原水禁大会原水禁大会 ~2009年~2009年

メッセージfromヒロシマ2006報告

2006年08月05日

願いよとどけ~核も戦争もない未来に生きたい~

熱く盛り上がりました!

被爆61周年「メッセージfromヒロシマ2006」は6回目を迎えました。
昨年までと同様、実行委員会は高校生を中心に結成され、企画・運営を行いました。
海外、全国から広島を訪れ、資料館などで原爆の被害について見学を終えた子どもたち約400人が参加しました。

美しいオープニング

オープニングは去年と同様、広島の朝鮮初中高級学校、高級部舞踏部の皆さんによる民族舞踊「巫女の舞」で始まりました。独特で荘厳さを感じさせる音楽と華麗な踊りに、子どもたちは真剣に見入っていました。
踊り終えたあと、ティー・チュニョンさんから「これからも、舞踊を通してもっともっと交流を深め、少しでも多くの人たちに何か感じてもらえるようにがんばって練習を続けていきたいと思います」とお話がありました。

笑顔いっぱいに踊ってくれました。

笑顔いっぱいに踊ってくれました。 笑顔いっぱいに踊ってくれました。
さて、今年の司会は、広島の実行委員で高校3年生の坂本圭奈子さんと、東京の実行委員で大学生の山田裕子さんです。総合司会の八尋麻子さんが二人を紹介し、元気よく舞台に登場しました。

歌って踊ってピース!

実行委員のメンバー紹介で第1セクションは始まりました。実行委員は全員、手作りの黄色のお花を頭につけての登場です。
委員を代表して岩本貴裕さんが「みなさんも平和について一度は考えたことがあると思います。今日は僕たちと一緒に、その思いを世界へ伝えていきましょう」と呼びかけました。
そして、緊張気味の子どもたちをほぐすため、鬼祭りおどり「うらじゃ」レッスン開始です。
「戦争に使うエネルギーを祭りに使って、みんなで仲良くなっちゃおう」という気持ちを込めて踊ります。実行委員の踊りを見ながら、ひとつひとつ振り付けを覚えていきました。
サビの振り付けは、周りにいる友達と手をつないで輪になって、「ハイハイハイハイ!」といいながらくるくる回ります。初めはぎこちなく動いていた子どもたちも、慣れてくると少しずつ笑顔が増えていくのが分かりました。

「核廃絶の壁」をみんなでつくろう

踊りが終わると、次はピースモニュメントの制作にとりかかりました。実行委員会からひとりずつに、木のブロックとマジックが配られました。そして、そこに自由に平和への思いを文字や絵で書き込みます。今年は、ドイツの高校生たちが始めた核廃絶キャンペーンに連動して取り組みました。
木のブロックが配られると、じっくり考えながら慎重に書いていく子、すぐに思い浮かんで絵や短いメッセージを書く子、急いで描き終えて友達の作品を見て回る子など、それぞれに作業を楽しんでいました。
その間に、松田卓也さんが会場をまわって、書き終えた木のブロックのメッセージを紹介していきました。

全国のお友達からのメッセージ

第3セクションは全国から参加している子どもたちの紹介です。北海道から沖縄まで、12人の代表が一言メッセージを発表してくれました。

北海道のSさん
まずは北海道のSさん。「どうして大人は戦争をするんですか?子どもは戦争をしたくありません」と訴えました。

山形県からTさん
つづいて、山形県からTさん。「今、世界でたくさんの子どもたちが泣いています。戦争、テロ、飢餓。そんな子どもたちのために私たちは広島から祈りたいと思います」

三多摩のKさん
東京の三多摩から参加のKさんは、「私たちの未来は私たちがしっかり見守り、つくっていきたいと思います」と決意を語ってくれました。

生活クラブ神奈川のKさん
生活クラブ神奈川のKさんは、「みんなで日本を大切にしたいと思います」と

神奈川県のTさん
つづいて神奈川県からTさん。 「私たちの住む神奈川には基地があり、そこから戦闘機が世界に出ていっています。もうこれ以上血を流させてはいけないと思います。神奈川へ戻ったら、同級生や友だちに平和の尊さを伝えます」と、現在も日本がアメリカの戦争に協力し続けている状況を伝えてくれました。

