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止めよう再処理!共同行動ニュース11/28号の記事から

2012年11月28日

再処理撤退の政治決断を!
再処理工場もMOX燃料加工工場もいらない

使用済み核燃料は満杯
 今月26日、柏崎刈羽、大飯、玄海の各原発から使用済み核燃料約19トンが六ヶ所再処理工場に運び込まれました。貯蔵量が3000トンしかない六ヶ所再処理工場では、貯蔵量が2937トンにものぼり満杯に近づいています。このまま再処理工場が完成し稼働しなければ、各地の使用済み核燃料をこれ以上受け入れることが困難となってしまいます。同時に、各地の原発は大飯原発を除いて止まっている状態ですが、再稼働していけば、当然使用済み核燃料が発生し、各地の貯蔵プールも満杯に近づくことになります(表を参照)。満杯になれば、原発そのものを動かし続けることができなくなります。
 どちらにしても、六ヶ所再処理工場が完成し、「順調」に稼働し続けなければ、原発は早晩行き詰まってしまいます。はたしてそれは、できるのでしょうか。いまだ2兆円を超える巨額の費用をつぎ込んでも、完成の日の目を見ない六ヶ所再処理工場は、これまでも何度も何度もトラブルを起こし、完成時期を19回も延ばしています。そのような施設が「順調」に動き続けるとはとうてい考えられません。
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ガラス固化体に未来はない
 現在、六ヶ所再処理工場は、完工を来年10月として、それにむけて「安定運転・性能確認」を確かめるガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験を行うために、11月19日、高レベル廃液ガラス固化建屋 ガラス溶融炉(B系列)のガラス固化試験の開始に向けて熱上げを開始しました。この熱上げ完了には2週間程度要するとのことで、熱上げ完了後、模擬ビーズによる流下確認を行い、その後、12月上旬には本格的な製造試験を開始し、約1ヵ月で30本の高レベル放射性廃棄物ガラス固化体を製造するとされています。また計画では、これまでトラブル続きだったA系列のガラス溶融炉でも来春以降に同様の試験を行うとされています。この「安定運転・性能確認試験」を終え、国の使用前検査に合格すればやっと工場完成となるとのことです。しかしこのガラス固化体製造施設が、これまで何度でも指摘しているように欠陥施設であり小手先の改良では対処できないのは、これまでのトラブルを見れば明らかです。
 日本原燃は9月に今年10月の完工をあきらめ19回目の延期を発表し、工場の完成時期を来年10月と泥縄的に1年間延期しました。しかし例え完成しても、できあがった高レベル放射性廃棄物を何処にも処分できず、取り出されたプルトニウムの使い道がない現実があります。
 国は、原発の使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物などのバックエンド(後処理)問題について「逃げずに正面から取り組む」(11月2日/枝野幸男経済産業相)と発言をしていますが、その受け入れ先の選定すら見通せない状況にあります。さらに日本学術会議からは、処分できる「安定した地層を見つけるのに困難」と指摘され、高レベル放射性廃棄物の現行の処分方針の「見直し」が提言されています。そのような中で、行き場のない高レベル放射性廃棄物を作り続けることは、無責任としか言いようがありません。
 高レベル放射性廃棄物も行き場がなく。再処理工場の使用済み核燃料貯蔵も満杯になり、各地の原発を動かせば使用済み核燃料が生み出され、貯蔵プールも満杯になってくるという悪循環でしかありません。核燃料サイクルはどう転んでも最後は行き詰まるしかありません。

ムダなMOX工場の建設をやめろ!
 再処理工場で生み出されたプルトニウムは、「原発ゼロ」を求める声が政治の中でも台頭する中、その利用先もますます不透明になっています。期待の高速増殖炉開発も頓挫し、その中でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX燃料)として普通の原発で燃やすプルサーマル計画も原発そのものがまともに稼働できるかどうかと言われる中で、その計画でさえまったく不透明です。その中でもあえていま、MOX燃料の加工工場(六ヶ所村)が今年4月から工事を再開しています。
 現在、工事の進捗率は2.8%。燃料加工建屋の基礎部分の掘削工事が完了しただけで、すでに2016年3月の完成はほぼ不可能という現状にあります。さらに、仮に完成しても、その時点でMOX燃料を使用する原発があるのかどうかは、まったく明らかにされていません。そもそもどれだけの原発が動いているかも不透明な中で、建設だけが進められている事自体が問題です。国の原子力政策は、今後も紆余曲折が続き、「脱原発」へ政策の方向性が強まれば強まるほど、MOX燃料工場をはじめ核燃料サイクルの必要性が失われていきます。
 これ以上ムダな投資をしている余裕はいまの電力会社にないはずです。MOX燃料工場の建設費は約1900億円と見込まれていますが、すでに工事の遅れに伴うコストがさらに膨らむことが予想されています。福島原発事故の収束に全力を上げ、ヒト・モノ・カネを集中するべきときに、使い道のないMOX燃料加工工場などを建てている場合ではないはずです。福島原発事故の収束を遅らせるだけです。
 再処理もMOX加工工場も地元とのこれまでの関係と約束だからとずるずる事業を続けることは、まさに「国益」にも反することです。地元への配慮も含め、核燃料サイクル政策の根本的な転換と事業からの撤退の政治決断がいま求められています。

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