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長崎大会第7分科会 被爆二世・三世問題を考える

2014年08月12日

長崎大会第7分科会
ヒバクシャ3―被爆二世・三世問題を考える

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最初に長崎県被爆二世の会会長の尾育朗さんが「私たち被爆二世の運動の取り組みと課題」と題して提起を行った。被爆二世協の取り組みは、自身の健康問題解決と、被爆の継承と核兵器の廃絶、戦争絶対反対の闘いとして、福島との連帯を図りながら、国家補償に基づく被爆者援護法の成立をめざしていると話された。
次に、全国被爆二世団体連絡協議会事務局長の平野克博さんが「被爆二世問題解決のためにどう取り組むか」と題して話をされた。広島市・長崎市在住の被爆二世に対して、放影研が行った調査(2000~2007年、回収率50%)により、「現時点においては、被爆二世の健康問題については、親の被爆との因果関係は認められない」と結論付けられた。この報告を踏まえて、国(厚労省)は依然として、放射線の影響を認めずに、がん健診の法制化には至っていない。今後、被爆者とは異なり、中途半端な状況に置かれている二世問題の解決に向けて、超党派の議員懇談会の結成や新たな署名活動の実施などに加えて、組織強化・拡大なども行いながら取り組みを進めていくことについて報告を受けた。
続いて、全国被爆二世団体連絡協議会副会長の崎山昇さんが「フクシマとの連帯とどう取り組むか」と題して、報告を行った。
二世協として、再びヒバクシャをつくらないことを基本に各種の取り組みを行ってきた中で、フクシマで新たなヒバクシャが生まれたことを受けて、フクシマとの連帯を組織として取り組むことを確認した。具体的には、福島への原発事故・被曝実情調査団を派遣して、現状を確認した上で、フクシマと被爆二世の共通課題である①科学的知見の克服(国は放射線起因性がないと援護しないことへの対応)、②次世代の問題、③差別の克服、の解決に向けた取り組みを行っていくこと。対政府交渉に二世協も参加して、福島の問題も含めて、健康手帳の発行と健康と生活の保障を勝ち取る、との報告があった。
参加者とのやりとりでは、「二世協だけの取り組みでは限界がある。被爆者(被団協)と連携しながら、取り組みの一本化をはかることが重要である」「福島原発事故問題や運動の継承が重要」などについて発言がされた。
最後に、被爆二世が運動を推進していくことが、福島との連帯にもなり、核兵器の廃絶への実現につながることを全体で確認。今後、国の責任がどこにあるのかを追及し、来年の被爆70周年を契機に、二世三世の課題解決をめざす取り組みを強力に推進してことを確認した。

(報告=中国ブロック・桝本康仁)

 

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