1月, 2021 - 原水禁

1月23日、日米韓国際シンポジウムをオンラインで開催

2021年01月25日

 

1月23日開催「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」

 

1月22日の核兵器禁止条約発効を受け、日米韓の3人をパネリストに招き、同条約の「課題や展望」を中心にシンポジウムを開催しました。

緊急事態宣言下ということもあり、オンライン配信とし、海外のパネリストに生出演いただき、同時通訳での開催となりました。

 

条約の発効は、決して核兵器廃絶のゴールではなく、核兵器廃絶に向けた核軍縮のスタートです。冒頭のあいさつで、原水禁の川野浩一議長からは、「核兵器廃絶へ向けて歩みを止めてはいけない」と強い訴えがなされました。

 

シンポジウムでは、米国、韓国、日本の順に提起を行いました。

ケビン・マーチンさん(米国・ピースアクション)からは、 バイデン政権の誕生を軸にアメリカの核軍縮への姿勢が提起されました。

イ・ヨンアさん(韓国・参与連帯)からは、米韓合同軍事演習などの例が挙げられるとともに、朝鮮半島の非核化が一歩となると述べています。

秋葉忠利さん(日本・原水禁顧問/前広島市長)は、2040年までの核兵器廃絶に向けて、北東アジア非核地帯構想のほか、日本が米国への忖度をすることなく軍縮義務を全うすべきであると指摘しています。

それぞれの立場から、核兵器廃絶へ向けた議論を展開しています。

 

パネリストの資料等はこちらからご覧いただけます。

秋葉忠利資料(PDF)  ケビン・マーチン資料(PDF)  イ・ヨンア資料(PDF)  川野議長挨拶文(PDF)

 

引き続き、シンポジウムの動画については、YouTubeの「原水禁チャンネル」にてご視聴いただけます。

「日米韓国際シンポジウム―核兵器禁止条約発効後の課題と展望」

◆原水禁・川野浩一議長 挨拶

◆日米韓シンポジウム  米国・韓国・日本

◆原水禁・藤本泰成副議長 まとめ

 

 

※シンポジウム中、核兵器禁止条約を「TPNW」(Treaty on the prohibition of nuclear weapons)と表現しています。

※同時通訳で開催しております。そのため、部分的に、パネリストの英語の発言のみが聞こえている部分があります。

※冒頭1分10秒~3分00秒まで、音声の操作トラブルがはありますが、そのままお送りさせていただきます。

※操作トラブルのため、一瞬、画面が暗転する部分があります。

※配信トラブルのため、40分45秒~42分40秒まで、画面が暗転しますが、音声は流れております。 また、この部分で配信した動画は、以下のURLで原水禁チャンネル内に掲載しています。

https://youtu.be/B1Vve4tW24w 【Issues and prospects after TPNW, Presentation in Symposium by Tadatoshi Akiba】

 

 

また、今回、パネリストとしてご出演いただいたお三方は、被爆75周年原水爆禁止世界大会においても、講師を務めていただきました。

併せてご覧ください。

被爆75周年原水爆禁止世界大会 国際シンポジウム「核兵器廃絶と日本のプルトニウム」イ・ヨンア

被爆75周年原水爆禁止世界大会 第2分科会「平和市長会議と非核の未来」秋葉忠利

被爆75周年原水爆禁止世界 第2分科会「トランプ政権の核政策」ケビン・マーチン

原水禁チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCE9kPbD9CrNxSe9eF54nz3Q

また、シンポジウムに先駆けて、核兵器禁止条約の基本から学べる動画も公開しています。

 

核兵器廃絶に至るこれからの道 前広島市長・原水禁顧問 秋葉忠利「核兵器禁止条約」に関する動画を公開

「核兵器禁止条約」発効の意義と課題―今こそ、東北アジア非核兵器地帯を―湯浅一郎(ピースデポ代表)「核兵器禁止条約」に関する学習動画を公開

原水禁の核兵器禁止条約発効にあたっての議長声明はこちらをご覧ください。

核兵器禁止条約の発効にあたっての原水禁議長声明

 

