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全国被爆二世団体連絡協議会が厚労省交渉行う

2010年01月28日

 全国被爆二世団体連絡協議会は1月26日、厚生労働省と、原爆被爆二世への援護対策についての交渉を行いました。

 冒頭、崎山昇副会長が原爆被爆二世の援護を求める要請書と「原爆被爆二世の援護を求める署名」の追加集約分約8000筆を、厚生労働省原子爆弾被爆者援護対策室の和田室長に手渡した後、要請事項について交渉しました。

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 厚生労働省と交渉

 参加者からは、被爆二世が平均年齢63歳とすでに「がん年齢」に達しており被爆二世健康診断でのがん検診実施実現が喫緊の課題であること、「被爆には遺伝的影響はない」とする科学的知見がない以上国として責任ある援護対策を行うべきであることなどが次々と訴えられました。

 しかし厚労省側は、がん検診などについて問題意識は共有しているとしながらも、遺伝的影響を示す科学的知見がないなかでは予算獲得は難しいという従来の回答を繰り返すに留まりました。

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署名を手渡す
 

 こうした対応に、「原爆被爆二世の援護を求める署名」が約37万筆に達し、被爆二世への援護実施は国民的な要望であって、厚労省は単に予算の必要性を示すことが難しいと言うだけではなく、被爆二世と協力しながら予算獲得に向けて努力をしていくべきではないかとの声も上がりました。

 最後に、今後も被爆二世の課題について協議を深めていくことを確認しました。


2010年1月26日

厚生労働大臣 長 妻  昭 様

全国被爆二世団体連絡協議会

会 長   山 崎 幸 治

「原爆被爆二世の援護を求める」要請書

1945年8月6日、9日広島と長崎に投下された原子爆弾は20万人以上の人々を殺傷したばかりか、生き残った被爆者にも放射線による後遺症という苦しみを背負わすことになりました。しかも、原爆の恐怖は、被爆者のみにとどまらず、それらの被爆者を父や母・祖父母として生まれた「被爆二世・三世」の問題として引き継がれてきました。

 原爆被爆二世は、今、全国に30万人とも、50万人とも存在するといわれています。被爆者と同じような苦しみ、悩みはそのまま次世代へと引き継がれてきています。

 これまで、政府・厚生労働省は被爆二世・三世の「健康実態調査」を拒み、対策をおろそかにしてきました。被爆二世に対する国の施策も、わずかに年1度の健康診断が実施されているにすぎません。

 わたしたちは、原爆被爆二世の援護をすすめるために、以下のことを求めます。

1.「被爆者援護法」を国家補償と被爆二世への適用を明記した「被爆者援護法」に改正すること。
 ⅰ被爆二世健康診断に、がん検診を加え充実させること。
 ⅱ検診の結果に応じた医療措置を行うこと。
 ⅲ被爆二世の実態調査を行い、被爆二世へ「被爆二世健康手帳」を発行すること。

2.放射線影響研究所の「被爆二世健康影響調査」について国として責任ある対応を行い、被爆二世の援護対策に生かすこと。

3.外国人被爆二世等の在外被爆二世に対する「被爆二世検診」については、居住国の医療機関で受診できるような措置を講じること。

4.在外被爆者に被爆者援護法を適用し、被爆者の平等な援護を行うこと。
 

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