埼玉県のYさん
そして、埼玉県から参加したYさんは、「核が一日でも早くなくなるように、これから平和の行事にたくさん参加したいと思います」

群馬県のKさん
群馬県からはKさんが発表しました。「私たちにできることは、戦争の愚かさと平和の大切さを後世に伝えていくことだと思います」

長野県のIさん
長野県からはIさん。「今も世界中のどこかで争いが起こって、大切な命が失われています。僕たちは平和をつくるために努力していかなければいけないと思います」

三重県のIさん
三重県からは、Iさん。「今日体験したこと、感じたいことを友だちに伝えて、これからも平和について考え願うことを続けていきたいと思います」

香川県のYさん
香川県のYさんは「大きい戦争も小さい戦争(周りの人とのけんか)も同じことだと思います。けんかが起きないようにしていきたいです」と思いを伝えてくれました。

長崎県高校生1万人署名活動のみなさん

長崎県からは、高校生一万人署名のTさんと高校生平和大使3名(広島、長崎、神奈川)がアピールをしてくれました。
「私たちは署名を集めながら核をなくそうと呼びかけています。みなさんも署名にご協力よろしくお願いします」と訴えました。
最後に広島からHさんとTさんが、「平和な状態とは、すべての人たちが人権を守られることだと思います。そんな平和な社会になるように、世界で何がおこっているか、戦争がどんなものなのか、これからも知り続けたいです」と力強く決意を語ってくれました。

海外のお友だちからのメッセージ

海外のおともだち

つづいては、海外のお友だちからのメッセージです。今年は、フィリピン、韓国、ドイツの3カ国から参加してくれました。
韓国からは3人からメッセージをもらいました。
「世界で戦争に使う莫大なお金を今日のような集まりと平和交流のために使ってほしいです。ともに愛する平和な世界をつくっていきましょう」
フィリピンからは、ベロニカ・アラピデさんが「私の住んでいるところは、物は豊かではないし、お金がないので学校に行くことも大変です。でも勉強するのが大好きです。将来は命を大切にする医者になりたいです」と思いを語りました。
ドイツからは木のブロックキャンペーンから2人が参加しました。代表してヤニク・ハイクさんが、「若い人にとって、どう政治を決断するかはとても重要なことです。将来をつくることだからです。しかし、私たちの世代の多くは国際法を知りません。国際法は権力を禁止すること、人の権利、軍縮も含まれています。世界に国際法を守ろうということをアピールするために、署名と木のブロックキャンペーンを行なっています。みなさん、一緒に立ち上がりましょう」 その熱い気持ちが会場中に伝わり、参加者たちは大きな拍手で答えました。

高校生の活動紹介

第4セクションでは、広島県の高校生が調査した被爆樹木の活動を紹介しました。
原爆の被害を受けた「被爆樹木」は、現在、広島市内に55箇所、160本あります。原爆投下当時は一面焼け野原で、 もう何十年も草木が生えないだろうと言われていました。ところが、黒こげだった樹木があちらこちらで新芽を出し、花を咲かせ始めました。それは、原爆で傷ついた街の人々に大きな生きる勇気を与えることになりました。そんな被爆樹木をたずねて回った高校生たちの報告でした。
続いて、広島国泰寺高校放送部が制作したテレビドラマ作品「君にニーハオ」を放映しました。中国からの転校生を迎えて、戦争の犠牲者は日本だけではないということに気づかされた日本の高校生たちの話です。日常的なふれあいを通して互いのことを理解することが大切だということを伝えてくれました。
そしてここで再び、「うらじゃ」踊りです。今度は始めの練習で覚えた振り付けを思い出しながら、色々な人と手をつないで、思いっきり踊りました。

世界に届け!私たちの思い

楽しい時間もあっという間に過ぎ、ついに『メッセージfromヒロシマ2006』もエンディングを迎えました。実行委員の石黒友恵さん、佐藤花野さん、日上敬愛さんがメッセージを読み上げます。このメッセージは首相官邸や、アメリカやイギリスなど核保有国の代表あてにメールで送信するものです。会場いっぱいの大きな声でカウントダウンをし、一斉に送信すると、大きな拍手が起こりました。
つづいて、司会者から「みなさん後ろを見ていてください」と指示があり、参加者全員が後ろを向いてカウントダウンです。「ゼロ!」の掛け声とともに振り返ると、舞台にはさっきみんなで書いた木のブロックが集まってできた核廃絶の壁が登場しました。