2月4日 市民のエネルギー気候会議(オンラインで開催)のご案内

2021年01月27日

日本政府は、これからの日本のエネルギーのあり方を決める「エネルギー基本計画」の見直し議論を10月から始めています。見直しのプロセスを行っている、経済産業省の審議会(総合資源エネルギー調査会基本政策分科会)では、市民の声を届ける機会が非常に限られています。今、必要なのはエネルギーの生産・消費構造の変革とエネルギーシフトです。

「市民のくらしや未来に大きくかかわるエネルギー政策の見直しに、若者や女性、気候変動や原発事故の当事者の声を届けたい」

そんな思いから「市民の声を届ける場」として市民のエネルギー気候会議を企画いたしました。

 

市民のエネルギー気候会議 エネルギー基本計画自主的意見聴取会

日時:2月4日(木)14:00~16:00
場所:オンライン(本ページで閲覧できます)
主催:「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン
協力:阿部知子事務所、原発ゼロの会

 

事前質問の受付期間は終了となりましたが、当日オンラインでも質問をすることが可能です。

チャットでの質問をご希望の方は、以下の参加登録をお願いします。

zoom参加登録:https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_vB5s_LSkRby0gQvTnmuwCg

 

スケジュールは、以下の通り

趣旨説明
「あと4年」キャンペーン趣旨説明と省庁との質疑応答

事前提出質問をベースとした質疑応答

・今後のプロセスと市民参画について

・2030年までの排出削減目標について

・2030年の電源構成について

・原子力について

・二酸化炭素回収・貯留などについて

市民からの意見表明

 

登壇者は、以下の通り(予定・追加出演者調整中)

2月4日(木)14時〜『市民のエネルギー気候会議』開催!質問募集中!

2021年01月26日

「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンでは、来る2月4日にオンライン(YouTubeによる中継)で『市民のエネルギー気候会議』を企画しています。

開催にあたり、皆様からの質問を募集しています。

  • 質問内容募集中!1/27(水)まで!

2月4日に開催する「市民のエネルギー気候会議ーエネルギー基本計画自主的意見聴取会」で、市民からの質問を数問、政府(経済産業省、環境省、内閣府)の担当者に届けます。

ぜひ、この機会にみなさんの声・質問を届けてみませんか?

http://ato4nen.com/our-mtg/

 

イベント趣旨:

エネルギー基本計画の見直し議論が10月から始まりました。しかし、主な議論の場である経済産業省の審議会(総合資源エネルギー調査会基本政策分科会)は、委員の大半をエネルギー業界や産業界にかかわりのあるメンバーが占め、市民参加の機会も非常に限られています。そこでは、原子力の活用・研究開発の必要性や新しい技術に期待して化石燃料を使い続けることなどについて、多くの意見が出されています。

 しかし、今必要なのはエネルギー消費構造の大変革やエネルギーシフトです。市民のくらしや未来に大きくかかわるエネルギー政策の見直しに、若者や女性、気候変動や原発事故の当事者の声を届けたい・・。本来政府が意見聴取の場を設定すべきですが、それがないのであればと自主的に企画しました。

 

日時:2月4日(木)14:00~16:00

場所:オンライン(zoom+YouTube中継)*予定

主催:「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーン

協力:阿部知子事務所、原発ゼロの会

 

内容:

1.省庁との質疑応答
 事前提出質問+みなさんから募集する質問
2.市民からの意見表明

 

質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。登壇者のご案内、参加方法等は、後日改めてご案内します。

ato4nen.info@gmail.com

 

参考)キャンペーンからの事前提出質問はこちら:

1.今後のプロセスと市民参画について

(1)エネルギー基本計画見直しにあたっては、できるだけ多くの、多様なステークホルダーの意見を聞く必要があります。そのために、パブリックコメントだけでなく少なくとも全国各地での意見聴取会を開催すべきと考えますが、今後の予定はありますか。

(2)特に、若い世代や女性、気候変動や原発事故の影響を受ける当事者の声のヒアリングは重要と考えますが、今後の予定はありますか(現在の分科会委員は平均年齢が60歳超、最年少50歳、多数が男性です)。

 

(3)内閣府に「国・地方脱炭素実現会議」が設置されましたが、この会議の内容や自治体の動きについて、エネルギー基本計画の議論に反映させる予定はありますか。

 

