2025年06月30日
原水禁は6月28日、東京・日本教育会館で「原水禁・被爆80年を考える集い」を開催しました。ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。
【参考】
「被爆者の存命中に…」 原水禁が「被爆80年を考える集い」で核のない世界の実現へ、それぞれ思い伝える
https://www.tokyo-np.co.jp/article/415500

被爆80年にあたって作成したブックレット「核と人類は共存できない あの日から80年、私たちがつなぐ平和の祈り」(近日ご案内予定です)の執筆者である秋葉忠利さん(原⽔禁顧問)、⾦⼦哲夫さん(原⽔禁共同議⻑)、川野浩⼀さん(原⽔禁共同議⻑)、中村桂⼦さん(⻑崎⼤学核兵器廃絶研究センター(RECNA)准教授、ビデオメッセージ)、畠⼭澄⼦さん(ピースボート共同代表)、藤本泰成さん(原⽔禁顧問)、そして高校生平和大使OPの大学生のみなさんにご登壇いただき、原水禁運動の歴史的内容を確認するとともに、これから核廃絶を実現していくための具体的な運動の方向性について、意見を交わすことができました。

以下にアーカイブ動画を掲載しますので、ぜひご覧ください。
2025年06月25日

「被爆80周年原水爆禁止世界大会・福島大会」は、7月26日(土)、下記のスケジュール・内容で開催いたします。
日時:7月26日(土)13時~16時30分
場所:パルセいいざか(福島市飯坂町筑前27-1)
内容:
開会集会(13時~)
全体集会(13時30分~)
・基調講演…講師:金子哲夫さん(原水爆禁止広島県協議会代表委員・原水爆禁止日本国民会議共同議長・被爆80周年原水爆禁止世界大会共同実行委員長)
「被爆80年 核と人類は共存できない~核なき世界をめざして~」
・報告…満田夏花さん(国際環境NGO FoE Japan理事・前事務局長)
/門馬好春さん(30年中間貯蔵施設地権者会会長)
/吉田裕史さん(原水爆禁止新潟県協議会副理事長)
・高校生平和大使の訴え(15時45分~)
閉会集会(16時15分~)
以下に大会への参加方法、交通案内を掲載していますので、ご確認ください。
大会への参加方法
(大会実行委員会構成団体以外の)個人・グループの方で参加される場合、下記の通りお願いします。
直接大会会場(パルセいいざか)にお越しのうえ、受付をお願いします。参加資料代はおひとり500円です。
【地図】
2025年06月23日
6月22日にアメリカがイランの核関連施設を攻撃したことに対し、原水禁は以下の声明を発表しました。
アメリカによるイラン核関連施設攻撃に抗議する原水禁声明
6月22日、アメリカのトランプ大統領はイランにある核施設3ヶ所を攻撃したと発表しました。イスラエルによるイランへの攻撃が始まった6月13日、アメリカはイランが行った攻撃はイスラエルの単独行動であるとしていました。その後の情勢を見極める意味もあってか、トランプ大統領は6月19日に、アメリカが直接イランを攻撃するかの判断について「2週間以内に決断する」と述べましたが、その期限を待たぬまま、アメリカの憲法で義務付けられている議会による武力行使の許可なしに、突如攻撃に踏み切りました。このアメリカの攻撃については国連決議もなく、明確な国際法違反であり、核拡散防止条約(NPT)にも違反しています。
イランはこの「2週間」と示された期限内に外交交渉につく姿勢を見せていましたが、それを無視される形になったことで、報復を宣言しています。イスラエルがイランに先制攻撃したことに端を発した今回の中東における軍事的緊張は、アメリカも加わることで、一層深刻で極めて緊張感の高い局面を迎えています。関係諸国は武力行使を止め、外交交渉を直ちに行うべきです。日本政府にはその実現に向け、尽力することを求めます。
2015年にイランと米英仏独中露の間で結ばれた「イラン核合意」は、対イラン制裁の緩和を図ることでイランによる核開発を制限しました。2018年、アメリカのトランプ大統領がこの合意から一方的に離脱したことに反発したイランは、核兵器に使用できる高濃縮ウランの大量生産に踏み切りました。今回のイスラエルによるイランへの攻撃が始まる前でも、イランが核爆弾の製造を始める決定は下されておらず、差し迫った脅威があるとは言えない状況だったと考えられています。
イランにとって今回の攻撃は、アメリカは外交に関心がないと判断するに足る行為であり、長期的には核兵器が抑止力として必要であると判断する可能性が高まります。今回のフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3ヶ所の攻撃によって、一時的にイランの核開発計画を後退させることができたとしても、その代償としてイランが核開発の再開を決意し、NPT体制からの脱退を検討させ、核兵器保有へとひた走る危険性を帯びています。
核拡散を防ぐには、アメリカ・ロシアなどの核保有国が、NPT6条にあるように、誠実に核軍縮を履行しようとする姿勢を示すことが必要です。イスラエルが事実上核保有に至っているにもかかわらず、イランの核開発のみを問題とした武力攻撃が行われる現状は、対立をいっそうエスカレーションさせ、戦争状態を悪化させるばかりです。核に「良い」も「悪い」もなく、存在することが安全への脅威であり、廃絶するしか道はありません。
