原水禁大会 - 原水禁

分科会・ひろば・フィールドワークを開催 「被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」2日目

2024年08月09日

8月8日、「被爆78周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」2日目は6つの「分科会」のほか、「ひろば」、「フィールドワーク」を行いました。

高校生・若者のイベント「ピース・ブリッジ 2024 inながさき」も開催され、全国から集まった高校生からの活動報告、ノルウェー派遣報告、中村桂子さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター 准教授)と山川剛さん(被爆者、元教職員)からの講演を受けるなど、核兵器による被害の大きさと現在の世界情勢などについて、ともに学びを深めました。

8月9日の長崎大会閉会総会と平和行進をもって本年の大会全日程を終える予定です。この大会をともに学び交流し、核廃絶の実現に向けた大きなうねりをつくりだすステップとするべく、ともにがんばりぬきましょう。

第1分科会「平和と核廃絶Ⅰ-世界の核軍縮」

第2分科会「平和と核廃絶Ⅱ-国内外の情勢」

第3分科会「「脱原発Ⅰ-脱原発にむけた全体の流れ」」

第4分科会「脱原発Ⅱ-核ゴミの具体的課題」

第5分科会「ヒバクシャ-ヒバクシャ継承・二世課題」

第6分科会「見て・聞いて・学ぼう“ナガサキ”」

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」が開会しました

2024年08月08日

8月7日、長崎市・ブリックホールにおいて「被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」開会行事が行われ、約1000人が参加しました。

冒頭、司会の三藤理絵さん(長崎大会実行委員)の呼びかけで原爆犠牲者への黙とうを行いました。

主催者を代表し川野浩一・共同実行委員長があいさつ。5歳で被爆していま84歳。自身の体験を振り返りつつ、被爆の記憶も意図的に消されようとしているとしか思えない日本の状況があり、戦争への反省やそれに基づく憲法もないがしろにされているとしました。核兵器禁止条約(TPNW)の締約国会議には日本政府はオブザーバ参加すらしていません。そのうえで「橋渡し役」などと自称する岸田首相を批判しました。日本こそが核廃絶の最先頭に立つべきであり、そのために政治を変えよう、ともにがんばろうと訴えました。

海外ゲストからは安月軍さん(中国人民平和軍縮協会)がスピーチし、中国が核兵器の「先制不使用」の立場を堅持することの重要性について発言。

また、デズモンド・ドラチョムさん(マーシャル諸島・大学教員、REACH-MI創設者)のビデオメッセージが上映されました。広島・長崎の原爆投下、福島第一原発事故、そしてマーシャルの核被害から学び、核廃絶のためにとりくむ原水禁への連帯を表明。

「被爆体験者」訴訟について、池田章子さん(長崎市議会議員)から報告がありました。「被爆体験者」問題とはなにかを解説したうえで、8月9日の「被爆体験者」団体と岸田首相の面会が、そして9月9日には長崎地裁判決が予定されているという状況にあり、必ず早期救済を実現させるためにも、引き続きの支援を呼びかけられました。

全国から集まった第27代高校生平和大使・高校生1万人署名活動のメンバーのみなさんが登壇、8月下旬にジュネーブ派遣が予定されている高校生平和大使一人ひとりがそれぞれ決意表明を行いました。あわせて合唱が披露されました。

福島県平和フォーラムの角田政志さんから福島第一原発事故から13年を迎えた現地からの報告が行われました。「ALPS」関連施設も含めた事故が頻発している現状は、遅々として進まない廃炉作業の計画そのものに無理があることを示していると指摘。原発再稼働を推し進めようとしていますが、福島の悲劇を繰り返させないため、エネルギー政策の再転換を実現しようと述べました。

谷雅志・事務局長から大会基調を提起しました(→全文はこちら)。被爆80年を前に私たちの運動がいっそう重要になっているとし、また市民の力を合わせた先にこそ核廃絶の展望があることを確信して、とりくみをすすめていくとしました。

最後に「原爆許すまじ」を斉唱し、閉会しました。

長崎大会は今後、8日に分科会・フィールドワーク・ひろばなどの企画、9日に閉会総会を予定しています。

【被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会】開会行事

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」3日目、国際シンポジウムとまとめ集会を開催

2024年08月07日

8月6日、広島市・県民文化センターで「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」国際シンポジウムとまとめ集会を開催し、約550人が参加しました。

国際シンポジウムでは、「核兵器廃絶へ向けた一歩を踏み出すために」をメインテーマに、秋葉忠利さん(原水禁顧問、元広島市長) 、デーヴィッド・ギブソンさん(アメリカ・ピースアクション)、イ・ヨンアさん(韓国・参与連帯)をパネリストとして、議論を行いました〔コーディネーター:藤本泰成さん(原水禁顧問)〕。

引き続いて行われたまとめ集会では、広島大会の3日間での成果を総括しつつ、「ヒロシマ・アピール」を採択し(全文は記事下部に掲載しています)、現下の厳しい世界情勢も認識したうえで、この間とりくんできた被爆の実相の継承を基軸に据えながら、「核も戦争もない平和な社会」を実現するためにともにがんばりあうことを確認しました。