2.2030年までの排出削減目標について

(1)世界の気温上昇を1.5℃までに抑えるということは、エネルギー基本計画の議論の中でどのように位置づけられているでしょうか。また、1.5℃を超えてしまった場合の日本への影響や被害に関する議論はあるでしょうか。

 

(2)1.5℃目標のためには、2030年までに世界全体の温室効果ガス排出を2010年比で45%以上削減しなければならないと警告されています。歴史的責任も負う先進国日本としては、それ以上の削減が必要と言えますが、2030年の削減目標についてどのように検討し、どのようにエネルギー基本計画の議論に反映する予定でしょうか。

 

3.発電コストの検証について

(1)原子力をはじめとする発電コストについて、2015年の「コスト等検証委員会」報告書の数字がいまだに使われていますが、その後すべての発電方法において状況が大きく変化しています。再検証の必要性についてどのように検討されているでしょうか。
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/pdf/cost_wg_01.pdf

4.再生可能エネルギーについて

(1)2030年の電源構成についても、上記の排出削減目標を実現するように見直す必要があります。エネルギー需要を大幅に減らしたうえで、再生可能エネルギーの割合は少なくとも50%以上、2050年には100%を目指していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

(2)2030年には再生可能エネルギー40~50%、2050年には100%も可能だというシナリオも示されていますが、これらのシナリオを参照・採用するに際の課題は何でしょうか。

 

5.原子力発電について

(1)東電福島第一原発事故の被害がいまだに続く現状において、発電時のCO2排出のみを見て原子力を「クリーンな電源」とすることは現実に反しています。今後利用すべきでないという市民の声は世論調査などでも示されています。原子力については、事故被害の全容とコストについて、改めて検証する必要があると考えますが、その予定はあるでしょうか。

 

(2)原発事故の賠償費用や既存原子炉の廃炉費用など、原子力にかかる追加コストが電気料金や託送料金で回収されています。国民負担・消費者負担がなければ成り立たない発電方法を「コストが低廉」とすることは矛盾していないでしょうか。

 

(3)原子力発電の40年を超えた稼働、新増設や新型炉の開発、核燃料サイクルについては、放射能汚染、地域との不調和、莫大なコストなどの点から、進めるべきではないと考えます。また実際に実現性がきわめて低い現状がありますが、今後どのように検討・検証していくでしょうか。

 

 

6.石炭火力発電、火力発電について

(1)1.5℃目標達成のためにはOECD加盟国は2030年には石炭火力を全廃すべきとされています。しかし「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」ではカーボンリサイクルや水素・アンモニア利用などと組み合わせて2050年に石炭火力を含む火力発電を使い続ける方針がすでに示されています。脱炭素の実現に明確に反するのではないでしょうか。

 

(2)石炭火力を含む火力発電を使い続けながらカーボンリサイクル等を行うための高額なコストや研究開発に必要な時間、不確実性を考えれば、既存技術をベースとした本的なエネルギーシフトにこそ資源を投入すべきではないでしょうか。2つの方向性の比較検討をどのように行うのでしょうか。

高校生平和アクション「ピースブックリレー」

2021年01月25日

原水禁が支援する高校生平和大使、高校生一万人署名活動が、「核兵器禁止条約」の発効を記念して動画を作成しました。

日本全国16都道府県(17箇所)、そして海外の高校生が協力し合い、平和の思いがつながったものとなっています。

今回公開された動画は、総勢100名を超える高校生が出演し、企画立案から編集・公開に至るまで、全て高校生が行っています。

冒頭は「核兵器禁止条約」の解説から始まり、その後、それぞれの思いを表現していく作りとなっています。

 

「高校生1万人署名活動・高校生平和大使」については、こちらをご覧ください

(長崎ホームページ) https://peacefulworld10000.com/

私たち高校生は、核兵器廃絶を世界に訴え続けています。今回発効が決まった「核兵器禁止条約」は私たち高校生1万人署名活動にとっても大きな一歩となりました。 核廃絶のために私たち高校生1万人署名活動は日々署名活動を行ってきました。集めた署名は毎年、高校生平和大使がスイスにある国連欧州本部に届けています。今までに届けた署名数は200万筆を超えました。 しかし、新型コロナウイルスの影響で私たちの1万人署名活動も自粛が続いています。そこでオンライン署名を始めました!皆様のご理解とご協力よろしくお願いします。