原水禁は核兵器が存在し続ける限り、平和な社会の実現は困難だと訴えます。核兵器保有国と非核保有国があれば、保有していない国の安全を完全に保障することはできません。いつ使用されるかわからないというリスクが存在し続けます。現在の核をめぐる国際情勢は、「核抑止論」の矛盾と限界をまさに明らかにしているといえます。
被爆から80年を迎える今日、いまだ核兵器保有をめぐって対立と分断が起きている事実から私たちは決して目を逸らすことはありません。ヒロシマ・ナガサキが経験した凄惨な被爆の実相を直視することこそが、核抑止なる誤った考え方を乗り越えていく力を持つと信じ、世界平和の実現に向け、核絶対否定の原水禁運動を展開していきます。
2025年6月23日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之
2025年06月12日
2025年は被爆から80年を迎えます。80年前の8月6日広島、8月9日長崎で、それぞれ投下された原子爆弾により多くの命が奪われました。加えて、今日を迎えてもなお、その被害に苦しめられている被爆者がいます。被爆の遺伝的影響を含めて、今後いつまで続くかも見通すことができない被害の実態は、長い年月を経てもなお、原爆がいかに「非人道的」な兵器であったかを私たちに知らしめ続けています。
原水禁はこれまで、被爆の実相を原点に「核も戦争もない社会」を実現するために、それぞれの地域での運動を展開し、夏の原水禁世界大会を開催しながらそのおもいを共有してきました。いまだ核廃絶社会が実現できずにいる現状に忸怩たる思いを抱かずにはいられません。核をめぐる状況は大変厳しく、危機的であると認識せざるを得ません。
2024年のノーベル平和賞は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞しました。被爆者のみなさんが凄惨な体験を、具体的な言葉で語ってこられたことが、国際的に「核の非人道性」を確立させる大きな原動力となってきました。日本被団協をはじめとした被爆者のみなさんのこれまでのとりくみに、心よりの敬意を表します。ヒロシマ・ナガサキ以降、戦争によって核兵器が使われないでいる歴史は、今後も守り続けていかなければなりません。
日本政府は、核兵器禁止条約発効から4年を迎えた今日においても、いまだ署名・批准に前向きな姿勢を示すことはありません。アメリカの「核の傘」に守られている日本が、核兵器廃絶を願う国々と、核保有国との「橋渡し役」を担うことなどできるのでしょうか。被爆国である日本に対する国際社会の関心は高く、その言動や方向性については注目されていることは事実です。決して核抑止力を前提とした安全保障に拘泥することのない、世界平和の実現に向けた尽力が求められます。
これまで核実験被害や核の商業利用につながるウラン鉱石採掘等からの核被害者=ヒバクシャについても原水禁は連帯し、その事実に目を向けながら問題解決に向けてとりくんできました。核の商業利用である原子力発電について、日本政府は福島第一原発事故以降、その依存度を低減させる方針でしたが、第7次エネルギー基本計画において、「脱炭素」を理由に再び原発推進政策に舵を切りました。いまだ福島第一原発事故により避難を強いられている人が2万人を超えているのに、いったいなぜ原発推進なのでしょう。核燃料サイクルの中心である六ヶ所再処理工場は完工延期を繰り返し、原発で出た「核のごみ」はその行先さえも決まっていません。地震大国日本では「地層処分」が適しているとは思えません。
原水禁が訴えてきた「核と人類は共存できない」という理念は、核兵器だけに留まらず、すべての核絶対否定という明確なものです。その理念の実現に向けた日々の運動を、今後も継続して展開していかなくてはなりません。国内において、残された被爆者問題として最も解決が急がれる「被爆体験者」問題について、いまだ解決がはかれません。新たな医療支援制度が始まりましたが、「被爆体験者」は決して被爆者と認めないとする国の姿勢が明らかになったことで、長崎を中心に怒りの声があがり続けています。日本政府は直ちに「被爆体験者」は被爆者だと認めるべきです。
このような情勢の中で迎える「被爆80周年原水爆禁止世界大会」は、原水禁運動の積み重ねの中でも節目となる重要な大会となります。これまでの80年の月日の中で決して終わることなく被害が続いてきた事実と向き合いながら、世界のヒバクシャと連帯し、核も戦争もない世界を希求していきましょう。
詳細な内容は順次この記事(と個別記事)に追記していきますので、ご確認をお願いします。
【本大会のコンセプト】
①被爆の実相を原点としたヒバクシャの援護・連帯と核廃絶運動、それらの次世代継承を柱とします。
②核兵器禁止条約(TPNW)と核不拡散条約(NPT)による国際社会の核軍縮をめざします。
③東日本大震災・福島原発事故から学び、脱原発社会の実現をめざします。
【大会運営の基本ルール】
・これまでと同様に、「反核・非核で一致する」すべての人々に開かれたものとします。
・さまざまな立場の人たちが協同できる場とします。
・基本的な感染症対策の徹底により、開かれた大会が可能となるよう運営します。

