2020年10月01日
10/15 オンラインセミナー「衝撃の容量市場結果ー再エネ新電力は生き残れるか」

原水禁も参加する「eシフト」によるオンラインセミナーのご案内です。
気候危機のいま、再エネと省エネによるエネルギー転換(エネルギーシフト)が急務です。
ところが、過大な電力需要見積もりのもと、原発や石炭火力が温存される容量市場が、2020年度スタートしました。
容量市場では4年後(2024年度)の供給力(kW)が取引されます。
2020年7月に容量市場オークションが実施され、9月14日に結果が公表されました。
https://www.occto.or.jp/market-board/market/oshirase/2020/20200914_youryouyakujokekka_kouhyou.html
<2020年度メインオークション(対象実需給年度:2024年度)の結果>
・約定量 1億6,769万kW
・約定価格 14,137円/kW
・経過措置を踏まえた約定総額は1兆5,987億円
結果はほぼ上限価格と、電力業界や経済産業省さえも想定しなかった結果となりました。
新電力、とくに再エネ新電力への影響は大きく、経営の危機も懸念されます。
<問題点>
・古い原発や石炭火力が温存される
・再エネ新電力に大きな負担
・大手と新電力の格差拡大
eシフトでは、9月16日に経済産業大臣への要請を提出しました。http://e-shift.org/?p=3908
本セミナーでは、様々な視点から容量市場の問題点と今回の約定結果の影響を考えます。
◆ 10/15 オンラインセミナー「衝撃の容量市場結果ー再エネ新電力は生き残れるか」
日時: 2020年10月15日(木)13:30~15:30
場所: オンライン(zoomウェビナー)
主催:eシフト
共催:原子力市民委員会
■プログラム:
1.容量市場の概要、海外での状況と再エネへの影響
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)
2.2020年度約定結果の分析
松久保肇(原子力資料情報室 事務局長)
3.再エネ新電力の負担と消費者への転嫁
竹村英明(グリーンピープルズパワー 代表取締役社長)
4.気候の安定化と石炭火力2030年全廃
桃井貴子(気候ネットワーク 東京事務所長)
5.常に過大となる電力需要想定
明日香壽川(東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授)
6.eシフトでの活動
吉田明子(国際環境NGO FoE Japan)
7.ゲストからのコメント(調整中)、質疑応答
■申込: 下記よりご登録ください。(セミナー直前まで登録できます)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_ghr-2i8YSI2Fb_KSZNSHhw
※オンライン会議システムのzoomを使います。
※マイク・スピーカー機能のついたPCもしくはスマホ、タブレットが必要です。
2020年09月16日
eシフト、経済産業大臣に「容量市場の見直しに関する要請」を提出しました

9月14日、容量市場の初回メインオークションの約定結果が公表されました。
これを受け、原水禁も参加する「eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)」は、9月16日、経済産業大臣に対し「容量市場の見直しに関する要請」を提出しました。
下記をご参照ください。
http://e-shift.org/?p=3908
容量市場の見直しに関する要請
気候危機のいま、再エネと省エネによるエネルギー転換(エネルギーシフト)が急務です。ところが、過大な電力需要見積もりのもと、私たちが支払う電力料金値上げによって原発と石炭火力が温存される電力市場が新たにつくられ、2020年度本格的に開始されます。
2020年7月に容量市場オークションが実施され、9月14日に結果が公表されました。
https://www.occto.or.jp/market-board/market/oshirase/2020/20200914_youryouyakujokekka_kouhyou.html
<2020年度メインオークション(対象実需給年度:2024年度)の結果>
・約定量 1億6,769万kW
・約定価格 14,137円/kW
・経過措置を踏まえた約定総額は1兆5,987億円
結果として、ほぼ上限価格で約定することとなりました。
2019年度の販売電力量8,361億kWhで割るとkWhあたり2円に近い金額とも言うことができ、消費者や新電力(特に再エネ新電力)にとって大きな負担です。