 ※「高校生一万人署名活動」オンライン署名

https://peacefulworld10000.com/signature

全国でも私たちの活動が広がっており、各都道府県のSNSで日々の活動がシェアされています

【全国の公式アカウント】は、YouTube内の動画解説部分に掲載しています。

インスタグラム、Twitterなど、活動地域別のSNSが存在しています。

 

コロナ禍において、街頭での署名活動は難しくなっていますが、それぞれの地域で工夫し、活動を行っています。

引き続き、ご支援をお願いします。

 

1月23日、核兵器廃絶NGO連絡会が全国同時中継イベントを開催

2021年01月25日

「核兵器禁止条約発効記念 東京・広島・長崎 全国同時イベント 核なき世界へスタート!」

核兵器禁止条約が、2021年1月22日に発効しました。核兵器が国際法でついに違法化されることを、広島・長崎の被爆者の方々とともに祝い、これを「核なき世界」へのスタートとするために、東京・広島・長崎そして全国をオンラインでつないでイベントを開催しました。

上記のYouTubeリンクより、配信したイベント本編をご覧いただけます。

そのほか、以下のリンクで、本編のほか、海外の方々から寄せられたメッセージなどをご覧になれます。

https://nuclearabolitionjpn.wordpress.com/

 

【プログラム】
●第1部 :東京
司会:林田光弘(ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー)
ビデオメッセージ:
中満泉国連事務次長
エレイン・ホワイト コスタリカ大使
ペーター・マウラー赤十字国際委員会総裁
ベアトリス・フィン ICAN事務局長
サーロー節子
発言:
田中煕巳 日本被団協代表委員
田部知江子 日本反核法律家協会理事

●第2部:広島
挨拶:
湯崎英彦県知事
松井一實市長
被爆者代表の挨拶:
箕牧智之
佐久間邦彦
5名の若者による取組発表

●第3部:長崎
トーク「いかそう核兵器禁止条約」
髙田明 (株)A and Live 代表取締役
田上富久市長
進行 中村桂子 長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授

●まとめの全体セッション
まとめの言葉:遠藤あかり 明治大学大学生
「すすめ」アクション

【形態】
東京、広島、長崎の3会場でのイベントと、オンラインでのライブ配信
・配信は、本ページからご覧になれます

【主催】
東京:ヒバクシャ国際署名連絡会、核兵器廃絶日本NGO連絡会
広島:広島被爆者7団体(※)、公益財団法人広島YMCA、広島県生活協同組
合連合会、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)、NPO法人ANT-Hiroshima、
平和首長会議(広島平和文化センター)
長崎:「ヒバクシャ国際署名」をすすめる長崎県民の会、長崎市

※広島被爆者7団体とは:広島県原爆被害者団体協議会【坪井理事長】、広島県原爆被害者団体協議会【佐久間理事長】、広島市原爆被害者協議会、韓国原爆被害者対策特別委員会、広島県朝鮮人被爆者協議会、広島県労働組合会議被爆者団体連絡協議会、広島被爆者団体連絡会議

このイベントは、核なき世界基金の支援を受けて実施されました。

【お問合せ】
核兵器廃絶日本NGO連絡会
Email: nuclear.abolition.japan[at]gmail.com
Web: https://nuclearabolitionjpn.wordpress.com/

国の責任を不問とした東京高裁判決を許さない

2021年01月24日

国の責任を不問とした東京高裁判決に対する原水禁議長声明発出について

1月21日、東京高裁は、東京電力福島第一原発事故で、群馬県などに避難した住民が、国と東京電力に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、国の責任を認めた一審の前橋地裁判決を覆し、国の責任を不問とした。
これを受け、原水禁議長声明を発出致しましたので、ここに掲載いたします。

 

 

国の責任を不問とした東京高裁判決を許さない(原水禁声明)

 