デザイン:鷲尾友公さん
被爆80周年原水爆禁止世界大会・全体日程
本年の開催日程は下記のとおりです。
7月26日(土):
福島大会 13時~16時30分@福島市・パルセいいざか
〔全体集会と基調講演、原発現地からの報告〕
【広島大会】8月4・5・6日 →広島大会の個別ページはこちら(準備中)
8月4日(月):
折鶴平和行進 15時40分~@広島平和記念公園~広島県立総合体育館
開会総会 17時~18時30分@広島県立総合体育館・大アリーナ
8月5日(火):
分科会 9時30分~12時30分@市内会場
ひろば 14時~16時30分@市内会場
フィールドワーク〔定員あり・先着順です〕
8月6日(水):
国際シンポジウム 9時~10時30分@広島県民文化センター・多目的ホール
〔(同時通訳あり)〕
まとめ集会 10時30分~11時@広島県民文化センター・多目的ホール
→広島大会日程一覧(PDFファイル)(7月1日訂正)
8月7日(木):
開会総会 15時~17時@長崎ブリックホール・大ホール
8月8日(金):
分科会 9時30分~12時/14時~16時30分@市内会場
ひろば 14時~16時@市内会場
フィールドワーク〔定員あり・先着順です〕
8月9日(土):
閉会総会 9時~10時@長崎県立総合体育館・メインアリーナ
非核平和行進 10時15分~11時@長崎県立総合体育館~爆心地公園
→長崎大会日程一覧(PDFファイル)(7月10日更新)
大会への参加方法
(大会実行委員会構成団体以外の)個人・グループの方で参加される場合、下記の通りお願いします。
【福島大会】
直接大会会場(パルセいいざか)にお越しのうえ、受付をお願いします。参加資料代はおひとり500円です。
【広島大会】
大会資料や参加章、分科会整理券などをお渡ししますので、お手数ですが必ず大会現地事務局にお越しのうえ、参加登録をお願いします。参加費個人3000円(団体10000円)と資料代500円(団体の場合×人数分)です。なお、高校生は500円、中学生以下は無料です。
広島大会・現地事務局:自治労会館3階会議室(広島市西区横川新町7-22)
受付時間:8月3日(日)13時~17時/8月4日(月)9時30分~16時
【長崎大会】
大会資料や参加章、分科会整理券などをお渡ししますので、長崎ブリックホール2階ホワイエの受付にお越しいただき、参加登録をお願いします。参加費個人3000円(団体10000円)と資料代500円(団体の場合×人数分)です。なお、高校生は500円、中学生以下は無料です。広島大会から継続してご参加される場合は、長崎大会分の資料代500円を追加でいただきます。
長崎大会・登録受付:長崎ブリックホール2階ホワイエ(長崎市茂里町2-38)
受付時間:8月7日(木)9時30分~16時30分
大会基調
(準備中です)
大会パンフレット(討議資料)「2025核も戦争もない21世紀へ 核問題入門」

A5判・86ページ。頒価500円。申し込みはメールまたはFAXでお願いします。
大会グッズ
いずれも数量限定品です。
・Tシャツ

M/L/LL1800円、3L2000円
・手ぬぐい

1000円
・タオル

500円
2025年06月04日
政府が進める「核燃料サイクルの推進」政策は、原発を推進する一部からも合理性がないと批判されているうえに、これまでに22兆円超える税金が事業費としてつぎ込まれています。諸物価高騰、私たちのくらしが切迫している中で、青天井のように税金が使われようとしていることに疑問を感じます。いまこそ一旦立ち止まり、「国民的な議論」が必要です。
4月12日、日本教育会館一ツ橋ホールで「核燃料サイクルを考えるシンポジウム」を開催し、あらためて核燃料サイクル政策の破綻の現実を確認しました。
※「4月12日「核燃料サイクルを考えるシンポジウム」を開催(4/22報告動画掲載)」の報告記事はこちら
5月27日、シンポジウムの開催に向けて協同した実行委員会として、核燃料サイクル政策に関して日本政府(経済産業省)に要請を行い意見交換をしました。

要請書はこちら
議事録はこちら
対政府要請行動
2025年5月27日 15:00~16:00
衆議院第2議員会館第3会議室
次 第
国会議員あいさつ 山崎 誠(衆議院議員)
実行委員会あいさつ 谷 雅志(原水爆禁止日本国民会議)
要請文手交
要請および意見交換まとめあいさつ 松久保 肇(原子力資料情報室)
終了
日本教育会館一ツ橋ホールで4月12日に開催した、「核燃料サイクルを考えるシンポジウム」及び5月27日に行った要請行動・意見交換についてまとめた報告書は、以下よりご覧いただけます。
報告書データダウンロードはこちら