2017年分科会報告原水禁大会原水禁大会 2017年

広島大会 第6分科会「ヒバクシャ2-在外被爆者と戦争責任」

2017年08月05日

広島大会 第6分科会「ヒバクシャ2-在外被爆者と戦争責任」
広島6.JPG
講師:平野伸人(韓国の原爆被害者を支援する市民の会)
海外ゲスト:カク・キフン(韓国・元韓国原爆被害者協会会長)
山下泰昭(メキシコ・在外被爆者)
参加者 36名
 海外ゲスト2名と韓国の原爆被害者を支援する市民の会から平野伸人さんを講師として招き、ヒロシマ・ナガサキの原爆被害者や在外被爆者の現状と、いまだに残る課題について討論を行いました。初参加の方が多数おられましたが、皆さん熱心に聞き入り、積極的に発言できる雰囲気の中で有意義な分科会となりました。
初めに、韓国原爆被害者協会の元会長であるカク・キフンさんから、1910年の韓国併合から強制徴用されたこと、また被爆してから被爆後遺症の支援にいたるまでの辛い経験をスピーチいただきました。
次に、長崎県出身であり、被爆したことを契機にメキシコへ移住された山下泰昭さんから後遺症に苦しめられた過去を語っていただきました。
次に、平野さんから被爆者の残された課題として、「原爆症認定問題」「被爆体験者・黒い雨地域等の被爆地是正の問題」「被爆二世・三世問題」「在外被爆者問題」の4つの課題が残されていると提起されました。また、政府は戦争責任として認識しておらず、社会保障としての対応をしており、あらためて二度とヒバクシャをつくらない、二度と戦争をしないことを確認しました。
 会場からは、二世・三世についての社会的差別・偏見についての質問や、原爆症・被爆者健康手帳の認定についての質問など活発な討論が行われました。差別・偏見は特には感じなかったとしながらも、援助があるかないかの観点から、被爆者にはなりたがるが、二世にはなりたがらないとした回答が印象的でした。
カク・キフンさんは韓国に帰ってからの差別はないと回答しましたが、植民地支配に組み込まれてしまった立場もあり、デリケートな問題として今後の課題でもあるとしました。原爆症等の認定問題に関しては、これまでの取り組みの成果により認定基準が見直されたものの、被爆者の思いとは大きな差があり、現在でも100件以上の裁判が続けられています。
最後に、これらが今後も引き続いての課題であることを確認し、閉会となりました。

TOPに戻る