1月21日、東京高裁(足立哲裁判長)は、東京電力福島第一原発事故で、群馬県などに避難した住民37世帯91人が、国と東京電力に約4億5,000万円の損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、国の責任を認めた一審の前橋地裁判決を覆し、国の責任を不問とした。一方で東京電力には、原告90人に約1億1,972万円の賠償を認めた。国と東京電力に合わせて62人、3,855万円の賠償を命じた一審の前橋地裁判決より救済範囲を広げたものの、原告の要求からは程遠い。
国と東京電力を被告とした高裁判決は、2020年9月の仙台高裁に続くものだが、国と東京電力の責任を問えるかどうかの判断は分かれた。仙台高裁の判決は、双方の責任を認めたが、今回の判決では、国の責任を不問とした。
両訴訟では、2002年7月に国の地震調査研究推進本部が公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」をめぐって、津波の襲来予測と事故回避の可能性が争われた。仙台高裁の判決では、国の専門機関が明らかにした「福島沖で巨大地震が起きる可能性がある」との長期評価の信頼性を認め、東京電力と国が適切に対応していれば被害を避けられたとした。しかし、今回の東京高裁判決では、長期評価の前提となる「約400年間に3回の津波地震の発生」について異論があったほか、2002年1月に土木学会原子力土木委員会が公表した「原子力発電所の津波評価技術」の知見とも整合しないことを理由に、巨大津波の襲来を予見できなかったとし、「長期評価」の知見を前提に津波対策を講じても原発内への津波の浸水を防止はできなかったとして、「津波対策に関する国の対応に問題があったと認めることは困難だ」とした。
しかし、国や東京電力が、津波の可能性を警告する「長期評価」を無視し、経営を優先して原発事故のリスクを軽視し対応を怠ったことは事実であり、原子力災害を招いた責任から逃れることはできない。
現在20件余りにもおよぶ同様の裁判が進行し、今後も国と東京電力の責任が追及される。そこでは、当事者が真摯に責任を省みることが求められている。
原発事故被害者への賠償は、政府の原子力損害賠償紛争審査会が定めた指針に基づいて進められてきたが、今回の判決においても不十分であることが指摘された。同様の判断は、他の訴訟でも繰り返されている。事故から10年を経た現在においても、被害者の納得する賠償が進んでいなことは、きわめて問題である。東京電力は、審査会の指針以上の賠償を拒否し、原子力損害賠償紛争審査会の調停案にも異議を唱え、福島地裁の和解勧告さえもはねのける姿勢に終始し、被災者からの訴訟が相次いでいる。政府も、避難指示解除にともなって避難者へのさまざまな賠償や支援を次々と打ち切っている。避難者の置かれている実態を考慮せず、一方的に切り捨てようとする姿勢は、許せない。
私たちは、避難者、被災者への誠実な賠償と支援を強く求めると同時に、国の責任を不問とした東京地裁判決に強く抗議する。

2021年1月24日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一

【ご紹介】大阪平和人権センターからの書籍のご案内

2021年01月26日

【ご紹介】大阪平和人権センターからの書籍のご案内です。

稲岡宏蔵著「核被害の歴史 ヒロシマからフクシマまで」のご紹介

大阪平和人権センター加盟団体の「地球救出アクション 97」より、標記の本の寄贈を受け、紹介を依頼されましたので、皆様にご紹介いたします。

(本の内容については、添付の「目次」および「稲岡宏蔵著『核被害の歴史 ヒロシマからフクシマまで』について(紹介)」をご覧ください。)

定価3600円(税別)のところ、 大阪平和人権センターを通して購入を希望される場合は 1冊3000円となります。

 

稲岡宏蔵著『核被害の歴史 ヒロシマからフクシマまで』について(紹介)

 

現役時代からの知人である稲岡美奈子さんの連れ合いの稲岡宏蔵氏が標記の本を書かれたので、これを紹介したい。さて、著者の「稲岡宏蔵」氏はいわゆる「有名人」ではないので、まずはじめに彼を紹介する必要があるが、私自身この本に記されている以上のことは知らないので、この本の中から引用して紹介に代える。

「筆者は長崎へ原爆が投下される4年前、1941年に長崎市の爆心地から約2㎞の銭座町駅近くで生まれ、原爆投下前に現在の諫早市に疎開していた。父は勤務先の爆心地から約4.5㎞の造船所で被爆しその日のうちに長崎市を縦断し、急性障害に苦しんだ。祖母の実家は爆心地から500m、現在、長崎大学医学部のグラウンドになっているところにあり、全滅した。原爆の翌日にその地に入った祖父母、叔母は入市被爆し、祖父母は早く亡くなった。

