火力であり、2023年の発電実績で再生エネルギーの比率が4割以上を実現した国々があるEUや、加盟国の3割が「脱石炭」を達成しているOECD諸国に比べると、日本における温暖化対策の遅れがますます明確になっている。今回の原案では、二酸化炭素の出ない水素やアンモニアの活用により火力発電の脱炭素化を進めるとされているが、石炭火力については「安定供給性や経済性に優れた重要なエネルギー源」として「非効率な石炭火力を中心に発電量を減らしていく」という表現にとどまっている。ウクライナや中東の情勢を受けた「エネルギー分野のインフレーション」を問題にしつつ、実際には火力への依存を継続する無策をさらけ出すものであり、今のままでは国内での電力供給そのものに深刻な危機がもたらされかねない。
脱原発、脱炭素社会の実現こそが気候危機に対する唯一の解決策であり、エネルギー政策の転換が必要である。原水禁は、問題を先送りする女川原発、島根原発をはじめとする原発の再稼働に反対し、第7次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの活用を中心としたエネルギー計画、電源構成を示すことを日本政府に求める。
2024年12月18日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野 浩一
金子 哲夫
染 裕之
2021年07月27日
7月21日、経済産業省は、第6次エネルギー基本計画(素案)を発表しましたので、原水禁として、声明を発します。
第6次エネルギー基本計画(素案)に対する原水禁声明
7月21日、経済産業省は、第6次エネルギー基本計画の素案を発表した。温暖化ガスの排出量を、2030年度に、2013年度比で46%削減するとの国際公約を踏まえ、再生可能エネルギーの2030年度の発電比率目標を36~38%と引き上げた。計画では「2050年のカーボンニュートラル実現に向け、主力電源として最大限の導入にとりくむ」として、再生可能エネルギーの比率を、2019年度実績の約2倍、現在の目標値を14ポイントほど高くした。しかし、十分とは言えない。欧州委員会は、再エネ比率を2030年までに65%まで引き上げる目標を打ち出している。今後、さらなる比率のかさ上げをめざし、政府はさまざまな施策を打ち出すことが求められる。計画に記された、公共施設の活用、発電コスト低減、環境アセスや自然公園法などの課題克服などはもちろん、エネルギー問題が地域社会・個人生活の重要な課題であることから、地方自治体や地域社会全体で議論できるよう、システムの拡充が求められる。太陽光発電や風力発電の設置をめぐっては、地域住民とのトラブルも起きている。必要なエネルギーをどう確保するかを、地域社会の中で議論することも重要となってきている。
一方で、原子力は依然としてベースロード電源として位置づけられ、20~22%と前回のエネルギー基本計画同様の発電比率が求められている。原発をめぐる情勢や世論を無視し、脱炭素を理由にして原発の活用を再度打ち出してきたことは、福島第一原発事故の被災者を愚弄するもので決して許されない。
2011年3月11日の福島原発事故以降、エネルギーを巡る環境は、国際的にも国内的にも大きく変わった。今や、新規原発計画などありえない。安全対策によるコストの上昇やフクシマに象徴される原発事故の生活環境への壊滅的打撃などの現状を見据え、冷静に将来を見通す努力が求められている。計画では、原発の新規計画やリプレースを盛り込むことはできなかった。計画に記された原発の発電比率は、稼働中の10基、審査中の11基を含めて27基の原発を、稼働率80%で運転する必要がある。計画では「定期検査の効果的・効率的な実施や運転サイクルの長期化」を検討課題としているが、それはまさに安全対策の削減であり、無理な稼働率の引き上げは原発事故の可能性を高めるもので許されない。
地球温暖化対策が世界規模での喫緊の課題とされる今、多くの国々で、化石燃料を利用した火力や原子力から脱却し、風力や太陽光、太陽熱などの再生エネの利用拡大へと急ピッチで進んでいる。日本の旧態依然たる「原発温存」の政策は、政策の硬直性を示し、再エネ普及の阻害要因となっている。「可能な限り原発の依存度を低減する」との表現は維持したが、一方で「安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していく」としている。このような二律背反の姿勢では、将来のエネルギー政策を誤ることは間違いない。
このような中途半端な政策は、目先の安易な利益に誘導され、原発の再稼働へ巨額の費用を投入させてきた。そのことは、再エネ普及に欠かせない送電網の拡充や蓄電池の普及とコスト削減など、さまざまな部分での阻害要因となってきた。
また、電源別では最も安いと言われてきた原発の発電コストも引き上げてきた。今回、経済産業省が発表した2030年時点での発電コストの新たな試算では、原発は1キロワット時あたり11円台後半以上となり、太陽光(8円台前半~)、風力(9円台後半~)、LNG(10円台後半~)に抜かれた。政府や電力会社が福島原発事故以降も原発のコスト面での優位性を強調してきたが、その前提が崩れ、原発の「安全神話」の崩壊とともに、原発推進の理由が失われた。今後、原発の安全対策やバックエンド対策など、多くの不透明な費用負担を考えれば、さらにこのコストは膨らみ続ける。
