2010年分科会報告原水禁大会原水禁大会 2010年

【報告】長崎第2分科会/平和と核軍縮2―交流・討論編―東北アジアの非核化と日本の安全保障政策

2010年08月08日

会場:長崎市・長崎ブリックホール3F国際会議場

第2分科会は、『東アジアの非核化と日本の安全保障政策』ということで、冒頭、基本ル-ルと基調の提案を終え、始めに舟越耿一さんから提起を受けた。その内容は『NPTにおける新聞報道での被爆者の渡米に対する意見は米国紙の意見は様々だが反核のメッセ-ジが伝わっていないことを始め、核の威力は伝わっていても、その被害の実態が伝わっていないことや、被爆証言も米国からすれば逆に被害意識もあり拒否される中で「核兵器をなくすこと」だけでなく「戦争をなくすという視点での取り組みの重要性など触れられ、そういう中で戦争をなくすという事は、一国だけの意識では成立はしないし、日本や朝鮮・東アジアが平和でなければ日本の平和も成立しないこと」など述べられました。

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左から前田哲男さん、舟越耿一さん

 また、海外ゲストのスヨルさんからはプロジェクタによる説明も含め『天安艦事件を含む米国・韓国の対応と、その中で、どう天安艦事件を理解すべきかというとの背景をアンケ-ト調査を基に、韓国での地方選挙への利用や、反面、軍事衝突の危惧、イ・ミョンバク大統領の対応への支持にもつながっている中で、天安艦事件によって周辺国の軍事力増強につながっている事、こうした事から天安艦の沈没という結果のみにとらわれるのではなく、背景にある対立や敵対的政策など歴史的結果として捉え、支配階級の連携以上に、私たちの側の連携を強めていく事が課題』ということが述べられていました。
また、前田哲男さんからは、『普天間基地問題を始め、この1年の中での期待から失望へと変化している民主党政権の動きの中でも旧政権に戻さない取り組みの重要性や、この間の安全保障の歴史、そこから、私たち自身の安全保障を考える上で、地球ぐるみの安全の課題である環境やエネルギ-など、様々な分野の安全保障として地球規模での安全保障の必要性などにも触れられ、一方では「自由を守るために抑圧される」という現在の安全保障というジレンマの中で、我々が真に安心できる安全保障をどのように具体化をしていくのか、共通の安全保障の策定していく事がこれからの課題である』ことなど触れられてきました。
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海外ゲストのスヨルさん(右)

<質疑>
□神奈川ではヘリ空母が造船されている。2番艦、3番艦では3万トンクラスのもの。なぜ、こんなものが作られる。必用なのか疑問を持つ。政権は変わり様々な追求をしても予算は減らない。
□多面的な安全保障の問題として、東アジアをどうしていくのか?東アジアで安全保障についていかに盛り上げていくのかが課題になっていると感じた。
□普天間基地問題は8月には「方向を出す」と言われている。今後どうなっていくのか。憲法を変えようと思えばいつでも変えられる。地元に帰った時に憲法を守らせる取り組みも大切だと感じた。署名などやりながら一軒一軒話を聞いたりもしている。マスコミから色々言われている中で説明をしていく。何を具体的にどんな事をやればろうかいいだろうか。
□侵略戦争・被爆者が何によって生み出されているのか考えさせられた。イラク戦争などでも労働者が失業となれば軍隊にはいらざるを得なくなる矛盾など、そこも含めて考えていかなければならない課題ではないか。
<答弁>
■特に中国からの留学生も多く、就職斡旋も多くなっている。少子高齢化など日本の将来に見て、そうした事もおきている。日中間での相互移住という中で英語ではなく、多言語でお互いに教えあっていた。その時とても交流が進んだ。多言語主義で平和の溝も超えられる。東アジアでも多言語主義というのはものすごく緊密な関係になれるものだと感じた。
■憲法9条など草の根運動として継続していくことが必要。もう一つは25条との関係で生存権があるのに、一方では派遣切り・失業が横行している。それを保障する権利もある。
■8月までに結論となっているが、そのまま実施計画になるという事ではない。技術的な問題も出てくるが、それ以降となる。普天間基地問題については「何をもって解決か」という事もあるが少なくとも沖縄に海兵隊は必要ないという意見は米国内でもある。
<各地報告>
神奈川より、核密約の問題が明るみに出る前は、核兵器積んでいるのか積んでないのかわからないまま、原子力空母ジョージワシントンの母港化がされた。見直しに向け取り組みを強めている。また、修理の問題もあり、修理・メンテナンスという事で放射性物質の移送など、危険な作業も発生している。また、神奈川では知事が安保50周年記念式典を神奈川へ誘致している。抗議・撤回を求めている。
<運営委員感想等>
最後に、各運営委員より感想として『核兵器だけでなく戦争そのものをなくすという視点に学んだ』『歴史を知り、謝罪し、戦争を起こさないために共同して取り組むことが必要』だと感じた『平和の取り組みについて東アジアを始め共同してやっていかなくてはならない事を感じた』など出され、川野浩一原水禁議長の感想として『心の中で様々な気持ちもある。それは核の問題でも職場の問題でも同様。今日は様々な事を学んだ』が出され、閉会挨拶となった。

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