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長崎大会第4分科会 東北アジアの非核地帯化と日本の安全保障政策

2014年08月12日

長崎大会 第4分科会
平和と核軍縮2-東北アジアの非核地帯化と日本の安全保障政策

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塚田晋一郎さん(ピースデポ)が「『軍事力によらない安全保障体制』への模索」、前田哲男さん(軍事評論家)が「集団的自衛権の行使容認と東北アジア」と題して講演した。
塚田さんは、核兵器をめぐる世界の状況について、「冷戦時代は約7万発の核兵器も、現在は17000発となった。非国家主体(テロリスト)が核兵器を使う時代だ。国連加盟125か国が、核兵器の『非人道性』を謳う共同声明に署名、日本も賛同した。核兵器禁止条約も作る流れができつつある」として、核兵器のない世界に向けてすすんでいると述べた。また、3(日本・韓国・北朝鮮)+3(米国・ロシア・中国)による軍事力によらない安全保障の枠組みとしての「北東アジア非核兵器地帯」の構想こそ現実的なアプローチであると指摘した。
前田さんは、「安倍政権は軍事力による安全保障を模索し、『対立と威嚇』を演出している」と指摘し、集団的自衛権行使容認の閣議決定について、「あくまでも内閣の意思表明である。世論の半数以上が『反対』『説明に納得でない』と答えている。これからの自衛隊法などの『法改正』を阻止するたたかいをすすめよう」と訴えた。
続いて、海外ゲストのポール・マーチンさん(アメリカ・ピースアクション)が「日本は、1992年のPKOで自衛隊派遣を可能にし、9.11以降、インド洋への派遣やイラク派遣などアメリカの圧力で侵略戦争に参加してきた。しかし、米国人は日米同盟強化に無知である。原水禁・ピースアクションで核のない世界を」と訴えた。
次に、イム・ピルスさん(韓国・社会進歩連帯)は、日本の集団的自衛権行使容認について、「韓国政府は、基本的に同意し、注視するという立場を表明している。マスコミも憂慮するとしながらも、基本的に政府と変わらない姿勢を示している」と指摘したうえで、「行使容認を既成事実として見ていることが問題であり、こうした政府の姿勢を糾弾し、日本の9条を守る運動と共同する歩調を取っていきたい」と述べた。
各地報告では、長崎(佐世保地区労)から、8月1日に佐世保に入港した原子力空母ジョージ・ワシントンについて、「日米軍事一体化の強化をめざし、市民に慣れさせるものだ」として、寄港反対九州ブロック集会などの反対行動について報告があった。
また、沖縄からは、辺野古新基地建設阻止のたたかいについて、「辺野古の海に18年間、くい一本うたせないできた。昨年12月に仲井真知事が埋め立てを承認してから、既存施設の解体工事やボーリング調査のための資材搬入などを行っている。ゲート前の監視行動の時間ははずし、深夜2時に大型トレーナーによる海上阻止行動を阻止するためブイ設置のための資材搬入を行った。また、ゲート前には「鉄板(殺人パット)」を設置した。24時間体制でのたたかいを非暴力でがんばる。沖縄と連帯した行動を」と呼びかけた。
神奈川からは、原子力空母の横須賀港配備について、「41年も配備され、『核密約』により核兵器持ち込みも明らかになった」として、「2015年の原子力空母ロナルド・レーガンへの交代を機に、母港化撤回の運動を強化したい」と述べた。また、オスプレイについて、「『沖縄の負担軽減』を口実に、東日本への飛来が相次いでいる。危険な転換モードでの飛行を市街地上空で行うなど合意違反である。オスプレイ配備させないたたかいを全国で展開しよう」と呼びかけた。
(報告=北海道・長田秀樹)

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