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被爆74周年原水爆禁止世界大会参加・賛同の呼びかけ

2019年06月17日

 

被爆74周年原水爆禁止世界大会参加・賛同の呼びかけ

 

 

 

第二次世界大戦の終結から74年が過ぎてなお、世界各地で戦争や紛争、テロが繰り返され、人権が蹂躙され、多くの市民が亡くなり、傷ついています。ヒロシマとナガサキの惨状を引き起こした核兵器は、未だ大量に存在し、人類にとって破滅的状況を引き起こす脅威であり続けています。東西冷戦が終わった現在も、核兵器保有国は、核軍縮に向けた努力を怠っています。核も戦争もない平和な21世紀の実現に向けたさらなる努力が、私たちに求められています。

 

2017年7月7日、「核兵器禁止条約」は、国連において122カ国・地域の賛成多数により採択されました。世界の人びとの核兵器廃絶を求める声に後押しされて、賛成国は、署名・批准をすすめ発効に向けて努力を続けています。しかし日本政府は、唯一の戦争被爆国でありながら、「核兵器保有国と非保有国の対立を生みかねない」として、その成立に後ろ向きの姿勢をとり続けています。2020年には、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれます。核兵器保有国を交えて、核兵器廃絶に向けた国際的議論を行う場とするために、市民社会もとりくみをすすめなくてはなりません。

 

米ロ間で結ばれていた中距離核戦力全廃条約(INF)は、2019年2月の米国の離脱によって、原水禁世界大会の直前に失効を迎え、世界はあらたな不安定要因を抱えることになります。現在、米トランプ政権は、米中ロによる新たな枠組みについて言及していますが、先の見通しは不透明と言わざるを得ません。

 

米中ロの核兵器をめぐる軍事的緊張情勢は厳しくありますが、一方で朝鮮半島の非核化に向けた外交交渉は幾度の困難を経ながらも、継続しています。東北アジアの非核地帯構想の実現に向け、私たちの努力が一層求められています。「核と人類は共存できない」との立場から、あらゆる国のあらゆる核に反対して、平和を求める声を上げ続けてきた原水禁運動の真価がまさに問われています。

 

被爆から74年、被爆者の高齢化がすすむなかで、「国家補償」や「原爆症認定」、「被爆体験者」「在外被爆者」「被爆二世・三世」への援護の実現など、残された課題の解決を早急に図らなければなりません。

 

また、2011年3月の福島原発事故から8年が経過していますが、いまだ4万人を越える人々がきびしい避難生活を余儀なくされています。政府は、年間被ばく線量の制限を20Svに緩和して、帰還するのが当たり前であるかのように、避難指示解除準備区域や居住制限区域の解除を強引に行い、被災者の切り捨てをすすめています。核の「商業利用」がもたらした被害の実態を明らかにし、事故の風化に抗し、被災者と連帯するとりくみをすすめていかなくてはなりません。

 

安倍政権による立憲主義と民主主義、平和主義を破壊する暴走が続いています。原発再稼働・核燃料サイクル路線の推進に加え、戦争法制定、辺野古新基地建設の強行など、民意を無視した横暴な強権政治が行われています。さらに、自衛隊を憲法に位置づけようとする憲法改悪も狙っています。今まさに、憲法に規定され戦後社会の根幹であった、日本の平和と民主主義が最大の危機を迎えています。

 

本年8月、私たちは、核兵器廃絶、脱原発、ヒバクシャへの援護・連帯の実現とともに、平和と民主主義を守り、「いのちと人権」が尊重される社会をめざしてきた原水禁運動の到達点を踏まえ、被爆74周年原水爆禁止世界大会を開催します。多くの皆さんに、原水禁世界大会への賛同と結集を心から呼びかけます。

 

軍事利用と商業利用の別を問わず、「核社会」そのものの本質を問い、「核と人類は共存できない」との原点に返って、「核も戦争もない平和な21世紀」をともにつくり上げましょう。

 

 

 

2019年5月30

 

被爆74周年原水爆禁止世界大会実行委員会

 

実行委員長  川野 浩一

 

 

 

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