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原水禁世界大会・長崎大会が開幕 全国の高校生平和大使も参加

2013年08月07日

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被爆68周年原水爆禁止世界大会は、広島から長崎に移り、8月7日に開会総会が開かれ、1600人が参加しました。長崎県内を回る「反核平和の火リレー」によるオープニング、被爆者など核の犠牲者への黙とうを捧げた後、川原重信・長崎実行委員長が開会あいさつを行いました。
主催者あいさつに立った川野浩一・大会実行委員長は「長崎を最後の被爆地にとの願いもむなしく、福島原発事故が起きてしまった。そして、68年経っても様々な問題が解決していない。全ての核の廃絶しか私たちの未来はない」と述べるとともに、長崎の高校生を中心とした反核・平和の活動を紹介し、「私たちにはまだ希望が残されている。3日間の大会を通して、そのことを確認しよう」と呼びかけました。
連合を代表し連帯あいさつを行った高橋睦子・連合副事務局長も「核廃絶と国家補償を求めて、2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて運動をともに進めよう」と訴えました。また、来賓の長崎市長の田上富久さんは「核兵器の非人道性を指摘する多くの国の決議に日本が賛成しなかったことは遺憾だ。各地域から非核宣言を具体化する活動をすすめよう」と強調しました。
大会基調の提案を藤本泰成・大会事務局長が行い、「破綻した原子力政策、エネルギー政策の転換を」など、核兵器の廃絶、原発再稼働の阻止、被爆者の多くの問題解決に向けての討論を進めようと呼びかけました。

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特別ゲストとして、来日しているアメリカの著名な映画監督のオリバー・ストーンさん(上左写真左)と、アメリカン大学歴史学教授のピーター・カズミックさん(同右端)が参加。二人はアメリカによる日本への原爆投下について「すでにソ連の参戦が決まった段階で日本は降伏することがわかっていたので、原爆を使う必要は無かった。それでも使ったのはソ連への対抗のためだ」と述べました。「アメリカは核兵器の廃絶はできるのか」という質問に、オリバー・ストーンさんは「アメリカは冷戦終了後も核兵器を増大し続けてきた。それをただしていける国はどこにもない」と、悲観的な見方をしました。これに対しピーター・カズミックさんは「私は市民の力に希望を持っている。それには核や戦争にもっと怒る必要がある。特に日本人は今の反動的な政治にもっと怒るべきだ」と訴えかけました。
18歳の時に爆心地からわずか1.8キロの地点で被爆し、奇跡的に一命を取り留めた築城昭平さんが、その時の凄惨な状況の証言に立ち、「明後日の長崎原爆の平和祈念式典でも証言するが、その時には、核の非人道性決議に署名しなかった事に抗議したい。また、福島原発事故から、原発の再稼働や原発輸出は許せないと言いたい」と決意を語りました。
福島原発事故の状況について、渡部英明・福島県平和フォーラム事務局長が「事故から2年半が経過するが、事態は何も変わっていない。除染も中間貯蔵も進んでいない。40万トンを超える汚染水が溜まって、一部は海に流出している。原発は原爆と同様に、人道に反するものであり、世界から無くさなければならない」と指摘しました。
平和へのメッセージの最後に、若い力として、高校生国連平和大使と高校生1万人署名活動実行委員会の70人が登壇(上右写真)し、第16代大使に選ばれた12都道県の20人全員が抱負を語りました。また、署名運動も13年間で累計で100万人を越え、本年度分は8月20日に欧州国連本部を訪ねる高校生平和大使から届けられることになっています。

集会は最後に、長崎実行委員会のみなさんのリードで「原爆を許すまじ」を合唱し、長崎大会の開会を宣しました(写真上)。大会は8日に分科会などでの討議・学習やフィールドワークなどが行われ、9日に閉会総会と非核平和行進を行います。

 

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