私たち環境団体は、大手電力の寡占化がますます進み、原発依存度の低下や再生可能エネルギー(再エネ)・省エネの導入が遅れ、電力自由化が逆戻りしてしまうことを強く懸念しています。
消費者の電力選択の権利、また将来にわたり安全で安心できる環境・くらしを守る観点から、再エネ新電力や再エネの普及に圧倒的に不利となり、省エネを考慮しない容量市場を見直すよう、要請します。
<要請の理由>
1.原発・石炭火力発電が温存され、エネルギーシフトを妨げる
容量市場は発電できる能力に価格を付ける市場です。新しい発電所も古い発電所もkWあたりでは同じ落札金額がもらえ、また、常に一定量を発電し続ける電源(例えば原発や石炭火力など)がより多くkWの価値を認められます。そのため、こうした電源が温存されることにつながります。また、これにより再エネや蓄電池などへの投資が控えられてしまうことが考えられます。
このため、エネルギーシフトはますます遅れ、持続可能な再エネを利用して暮らしたいという消費者の権利は損なわれます。原発の温存は安心して暮らせる市民の権利を奪い、石炭火力の温存は気候危機をさらに加速させ将来世代の生存する権利も奪うものです。
2.消費者にとって二重払いとなる
容量市場で回収することが想定されているのは初期投資などの固定費ですが、日本の大半の発電所の初期投資費用などは、電気代に算入されており消費者はすでに支払っています。また、2010年度以前に建設された電源に対する支払額(容量拠出契約金額)は、経過措置として2029年まで一定程度割り引かれることになっているものの、それ以降は満額の支払いとなります。消費者にとっては、すでに払っているのに再度徴収されることになります。また、容量市場によって、原発や石炭を温存するために電力料金が上がり、消費者の負担が不要に増えることも極めて問題です。
3.消費者の再エネ・省エネ選択・電力自由化も危機
大手電力の小売会社(みなし小売)は、古い大規模な発電所との直接契約を多く持っています。容量拠出金を支払いますが、その分の値引きも受け、実質負担は大幅に減ります。大手電力の発電会社側での収入もあります。一方、大規模電源を持たない再エネ新電力は容量拠出金で経営が圧迫され、格差がさらに拡大します。
再エネ新電力の消費者には特に不利な制度で、電力料金の一部が、大手電力の古い原発や石炭火力の維持費に流れてゆくことになります。再エネの導入が遅れ、再エネ新電力の経営も危機となれば、消費者の再エネ選択は大きく妨げられます。省エネの普及も阻害されます。
大手電力の寡占化が進み、消費者の選択や再エネ・省エネの導入拡大を意図した電力自由化も形骸化してしまいます。
4.消費者の知る権利を損ねる
容量市場は、市場規模が約1.6兆円にも上る巨大な官製市場です。そして、ここで徴収された費用は、事実上の補助金として、落札電源に配分されることになります。しかし、現状では、だれが保有するどの電源が入札し、落札したのかの詳細は公表されていません。電気に含まれる容量市場分のコストが示されるのかも分かりません。このような説明責任に欠ける制度設計は、原発や石炭火力に対する実質的な補助金制度を国民に気づかれないように導入しようとする意図の現れとしか考えられません。
・リーフレット「STOP!原発・石炭火力を温存する新たな電力市場」
http://e-shift.org/?p=3827
・消費者庁に容量市場の見直しを求める要請を提出
http://e-shift.org/?p=3881
・6/18 オンラインセミナー「原発・石炭火力を温存する新たな電力市場の問題点」
http://e-shift.org/?p=3815
<eシフト参加団体>
国際環境NGO FoE Japan 環境エネルギー政策研究所(ISEP) 原子力資料情報室(CNIC) 気候ネットワーク 市民電力連絡会 原子力市民委員会 原水爆禁止日本国民会議(原水禁) 福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 大地を守る会 NPO法人日本針路研究所 日本環境法律家連盟(JELF) 「環境・持続社会」研究センター(JACSES) インドネシア民主化支援ネットワーク 環境市民 特定非営利活動法人APLA 原発廃炉で未来をひらこう会 高木仁三郎市民科学基金 水源開発問題全国連絡会(水源連) グリーン・アクション 自然エネルギー推進市民フォーラム 市民科学研究室 グリーンピース・ジャパン ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン フリーター全般労働組合 ピープルズプラン研究所 ふぇみん婦人民主クラブ No Nukes More Hearts A SEED JAPAN ナマケモノ倶楽部 ピースボート WWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン) GAIAみみをすます書店 東京・生活者ネットワーク エコロ・ジャパン・インターナショナル メコン・ウォッチ R水素ネットワーク 東京平和映画祭 環境文明21 地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA) ワーカーズコープ エコテック 日本ソーラーエネルギー教育協会 THE ATOMIC CAFE 持続可能な地域交通を考える会 (SLTc) 環境まちづくりNPOエコメッセ 福島原発事故緊急会議 川崎フューチャー・ネットワーク 地球の子ども新聞 東アジア環境情報発伝所 Shut泊 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ 足元から地球温暖化を考える市民ネットたてばやし 東日本大震災被災者支援・千葉西部ネットワーク アジア太平洋資料センター(PARC) NNAA(No Nukes Asia Actions) Japan さよなら原発・神奈川 プルトニウムフリーコミニケーション神奈川 エコフェアネットワーク 350.org Japan 公害地球環境問題懇談会(JNEP) 大磯エネシフト 環境まちづくりNPO元気力発電所 地球救出アクション97
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)http://e-shift.org/
事務局(国際環境NGO FoE Japan) info@e-shift.org
容量市場申し入れ 関連ページ:http://gensuikin.peace-forum.com/2020/08/28/e-shift20200828yousei/
2020年08月28日
環境団体などが消費者庁に「容量市場の見直しに関する要請」提出
8月28日、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)および連携して活動する14団体は、消費者庁と内閣府消費者委員会に対し、「容量市場の見直しに関する要請」を提出しました。
http://e-shift.org/?p=3881
連名団体:国際環境NGO FoE Japan、原子力資料情報室、気候ネットワーク、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、市民電力連絡会、環境エネルギー政策研究所、原水禁、パワーシフト・キャンペーン運営委員会、原子力市民委員会、ふぇみん婦人民主クラブ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、公害・地球環境問題懇談会、NPO法人コンシューマネット・ジャパン、地球救出アクション97
4年後の電力供給能力(kW)を取引する容量市場が導入され、7月に初回のメインオークション実施、8月31日に結果が発表される見込みです。
eシフトでは、私たちが支払う電力料金によって原発と石炭火力が温存される容量市場を問題視し、内部勉強会やセミナーを重ねてきました。2020年6月18日には、問題点をわかりやすく示すリーフレットを作成、また様々な関係者とともに考えるオンラインセミナーを開催しました。こうした経緯からこのたび、消費者庁と内閣府消費者員会に対し、容量市場の見直しを求める要請を提出しました。(全文は下記リンク)
・eシフト「STOP! 原発・石炭火力を温存する新たな電力市場ーリーフレット」2020年6月18日
http://e-shift.org/?p=3827

・6/18 オンラインセミナー「原発・石炭火力を温存する新たな電力市場の問題点」資料
http://e-shift.org/?p=3815
要請内容:
消費者の電力選択の権利、また将来にわたり安全で安心できる環境・くらしを守る観点から、再エネ新電力・再エネに圧倒的に不利となる容量市場を見直すよう、消費者庁・内閣府消費者委員会から提言を行っていただくよう要請します。
要請理由:
1.古い原発・石炭火力発電が温存され、エネルギーシフトを妨げる
2.消費者にとって二重払いとなる
3.消費者の再エネ選択・電力自由化も危機
参考:容量市場のスケジュール
「かいせつ容量市場スペシャルサイト」より
https://www.occto.or.jp/capacity-market/schedule/index.html
連絡先:
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
事務局(国際環境NGO FoE Japan)
東京都板橋区小茂根1-21-9 info@e-shift.org
◆ 要請書本文はこちら