2022年声明申し入れ

米国の臨界前核実験に抗議し、核兵器廃絶を求める原水禁声明

2022年04月14日

アメリカが昨年6月及び9月に未臨界核実験を行っていたことに対して、原水禁は下記の抗議声明を発表しました。

米国の臨界前核実験に抗議し、核兵器廃絶を求める声明

2021年6月22日と9月16日に米国が臨界前核実験を行っていたと報じられています。核兵器廃絶をめざし運動に取り組んできた原水爆禁止日本国民会議は、このことに対し心の底からの怒りを込めて、強く抗議します。

米国は包括的核実験禁止条約(CTBT)をこれまで批准せず、未臨界実験を繰り返してきました。この間も、米国は核兵器の近代化のために欠くことのできないものとして、オバマ政権下で4回、トランプ政権下で3回の実験を繰り返してきました。このことがCTBTの意義を矮小化し、核兵器のリスクを高めることにつながっています。バイデン政権は、臨界前核実験を即時停止し、核兵器の近代化競争をやめるべきです。

ロシアのプーチン政権は、ウクライナへの軍事侵攻にあたって「ロシアは最強の核大国の一つ」と発言し、核兵器の使用をほのめかし各国を威嚇しています。核兵器の使用が、現実味を帯びてきている今日、ロシアと並ぶ核大国である米国は、そのような発言をいさめ、核兵器廃絶へのとりくみの先頭に立たなくてはなりません。それが唯一戦争で核兵器を使用した米国の果たすべき責任です。

トランプ政権以来核兵器の近代化政策が継続され、新型空中発射長距離巡航ミサイル(LRSO)や核弾頭W80-4の搭載、新型核弾頭W93の開発などに着手しています。これは、核兵器予算の削減や先制不使用宣言を検討しているとされるバイデン政権の方向性に沿うものではありません。バイデン政権が「核なき世界」への大胆なアプローチを示すことを強く要請します。

米国の核に依存する日本やNATO諸国は、米国の先制不使用や目的限定の宣言に強く反対しているとされています。さらに日本では、米国の核を共有する「核シェアリング」導入を唱える動きもあります。唯一の戦争被爆国であり、まがりなりとも国連での核兵器廃絶決議を自ら提案する国が核保有を求めることは、国際的信頼を失うことにつながります。

原水禁は、米国の臨界前核実験に強く抗議するとともに、核保有5か国が1月3日発表した「核戦争に勝者はなく、決してその戦いはしてはならないことを確認する」とした共同声明に立ち戻ること、そしてさらに真摯な議論を重ね「核兵器禁止条約」への参加をすすめることを要請します。同時に、日本政府に対しても「核兵器禁止条約」即時批准を求めます。

2022年4月14日
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
共同議長 川野浩一
金子哲夫
藤本泰成

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