舞台上のスクリーンには、昨年の8月9日に長崎で展示された壁の様子が映し出されました。昨年の壁は、世界中から届いた木のブロックでつくられました。今年はみんなの書いた平和へのメッセージが長崎に届き展示されます。
最後の最後にもう一度「うらじゃ」です。すっかり踊りを覚えた子どもたちはのびのびと会場中を回って踊り、フィナーレを盛り上げました。
みんなでつくりあげた『メッセージfromヒロシマ2006』。この経験は、きっと子どもたちの心の奥深くに刻まれ、同じ思いを持つ仲間たちがつながりながら、未来の平和をつくる力となっていく
力となっていくでしょう。

たくさんのお友だちと踊りました。

~海外のお友だち紹介~

≪韓国からのお友だち≫
金 美娜  (Kim Mi Na)1988.9.26
もともと日韓原爆問題について興味を持っていたので、今度の日本訪問はすごく期待しています。いろいろなことを見て体験したいし、学びたいので、よろしくお願いします。

李 彩元(Lee Chae Won)1990.4.13
原爆の問題についてもっと知りたいし、世界平和のための活動の一端を担いたいと思いました。

李 建雨(Lee Keon Woo)1990.6.23
私は被爆三世として、原爆問題についてとても興味を持っています。今回の機会を通じて意義深い席へ参加できてうれしいです。世界平和のために、小さな力であっても貢献していきたいと思います。

≪フィリピンのお友だち≫ ベロニカ・アラピデ 1991.3.9
私は勉強が大好きで、人の命を救うことができる医者にいつかなりたいという夢をもっています。今回の交流で、平和の道を探り、平和への責任やかかわりを深めたいです。

≪ドイツのお友だち≫  ~”核廃絶の壁”木のブロック・キャンペーン~
Isabel Bohn (イサベル・ボン) 17歳
Yannik Hake (ヤニク・ハイク) 18歳

平和アピール メッセージ from ヒロシマ 2006

想像してみてください。原子爆弾が炸裂する音を。「水をください」、「助けてください」。戦争は大切な人、大切なものすべてを奪います。そして、大切な人やものを失った人々の心は荒んでいきます。世界が核兵器を捨てなければ、61年前の、あの悲劇を再び繰り返してしまうのです。

1945年8月15日、数千万人もの人々の命を奪った第二次世界大戦は終わりました。しかし、その後にも世界各地の戦争によって、今この週間にも多くの人々が苦しみ、亡くなっています。銃を持って戦っている子どもたちがいることを知っていますか? 銃で人を殺さなければ自分が死んでしまう、そんな世界が想像できますか? 戦争によって一番に犠牲になるのは、罪のない子どもや弱い女性や老人です。住んでいる国が違うとか、はだの色、話す言葉など、確かに違うところはたくさんあるけど、世界中の人々が互いに認め、互いに助け合えば、争いがなくなるのではないでしょうか。

もう二度と草木は生えないと言われた広島。その焼け野原からたくましくよみがえった被爆樹木。被爆樹木は原爆の恐ろしさを、生々しく残された傷跡で訴えかけています。私たちはその被爆樹木のメッセージを受け止め、未来に受け継いでいかなくてはなりません。

戦争を始めて、人を殺すのも人間ですが、戦争でケガをした人を治療したり、悲しんだり苦しむ人を必至で助けるのも人間です。だから戦争をやめることができるのも人間なのです。戦争のない、命あふれる未来を、未だ見ぬ私たちの子どもたちに残していくことが私たちの役目です。

私たち一人ひとりが世界に訴える力はとても小さく無力に思えます。だけど、ここにいる私たちが同じ想いを世界に訴えかけたらなら。世界中の人びとが手を取り合って、世界に平和を訴えかけたなら。世界は必ず変わります。私たちは世界を動かす力をもっています。一人では小さな力でも、みんなで心を一つにして集えば大きな力になるのです。 「もう戦争はいらない! 核兵器もいらない!」

2006年8月5日
子どもの広場「メッセージ from ヒロシマ2006」参加者一同

子どもの広場全体のスケジュール 2006年8月5日(土)

★ 8:00~ 8:30  子ども慰霊祭 (平和公園内 原爆供養塔前)
★ 8:35~10:05  フィールドワーク
★10:10~10:20  ダイイン
★10:30~11:30  被爆電車
★10:40~11:30  被爆のお話を聞こう
★12:40~14:45  メッセージfrom ヒロシマ2006
★15:00~16:40  灯ろう作り
★15:00~16:40  海外ゲストとの交流会

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