声明申し入れ

JCO臨界事故 14周年集会アピール

2013年09月29日

 1999年9月30日に起きたJCO臨界事故では、わずか1ミリグラム程のウランの核分裂で、発生場所から350メートル圏内の住民避難、10キロ圏内の31万人の住民に屋内退避が発せられ、周辺住民を含む667人が被曝し、大量の放射線を浴びた2人の労働者が死亡しました。その後、事故の真の原因はあいまいにされたまま、「原子力事故は必ず起こる」という教訓さえ生かされず、残念ながら2011年3月11日の東日本大震災によって福島第1原発事故が発生してしまいました。
 福島第1原発事故は、経済効率を優先し、安全性をないがしろにしてきた結果、生じた人災であり、政府、電力会社など、原子力を推進してきた全ての者の責任をきびしく問わねばなりません。事故から2年半経ったいまでも事故は収束せず、原子炉内で融け落ちた核燃料も把握できないばかりか、放射能汚染水の海洋流出も明らかにされ、「(汚染水の)状況はコントロールされている。完全にブロックされている」と述べた安倍首相発言とは程遠い状況が続いています
 さらに、福島県だけでも、未だに15万人におよぶ人々が故郷を奪われ、避難生活を余儀なくされ、約400万人が「放射線管理区域」レベルの汚染地で生活を強いられています。
 一方、原発メーカーの利益を優先させる原発輸出推進の動きや、7月8日には原発の新規制基準が施行され、「はじめに再稼働ありき」の過酷事故対策の先送りや例外扱いが目立つ中で5原発10基が再稼働を申請しました。日本原電は7月12日に、東海第2及び敦賀1号・2号の再稼働申請を目指す意向を表明し、「安全対策」と称したフィルター付きベントと防潮堤工事を地元自治体への事前連絡もなく開始したことは、原電の経営重視・住民無視の姿勢を示すものであり、許されることではありません。
 昨年に続き、記録的猛暑となった今夏も原発がなくても電気は十分足りていることが明らかであり、電力会社の利益誘導のための再稼働は反対していかなくてはなりません。
 9月15日の大飯原発4号機の定期検査で再び、国内の全原発50基が運転を停止しました。今こそ「全停止から全廃炉へ」と日本の原発政策をやめさせる絶好のチャンスです。

 私たちはJCO臨界事故14周年にあたり、あらためて次のことをアピールします。

○「核と人類は共存できない」現実を踏まえ、全廃炉、脱原発を進めましょう。
○すでに破綻している「プルトニウム利用政策」からの脱却を図り、エネルギー政策を転換させましょう。
○臨界事故を語り継ぎ、JCO健康診断事業を継続させましょう。
○首都圏の「命」を守るために、危険な日本原電・東海第2原発の再稼働を一刻も早く断念させ、長期に渡る廃炉作業をスタートさせましょう。

2013年9月29日  JCO臨界事故14周年集会参加者一同

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