筆者は直接原爆の被害を受けていないが、60年間、科学者、市民として反戦、反核、平和運動に参加する中で、自分も長崎原爆の生き残りの1人だと思うようになった。」

また、運動とのかかわりについては、次のように記述されている。

「筆者は1960年大阪大学理学部に入学した。入学時はちょうど安保闘争の高揚さなかであり、学生自治会のクラス委員から大阪府学連の役員となったのが筆者の政治活動の始まりだった。それから物理学の研究者になり、核実験反対、反核・平和、反原発、被爆に反対する運動が生涯の活動の中心になった。」

 

さて、この本の内容についてであるが、この本の内容は『核被害の歴史』というよりも『核廃絶運動の中での論点の考察』とでもいうべきものである。私が理解するところでは、問題のキーワードは「平和的生存権」ということにある。この「平和的生存権」は、日本国憲法前文の「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」に由来するものである。この「平和的生存権」の考え方については私も完全に同意する。稲岡氏は核廃絶運動の中での論争を考察して、この「平和的生存権」にたどり着いたのではないかと思われる。詳しい論点はこの本の中に記載されているので是非検討してほしい。

とはいえ、私から見れば、この「平和的生存権」というのは、「戦争(原爆)の惨禍を経験した日本国民の「二度と戦争はゴメンだ」という深い国民的心情を、「・・・権」と少々スマートに言い換えただけに過ぎないのではないか、とも思える。

それはそれとして、重要な問題点は、この「平和的生存権」が日本国憲法に「われらは、・・・確認する。」と、憲法理念の根幹として書かれてはいても、国際的にはまだ「基本的権利」として承認されていないことにあるのではないだろうか。どうすればこの「平和的生存権】が基本的権利として認知されるようになるのだろうか。そこに国民運動の課題があるのではないだろうか。さらに、今なお疑問に感じるのは、平和運動・反核運動の側が、どうして長らくこの「平和的生存権」の意義に気づかなかったのだろうか、ということである。もっと早く運動の総意として確認されていたら、いろんな局面での運動展開も違っていたのではないか。

 

この本によって私の疑問が完全に解消されたわけではないが、この本を機に、稲岡宏蔵氏の考察から学び、さらに認識を深めたいと思う。

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大阪平和人権センター事務局次長 太田保

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Twitterストームにご協力ください #原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します

2021年01月26日

#原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します

 

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\緊急ツイッターアクション0126/

国のエネルギー政策に声をあげよう!

このままだと原発拡大!?温暖化対策はどうなるの!?

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東日本大震災から10年がたとうとしていますが、まだ原発事故は収束していません。

一方、地球温暖化は深刻化し、すでに「気候危機」として現実化しています。

日本の原発・温暖化対策の鍵を握るのは、政府の委員会で検討中の「エネルギー基本計画」。その委員会では、「原発の新増設の準備を始めるべき」、「原発の運転年数を60〜80年に」など、危険な原発を進める発言が相次いでおり、温暖化対策についても消極的です。

エネルギー政策は、一部の企業や業界関係者のものではなく、みんなのためのものであるはずです。気候変動を解決に向かわせ、安全な未来を手に入れることのできる内容に変わるよう、私たち市民の声を届けるアクションに、ぜひご協力ください。

 

1.ゴール

たくさんの人が一斉に「#原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します」と添えてエネルギー政策についてツイートすることで、ツイッターのトレンド入りをめざします。

このアクションによって、多くの人の目にとまったり、マスメディアで紹介されたりする可能性も出てきます。議員や行政、委員会の委員に「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再エネ100%の気候・エネルギー政策を求める」市民が大勢いるんだということをアピールしましょう!

