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被爆73周年原水爆禁止世界大会・大会宣言

2018年08月09日

1945年8月6日広島に、9日長崎に、米軍機によって投下された2発の原爆は、一瞬にして二つの都市を壊滅させ、その年の暮れまでに21万4千人余の命を奪いました。原爆投下後の地獄を生き抜いた人々も、原爆後障害や差別と偏見、経済的貧困など、筆舌に尽くしがたい苦難の道を歩んできました。
また、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、多くの人々の命を奪いました。さらに東京電力福島第一原発の事故により、大地は放射性物質で汚染され、多くの原発被災者を生み出しました。事故から7年以上経った今でも、被災者は放射能による健康不安に怯え、5万人近くの人々は、苦しい避難生活を余儀なくされています。様々な形で人権が侵害されています。
ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ。核の軍事利用と商業利用によって引き起こされた、二つの「核」の惨禍の被害と脅威は、チェルノブイリやスリーマイル島、そしてオーストラリア、ビキニ環礁なども含め、様々な場所で明確に存在しています。原水禁は、ヒロシマ・ナガサキの被爆者救済・支援の運動を展開し、国の責任を追及してきました。そのことの成果を共有し、チェルノブイリなど世界の人々の闘いとも連帯し、一刻も早い核時代からの脱却をめざします。
1万5千発とも言われる核兵器は、いつでも発射できる状態にあり、偶発的な核戦争や核爆発も懸念されています。戦争被爆国であるにもかかわらず、安倍政権は、核兵器廃絶に後ろ向きで、「核兵器禁止条約」に反対し、米・トランプ政権の核戦力の強化をめざす新たな核政策を、積極的に支持しています。私たちは、日本政府に対して、被爆者の思いに寄り添い、早期に核兵器禁止条約を批准することを求めます。
これまで緊張関係が続いていた東北アジアでは、朝鮮半島をめぐって南北首脳会談・米朝首脳会談が行われ、対話と協調を基本に、平和と非核化に向けた一歩を踏み出しました。私たちが求めて来た「東北アジアの非核兵器地帯」の実現に向けてのとりくみを開始し、そして非核三原則の法制化と「潜在的核保有」と批判されるプルトニウム利用政策の放棄を実現します。
一方、安倍政権は、国会における多数を背景に強引な政治を行っています。安倍政権の横暴は、集団的自衛権の行使を容認した安保関連法の制定や共謀罪の新設、沖縄の辺野古への新基地建設の強行などの様々な分野にわたり、平和や民主主義を破壊し、力の外交を基本に東北アジアの緊張を高めています。
安倍政権は、歴史修正主義をもって、戦後日本社会が選択した平和主義を破壊し、戦争をする国に変えようと憲法改「正」にまで踏み込もうとしています。このような動きを、私たちは決して許しません。
弱者を切り捨て、いのちや平和、人権を蔑ろにする安倍政権は、脱原発の世論が高まっているにもかかわらず、福島第一原発の事故の責任も取らず反省もなく、その被害も過小に評価し、被害者への支援も切り捨て、一方で次々と原発の再稼働をすすめています。脱原発社会を求める闘いを強化し、国の責任を明確にして福島事故被害者への補償と支援を勝ち取ります。
私たちは、今大会を通じ、「核」と向き合い、その廃絶にむけた確信と展望を確認しました。核兵器廃絶を求め、核被害への補償と支援を求め、平和を求める世界の人々と連帯し、「核と人類は共存できない」「核絶対否定」の原水禁運動をさらに発展させていきます。「核も戦争もない平和な社会」をつくるため、地域や職場において、それぞれの立場から運動を進めていきましょう。

ノーモア ヒロシマ ノーモア ナガサキ ノーモア フクシマ

                                                                       ノーモア ヒバクシャ ノーモア ウォー

2018年8月9日
被爆73周年原水爆禁止世界大会

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