原水禁は、2021年3月、2030年までに原発・石炭火力ゼロを訴えた政策提言をまとめ、原水禁エネルギー・シナリオとして発表し、政府、経済産業省や国会議員へ提出してきた。 原水禁は、脱原発・脱炭素社会の実現は、気候危機に対する唯一の解決策であり、困難な道のりではあるが、達成可能と考えている。福島原発事故から10年。新たな状況を踏まえ、硬直化したエネルギー政策を見直し、脱原発・脱炭素社会へむけた行動を強く求める。環境に優しく、持続可能な社会は不可能ではない。
2021年7月27日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野 浩一
金子 哲夫
藤本 泰成
2021年06月03日
※報告記事は、ATO4NEN あと4年未来を守れるのは今キャンペーンのホームページ をご覧ください。
G7直前全国アクション
G7直前、パリ協定1.5℃目標に整合した気候・エネルギー政策を求め約27万筆の署名提出と全国122ヶ所でスタンディング・アクションを展開
菅首相は、2030年の温室効果ガス目標 2013年度比46%削減と発表しました。
一方、エネルギー基本計画では、原発の新増設やリプレースに踏み込むべきという意見が多く、石炭火力さえも維持・推進する方向です。
このままでは、今はおろか、将来世代の安全な未来を守ることはできません。洪水、森林火災といった気象災害の増加や生物多様性の崩壊などの気候危機を回避できないばかりか、脱炭素社会に向けた世界の大きな潮流から、日本は取り残されてしまいます。
G7サミット開催前日の6月10日、署名提出 (原水禁が参加しているATO4NENキャンペーンと生活クラブの共同署名提出)と、全国一斉スタンディング・アクション(経産省や自治体庁舎の前で、市民がプラカードなどを手に持って立って訴えるアクション)を行いますので、ご紹介致します。
記
1.G7直前 全国一斉スタンディング・アクション
※ 6/2時点で、キャンペーン参加団体が全国7県12ヶ所での実施を予定しています。※ 随時情報追加中
呼びかけ案内HP をご確認いただき、実施予定地点のスタンディングに合流していただくほか、各地でスタンディング実施の企画をお願いします。
※ 実施企画の際には、HP内の「アクションを企画する」より企画内容の入力をお願い致します。以下のアドレスからの入力も可能です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd1ZDWikK45filmsCiMpd4UZxiCNHw2NNXzg0LrqYPP-5PalA/viewform
2.署名共同提出・記者会見のオンライン配信
VIDEO
「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再エネ100%の気候・エネルギー政策」を求める署名の提出を行い、各団体からのメッセージを発信します。
(1)
日 時:
6月10日(木)14:00~16:00
(2)
開催場所:
YouTubeオンライン配信
(3)
共催団体:
ATO4NEN あと4年未来を守れるのは今キャンペーン、 生活クラブ
(4)
配信内容:
これまでに集まったATO4NENの署名と、生活クラブが再エネ60%などを要求している署名を共同で提出し、
記者会見を行います。合計署名数は20万筆を超える予定です。
(6)
配信アドレス:
https://youtu.be/e6hZfH2wT4M
(5)
問い合わせ:
ato4nen.info@gmail.com
2021年04月21日
4月20日、「あと4年、未来を守れるのは今」約17万筆の署名を提出
~政府の決定を前に、より野心的な温室効果ガス削減目標を求めた署名を緊急提出~
原水禁も運営団体として参加する「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンでは、日本政府が改定を検討しているエネルギー基本計画と気候変動政策に対し、「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再エネ100%の気候・エネルギー政策」を求める署名を12月から展開しています。
この度、会場となった衆議院議員会館に12の呼びかけ団体が集まり、菅内閣総理大臣、梶山経産大臣、小泉環境大臣、河野行革担当大臣あてに、168,157筆(オンライン署名28,533筆、紙署名と呼びかけ団体内別フォーム139,538筆)をの署名を提出しました。
署名提出に引き続き、記者会見を行い、各団体から発言をつなぎました。
原水禁からは、署名に取り組むとともに、「原水禁エネルギープロジェクト」において、エネルギー政策へ「提言書」を出したことを伝えました。署名の趣旨である再エネ100%の社会の実現に向けた「提言」が完成し、全国会議員への配布も予定しています。
