声明申し入れ

もんじゅ及び関連の研究開発の中止と予算の見直しを求める要請(文科省)

2013年09月27日

2013年9月27日

文部科学大臣 下村博文 様

もんじゅ及び関連の研究開発の中止と予算の見直しを求める要請

 日頃の文部科学行政への真摯な対応に敬意を表します。
 さて、貴省が管轄する日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」と略)の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、1万数千点もの機器の点検漏れが発覚しました。原子力規制委員会は、原子力機構の度重なる安全軽視の姿勢に対して、6月29日に再発防止にむけた安全管理体制が確立されるまで運転再開の準備作業を行わないこととする使用停止命令を出すことをだしました。原子力機構は、このような状況を放置したまま、「年度内再開」を求めていたことは問題で、安全に対する認識の甘さが厳しく問われるものです。さらにその後、9月16日にもんじゅにつながる唯一の県道(避難路として唯一)と敷地内の道路で相次いで土砂崩れが発生し、9時間も孤立しました。さらに同日、今年6月に続き、原子炉の状況などを監視する国の緊急時対策支援システム(ERSS)へのデータ送信が止まりました。18日にはナトリウム漏れ検出器が人為ミスで監視不能になるなど、停止しているいまでも安全面で様々な問題が多発しています。
 動燃時代に、もんじゅや東海再処理工場アスファルト固化施設等の事故・情報隠しで、安全文化の欠如が問われながら、それから20年近く経ったいまでも事業者の安全意識が希薄なことは大きな問題です。福島原発事故で原子力の「安全神話」が崩れ、さらなる安全・安心を追求しなければならないのが原子力事業者の立場であるにもかかわらず、様々なトラブルを起こし続けていることは、原子力を扱う資質そのものが問われるものです。
 もんじゅは停止中にもかかわらず1日約5500万円の維持費がかかるといわれ、今回の停止命令で運転再開そのものがますます不透明になり、ムダな経費がさらにつぎ込まれようとしています。そのもんじゅに2014年度概算要求として、本年度当初予算174億円からさらに21億円上乗せした195億円を計上し、概算要求としています(今回の概算要求には運転再開費は盛られておらず2015年以降となります)。さらに原子力機構がもつ研究施設に対する新規制基準に対する対策費として74億円を計上しています。
 もんじゅは、これまで2兆円もの巨費を投じながら実用化への目途もたっていないのが現実です。原型炉・もんじゅの後継となる実証炉は、もんじゅとはまったく違った設計概念で描かれており、もんじゅの存在意義すら否定されています。更に運転は2015年以降となっており、その実現性すらあやういものです。そのようなもんじゅにこれ以上研究開発に経費を投入することの意義は見出せません。
 もんじゅに関連して茨城県東海村にあるリサイクル機器試験施設(RETF)は、約830億円もかけて建設が進められましたが、2000年に建設を中断したままとなっています。この施設も維持費に毎年数千万円が使われています。会計検査院でさえムダな施設として指摘し新たな活用法を検討すべきだとしていますが、いまだその答えすらないまま貴重な血税がいまも投入され続けています。
 私たちは、これ以上先の見通しのない高速増殖炉開発に貴重な税金を投入することは許されないと強く訴えます。福島原発事故の収束に全力をあげ、英知と資金そして人材を投入すべき時に、このようなムダに貴重な資源を投入することは国際的にも許されるものではありません。さらに安全文化の欠如した原子力機構に、これ以上高速増殖炉開発を担う資格はないと考えます。国民的信頼を何度も裏切ってきたこれまでの姿勢を見れば、これがそう簡単に変わるものではないことは明らかです。
ついては、以下に要望します

1. 高速増殖炉開発への研究開発を中止を求めます。
2. もんじゅの廃炉とともに関連するリサイクル機器試験施設の閉鎖を求めます。
3. もんじゅ関連の概算要求を根本から見直しを求めます。

原水爆禁止日本国民会議 印略
原子力資料情報室 印略
原子力発電に反対する福井県民会議 印略
ストップ・ザ・もんじゅ 印略
反原発運動全国連絡会 印略
脱原発とうかい塾 印略
茨城平和擁護県民会議 印略
反原子力茨城共同行動 印略

連絡先
原水爆禁止日本国民会議
東京度千代田区神田駿河台3-2-11連合会館1F
電話 03-5289-8224
FAX  03-5289-8223

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