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被爆73周年原水爆禁止世界大会 福島大会「フクシマ アピール」

2018年07月28日

フクシマ アピール

 東京電力は今年6月、福島第二原子力発電所全基の廃炉を検討することを明らかにしました。福島では、東電福島第二原発の廃炉は、「国と東電の被災者及び県民に対する償いであり、原発事故の責任を明らかにさせることにつながる」として、「第二原発即時廃炉」を県民総意の運動として行ってきました。この東電の廃炉検討表明は、原発事故以来ずっと継続してきた県民運動の成果であり勝利といえます。しかし、廃炉の時期や工程も示されていません。今後も、第一原発の事故収束と第二原発の即時廃炉の実現に向けた運動を継続すると共に、被災者の生活再建を国と東電の責任で行うことを求め続けていかなければなりません。

今世界では、福島の原発事故の甚大な被害を教訓に、脱原発の方向にエネルギー政策を転換する国が増えています。しかし日本では、国と電力会社が全国の原発で再稼働を進めています。重大な原発事故による過酷な被害の事実と、7年以上が経過しても元に戻せないフクシマの現実を直視し、原発のない社会の実現を展望した運動を進めなければなりません。国の原発推進政策をやめさせ、エネルギー政策の転換を強く求めていかなければなりません。

2011年3月、東電福島第一原発事故により、福島とその周辺県で多くの人々が被ばくしました。福島県では県民健康調査が行われていますが、本来原発を国策として進めてきた国が、責任もって健康管理や調査を行うべきです。当時18歳以下だった子どもや若者を対象に行われている甲状腺検査は、7年が経過するなかで、18歳以上の受診率が低下し、「調査の縮小」の議論も出されています。今も人々の健康不安は大きく、被ばくした事実としっかりと向き合い、国および県に対して責任を持った健康管理と医療、生活保障を求めていかなければなければなりません。原子力規制委員会は、県内の中通り・浜通りの地域の空間線量が0.23μSv/h(年間1mSv)を下回っている地域のモニタリングポストを撤去し、浪江町等12市町村に移設する方針を示しました。モニタリングポストは、見えない放射線量を確認できる唯一の装置です。県民の健康不安に向き合うことが重要であり、そのためにも設置を継続させることが必要です。
除染によって生じた大量の除染廃棄物の中間貯蔵施設への輸送が進められています。しかし、除染廃棄物及び特定廃棄物の処理処分については将来的な見通しは立っておらず、放射性物質を新たに拡散する危険性を含む汚染土壌の再利用など、様々な問題が生じています。国は7月にトリチウムを含む汚染水を保管しているタンクを撤去し、跡地にデブリの保管場所を整備する方針を出しました。タンク内のトリチウムの処分方法として、多くの問題を含んでいる海洋放出が有力案としてあげられています。放射性物資の自然界への放出を容認することはできません。

フクシマの悲劇を二度と繰り返さないためにも、フクシマの被害の実相を共有し、全国の原発再稼働反対の運動につなげていきましょう。「核と人類は共存できない」ことを原点に、原発も核も戦争もない平和な社会の実現に向けた運動を、全国の仲間と共に進めましょう。

2018年7月28日

被爆73周年原水爆禁止世界大会・福島大会

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