<提出の様子は、インスタライブ「【あと4年未来を守れるのは今】署名の中間提出してきました」 をご視聴ください。登壇者氏名を含む、タイムコードはこちら です。>
インスタライブのほか、以下のYouTubeでもご覧いただけます。
VIDEO
「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再エネ100%の気候・エネルギー政策」を求める署名の最終集約は5月末日 となります。引き続き、ご協力をお願いいたします。
4月20日、「あと4年、未来を守れるのは今」約17万筆の署名を提出
ATO4NENキャンペーンでは、4月22日実施予定の緊急気候マーチ2021「経産省前スタンディング」にも協力します。
2021年03月31日
※4月22日に第一次署名提出を行います
「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン中間報告
〜呼びかけ・賛同団体は当初の67団体から183に増加 署名も3月17日現在、14万筆を超える〜
今すぐ大胆な気候危機対策を実行しなければ、パリ協定の1.5℃目標を達成できず、気候崩壊を招いてしまう、という危機感から「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンは始まりました。キャンペーンでは、政府がエネルギー基本計画の改定を進めている中で、パリ協定と整合的な温室効果ガスの削減目標の設定と、エネルギー政策の脱炭素・脱原発に向けた大きな見直しを求めています。
署名数はキャンペーン開始以来、オンラインと紙を合わせて142,357筆(3月17日現在)に達し、賛同団体数はこの間、67から183と3倍近くまで増加しています。賛同団体には環境、反原発、再エネ関連団体だけでなく、生協や企業など日々の生活に密着した団体も多く加わり、広範な広がりを見せています。(公社)アムネスティ・インターナショナル日本のほぼ同内容の署名にも、1,813筆が集まっています。
このキャンペーンでは2月4日、「みんなの気候エネルギー会議」をオンラインで開催し、参加した資源エネルギー庁の職員に私たちの声を伝えました。今月17日には、賛同団体を集めオンラインでキャンペーンの報告会を開き、今後さらに連携してキャンペーンを展開することを確認しています。また、4月23日には、フライデーズ・フォー・フュチャー・ジャパンと協働したアクションを予定しており、エネルギー基本計画への市民の声を可視化します。
東京オリ・パラでは組織のメンバー構成が話題になりましたが、政府の資源エネルギー調査会基本政策分科会の構成は多くが産業界に関係する比較的高齢のメンバーであり、気候変動の影響を最も被る若者は委員に入っていません。東日本大震災後に須田女川町長が、「20年後も生きている若い人がやりなさい。還暦以上は口を出すな」と言って若手住民主体で復興をリードしたと同様に、将来の環境を大きく左右するエネルギー問題では、若者の意見を取り入れるべきです。
また、分科会は私たちも試聴できますが、そこでは意見の発表はあるものの異なる意見の間の議論はありません。その意見をどのように解釈して反映させるかは事務局内部のプロセスのため公開されず、透明性のある議論とは言えません。
私たちは、これからも政府に対し、透明性のある民主的な議論に基づいて持続可能なエネルギー政策へ転換していくことを強く求めていきます。
【本キャンペーンのHP】
http://ato4nen.com
【本件に関するお問い合わせ】
ato4nen.info@gmail.com
キャンペーン中間報告(第2回:3/19)
2021年02月17日
VIDEO
2020 年10 月から、政府は、これからの日本のエネルギーのあり方を決める「エネルギー基本計画」の見直し議論を始めました。しかしながら、見直しのプロセスを行っている経済産業省の審議会(総合資源エネルギー調査会基本政策分科会)に、私たち市民の声を届ける機会は、意見箱、パブリック・コメント等、形式的なものであり、その機会は非常に限られています。
そこで、2月4日、原水禁も参加する「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンは、市民のくらしや未来に大きく関わるエネルギー政策の見直しに、若者や女性、気候変動や原発事故の当事者の声を届けるため、「市民のエネルギー気候会議 エネルギー基本計画自主的意見聴取会」をオンライン開催しました。
当日のスケジュールはこちらから
高校生や大学生の若者から働く女性、農家の方や特定非営利活動法人・原子力資料情報室など、さまざまな立場の方から、原発をはじめとするエネルギー政策や気候変動等についての発表・報告を受けました。
その後、資源エネルギー庁および経済産業省に向けて、事前募集を行った質問で、質疑・討論を行いました。省庁の担当者からは「2050 年に向けて、新規原発も検討する必要がある」「原発は、世界で最も厳しい安全基準で管理を行っている」等、疑問の残る回答が述べられました。