*過去には、ハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」のように、ツイッターでトレンド入りし、世論が動き、メディアに紹介され、政府の対応が実際に変わった例もあります。

2.アクションの日時

2021年1月26日(火)18:00〜21:00

3.アクションの方法

時間になったら、自分のツイッターから「#原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します」という共通のハッシュタグを含めて、気候・エネルギー問題への思いをつぶやいてください。1回だけでなく、複数回つぶやいても大丈夫です(なお、まったく同じ文面を繰り返しツイートすることはできません)。

また、他の人の「#原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します」ツイートをリツイートしたり、いいねしたりして拡散・応援してください。

全文コピー&ペーストではなく、メッセージと共にハッシュタグを入れるようにして下さい。

ツイートの際、画像もご利用ください。以下よりダウンロードできます。

https://drive.google.com/file/d/14xoaAkYnM23-JFj_OxN-6FbI2A6ug5bA/view?usp=sharing

https://drive.google.com/file/d/1XURqYCV9-lfdcFAWAr15CyjeTGkSc8aS/view?usp=sharing

https://drive.google.com/file/d/14JfHWo9dHFNpPCzq_WTVLkaEPPvK7jbR/view?usp=sharing

 

4.Q&A

1)どうしてこのタイミングなの?

政府が「エネルギー基本計画」についての議論を行っているタイミングだからです。とても大切なことが話し合われ、決められようとしているのに、世の中ではあまり話題になっていません。

2)例えば、どんなツイートをしたらいいの?

脱原発や地球温暖化など、エネルギーについての思いや意見、それに疑問・質問でもOKです。「#原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します」を添えて、自由につぶやいてください。例えば、次のようなツイートが考えられます。

東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故からまもなく10年。危険な原発も、温暖化につながる化石燃料も使わない、サステナブルな再エネ100%の気候・エネルギー政策を求めます。 #原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します #あと4年未来を守れるのは今

自然エネルギー100%の社会は、危険な原発も温暖化もない社会。空気がきれいな社会。雇用のチャンスの多い社会。地域で経済が循環する社会。子どもたちのために、よりよい未来をつくりたい。 #原発と石炭火力ありきのエネ計画に抗議します #あと4年未来を守れるのは今

3)ツイッター?使ったことないからわからない…

よかったらこの機会にはじめてみませんか?ツイッターは無料で利用できますし、気候・エネルギーの専門家や著名人、NGOの発信をタイムリーにキャッチすることができます。パソコンからでも、スマートフォンからでも投稿できます。(繰り返しになりますが)なんといっても無料です。

ツイッターの始め方の説明はこちら→https://help.twitter.com/ja/create-twitter-account

 

5.お知らせ

2月4日(木)14時から16時まで、イベント『市民のエネルギー気候会議』をオンラインで開催予定です。詳細は後日ご案内します。

引き続き、「あと4年・未来を守れるのは今」にご注目ください!

 

お問い合わせはこちら

ATO4NEN事務局 ato4nen.info@gmail.com

1月23日「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」を開催します

2021年01月19日

 

原水禁は、核兵器禁止条約発効を受け、課題を整理するとともに、世界がどのように変化していくかを展望し、これからの原水禁運動のあり方を提起します。

その様子は以下の通り、オンラインでご覧いただけます。

 

「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」

(1)日時:2021年1月23日(土)10:00~12:00

(2)内容:

① 主催者あいさつ 川野浩一議長

② 日米韓国際シンポジウム

(3)パネリスト

日  本:秋葉忠利さん(原水禁・顧問)

アメリカ:ケビン・マーティンさん(ピースアクション)

韓  国:イ・ヨンアさん(参与連帯)

(4)コーディネーター:藤本泰成さん(原水禁・副議長)

(5)YouTube原水禁チャンネルにて、生配信いたします。

原水禁チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCE9kPbD9CrNxSe9eF54nz3Q

配信のULRを拡散いただく場合は、こちら https://youtu.be/9lJFxYBZVYM

また、シンポジウムに先駆けて、核兵器禁止条約の基本から学べる動画も公開しています。

 

核兵器廃絶に至るこれからの道 前広島市長・原水禁顧問 秋葉忠利「核兵器禁止条約」に関する動画を公開

「核兵器禁止条約」発効の意義と課題―今こそ、東北アジア非核兵器地帯を―湯浅一郎(ピースデポ代表)「核兵器禁止条約」に関する学習動画を公開

原水禁の核兵器禁止条約発効にあたっての議長声明はこちらをご覧ください。

核兵器禁止条約の発効にあたっての原水禁議長声明

 

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