また、平日昼間のイベントとなりましたが、最大で同時に約120 名が視聴し、注目の高さがうかがえます。引き続き、「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンとして、気候危機の解決策が原発によるエネルギーではないこと、脱原発が必要なことを訴えていきます。
◆「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンでは、署名活動を行っています。
詳しくはこちら
◆ネット署名だけではなく、紙の署名も併せて行っています。
詳しくはこちら
2021年01月27日
日本政府は、これからの日本のエネルギーのあり方を決める「エネルギー基本計画」の見直し議論を10月から始めています。見直しのプロセスを行っている、経済産業省の審議会(総合資源エネルギー調査会基本政策分科会)では、市民の声を届ける機会が非常に限られています。今、必要なのはエネルギーの生産・消費構造の変革とエネルギーシフトです。
「市民のくらしや未来に大きくかかわるエネルギー政策の見直しに、若者や女性、気候変動や原発事故の当事者の声を届けたい」
そんな思いから「市民の声を届ける場」として市民のエネルギー気候会議を企画いたしました。
VIDEO
記
市民のエネルギー気候会議 エネルギー基本計画自主的意見聴取会
日時:2月4日(木)14:00~16:00
場所:オンライン(本ページで閲覧できます)
主催:「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン
協力:阿部知子事務所、原発ゼロの会
事前質問の受付期間は終了となりましたが、当日オンラインでも質問をすることが可能です。
チャットでの質問をご希望の方は、以下の参加登録をお願いします。
zoom参加登録:https://us02web.zoom. us/webinar/register/WN_vB5s_ LSkRby0gQvTnmuwCg
スケジュールは、以下の通り
登壇者は、以下の通り(予定・追加出演者調整中)
白馬高校
金子菜緒さん・宮坂雛乃さん・手塚慧介さん(順不同)
2020年12月08日
原水禁として、2021年のエネルギー基本計画改定に向け、提言書を作成すべく「原水禁エネルギープロジェクト」を進めています。
その一方で、環境問題に取り組む多くの団体とともに、エネルギー基本計画に向けたキャンペーンを行うこととなりました。
キャンペンーン開始に向けた記者発表が行われますので、ご案内いたします。
※当日は、多くの皆様に見ていただけるようにYoutubeライブ配信を行います。
https://www.youtube.com/user/FoEJapan
【登壇者続々決定!】 政府の気候・エネルギー対策の強化を求めるキャンペーン
「あと4年、未来を守れるのは今」開始に向けた記者発表のご案内
政府は現在、「地球温暖化対策計画」と「エネルギー基本計画」の見直し作業を行なっています。今回の見直しは、すでに現実化している気候危機に歯止めをかけるために、パリ協定の1.5度目標と整合的な排出削減目標と道筋を形づくる上で、極めて重要です。
本目標を達成するためには、2030年には温室効果ガスの排出を世界全体で半減させる必要があると言われています。しかし、今のままの排出が続いた場合、4年後の2025年から毎年、前年比で、非現実的とも言える15%以上の削減をしなければ半減できないとされています(注)。2025年までの「4年」、日本がどのような気候・エネルギー政策を施行するかは喫緊の課題です。
気候危機・脱原発に関心をもつ市民団体や若者グループなどからなる呼びかけ団体は、12月12日のパリ協定5周年を機に、パリ協定と整合的な削減目標、エネルギーのあり方等を求めて 「あと4年、未来を守れるのは今 〜環境と未来を守るための署名に参加してください〜」キャンペーン を開始します。
本キャンペーンでは、グレタ・トゥーンベリさんをはじめ世界で広まっている緊急に温暖化対策の実施を求める運動と呼応し、今までにない幅広い層への呼びかけを行っていきます。
本キャンペーンの発足にあたり、以下の通りオンラインで記者発表を実施致します。
記者発表では、自然災害で被害に遭われた方、長年漁業に携わっている方、福島の方、科学者、幼い子どもを持つ母親、若い世代から指示を受けているインフルエンサー、学生アクティビストなど様々な立場の方々から本キャンペーンにかける思いを伝えてもらう予定です。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。
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【オンライン開催】「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン開始
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【日時】2020 年 12月10日(木)16:00 〜17:30
【会場】オンライン(Zoom)
【参加費】無料
【主催】「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン
【呼びかけ団体(12月8日現在)】
350.org Japan、CAN-Japan、eシフト、Fridays For Future Fukuoka、Fridays For Future Kagoshima、Fridays For Future Kyoto、Fridays For Future Nasu、Fridays For Future Shizuoka、Fridays For Future Yokosuka、Green TEA、Protect Our Winters Japan、PV-Net、Spiral Club、環境エネルギー政策研究所、気候ネットワーク、グリーン連合、原子力資料情報室、原水禁 、国際環境NGO FoE Japan 、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、市民電力連絡会(数字、アルファベット、五十音順)
【プログラム(予定)】
16:00-16:10 オープニング
16:10-17:00 「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン賛同者からのメッセージ
発言予定者( 五十音順 ):
eri(えり/DEPT Company)
岡山潤也(おかやま・じゅんや/北海道函館市・漁師)
甲斐沼美紀子(かいぬま・みきこ/国立環境研究所)
片岡奈津子(かたおか・なつこ/特定非営利活動法人そーる理事長)
小松吾郎(こまつ・ごろう/POW Japan)
阪口真生志(さかぐち・まきし/Fridays For Future Fukuoka、九州大学大学院経済学部)
宍戸慈(ししど・ちか/北海道子育て世代会議。福島県郡山市から移住)
辻井隆行(つじい・たかゆき/元パタゴニア日本支社長)
露木志奈(つゆき・しいな/環境活動家)
沼田茂(ぬまた・しげる/孫を持つ会社員。350 Tokyo)
松永玲子(幼い子をもつ母親。Green TEA)
吉田明子(よしだ・あきこ/FoE Japan)
荒尾日南子(あらお・ひなこ/350.org Japan)
17:00-17:30 質疑応答
【一般視聴用】
※当日は、多くの皆様に見ていただけるようにYoutubeライブ配信を行います。
https://www.youtube.com/user/FoEJapan
【メディア用お申込方法】
下記の申込みフォームからお願いいたします。
https://forms.gle/9esuzk8n2kgdbmnd8
【事務局・お問い合わせ】
japan@350.org (350.org Japan)
当日連絡用:080-5496-4954、090-4668-6653
<キャンペーンの背景>
12月12日はパリ協定が締結されて5周年になります。この間も協定が目指す地球温暖化防止は進まず、温室効果ガスの排出の増加は止まりません。世界各地で大規模な洪水、森林火災などの異常気象は肌で感じるほど増え、今すぐ脱炭素社会に向け抜本的な対策の実行に移らないと、生態系の崩壊につながり、ひいては人類の存在も脅かされます。
菅首相は、国会で2050年二酸化炭素排出ネットゼロ宣言をしました。人類と生態系の生存ラインと言える、このパリ協定の1.5℃目標を達成するためには、2030年には温室効果ガスの排出を世界全体で半減させる必要があります。しかし、今のままの排出が続いた場合、4年後の2025年から毎年前年比で、非現実的とも言える15%以上の削減をしなければ半減できません(注)。
時間はもうありません。コロナ禍からの経済復興を機に、これから4年の間に再生可能エネルギーへの大幅な転換をすることが、私たちの未来を決定することになります。
政府は「地球温暖化対策計画」と「エネルギー基本計画」の見直し作業に入りました。私たち「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンの呼びかけ団体は、政府がパリ協定の1.5℃目標に整合した見直しを、原発や現在実用化されていない技術に頼らず、一般の市民、とりわけ将来の環境の影響を受ける若い世代を含むオープンな議論に基づき速やかに行うことを強く要求します。
このキャンペーンは 12月10日 からの署名活動に始まり、賛同している各団体がそれぞれ様々な企画を実行して、幅広く市民の声を届けるムーブメントを展開することを目指しています。
(注)2019年11月に国連環境計画(UNEP)が発表した「排出ギャップレポート(Emission Gap Report 2019)」によれば、1.5度目標の達成には、2020年から毎年7.6%ずつ温室効果ガスの排出を削減する必要がある。排出削減が遅れるほど、達成可能性が低くなり、2025年まで遅れた場合、毎年15.5%もの排出削減が必要となり、これはほぼ不可能であると述べている。一方で、毎年7.6%減は野心的ではあるが、不可能ではないと述べている。
https://www.unenvironment.org/interactive/emissions-gap-report/2019/
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