8月7日以降は、長崎大会を3日間の日程で開催していきます。引き続きのご参加・ご協力・ご注目をお願いします。

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」谷事務局長まとめ報告

被爆79年を迎えた今日、私たちは改めて原爆によって奪われた多くの命と、その後長らくずっと、こんにちまでその被害に苦しめられている多くのみなさんに心を寄せます。

今大会は2200人に参加いただいた開会総会から昨日の分科会・ひろば・フィールドワーク、今朝の国際シンポジウムと開催してきました。

とくに各分科会については運営委員のみなさんからいただくまとめを、改めてみなさんと共有することとし、ここでは時間の関係からポイントを絞って触れます。

ヒバクシャ連帯として、アメリカ・ニューメキシコ州・ナバホの居留区内にある2つのウラン鉱山と精錬所のあったコミュニティから、エディス・フッドさんとテリー・ケヤナさんをお招きし、分科会でお話しいただきました。

ウラン採掘にあたる労働者にとって、採掘したウラン鉱石が何に使われるのかも十分知らされることはありませんでした。放射性物質が含まれている事実も知らされることなく、山となって積まれる残土。特別にその周りに囲いをされるわけでもありませんでしたので、住民のみなさんは当たり前のようにそこで生活をつづけました。1979年には強い酸の混じった廃液が大量に川に流れだす重大事故を起こしますが、マスコミ報道はほとんどされることはありませんでした。その川に足をつけた住民は、まるで足がやけどを負った状態のようになったと聞きました。そういった事実は広く社会に問題として知らされることはなく、長く被害は続きました。2007年、ナバホで暮らす住民のみなさんは、何もしない政府に対して立ち向かうため、住民による草の根組織を作り、環境回復に向けて運動にとりくまれています。ウランは放射性物質であり、重金属でもあることから、体内での障がいは腎臓に起こるそうです。そういった住民の健康調査、家畜の調査などを行いながら、ナバホの考え方である「将来世代から土地を借りている」という思いのもと、環境回復を求めています。政府の姿勢は「too much money」除染には4400万ドルを超えるとする費用がかかることから、十分にはできないというものです。一部除染を行っても、また風によって運ばれてくる放射性物質によって大地は汚染されます。今もこの地域に日常的に生活している住民がいることは事実です。

この分科会では、核実験被害を受けたフレンチポリネシアから参加された方もいらっしゃり、発言してくださいました。分科会の中では質問意見がいくつか出ましたが、「採掘でヒバクをしている人がいるという事実を知らなかった」と、率直に述べられた言葉に象徴されるように、まずは知るということが重要であると確認されました。ナバホのみなさんが一番強く訴えられたことは「核廃棄物の汚染は長く続いている問題であり、今後も続いていく問題である」ということです。

被爆から79年がたった今日においてもその被害に苦しめられている被爆者のみなさんやその家族がいます。ひとたび受けた被害の大きさはもちろんのこと、その後続く時間軸としての長さ、決して終わることはないという時間の長さもまた、重要な問題であると改めて捉える必要があります。

次に、こういった被害を、先の未来に出さないためにも、核なき世界の実現をはからなければなりません。日本政府はいまだ核兵器禁止条約に署名・批准をしようとはしません。こういった政府を動かしていく力は私たち市民による原水禁運動にあると考えています。私たちの力で日本政府に、核兵器禁止条約への署名・批准を強く求めていきましょう。政府は他国との関係において、緊張状態を煽ることではなく、平和外交にこそ努めるべきです。武力による対抗路線を歩むことは、いつか来た道を再び歩むことにつながるのではないかと、強い危機意識を感じます。そもそも、恒久平和の実現がしっかりと示されているのが、憲法理念だと考えます。

来年は被爆80年を迎えます。被爆者のみなさんの切なる願いである核廃絶へむけた具体的な運動の展開をはかっていく必要があります。国際シンポジウムでも話のあった「先制不使用宣言・NO FIRST USE」についての議論と理解を深めながら、被爆の実相を原点に「核と人類は共存できない」とする信念にもとづいた原水禁運動を各地域で展開していきましょう。

被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会「ヒロシマ・アピール」

1945年8月6日午前8時15分、広島に投下された原子爆弾は、強烈な「熱線」、「爆風」、「放射線」のもと、その年の内に14万人もの生命を奪い去りました。あの日から79年、被爆者の高齢化は進み、限られた時間の中で、援護対策の充実と国家の責任を明確にすることが急務となっています。

ロシアによるウクライナ侵攻が終結を見通せません。パレスチナ・ガザ地区では、イスラエルによる空爆など一方的で凄惨を極める攻撃によって、多くの市民、とりわけ女性と子どもの命が奪われ続けています。世界的に混乱が生じている今こそ、米国主導の軍拡路線ではなく、早期の停戦と平和への協議の重要性と日本国憲法のもつ平和理念を全世界に訴える必要があります。

この間、アメリカにおいて、政府高官が広島や長崎での原爆投下を改めて肯定したり、共和党議員が広島・長崎での原爆投下を引き合いにパレスチナ・ガザ地区での核兵器使用を主張したりと、極めて問題な発言が続く中、岸田首相や上川外相をはじめとする日本政府は、明確に抗議の意思を示していません。

岸田首相は、ことあるごとに被爆地広島の選出議員であることをアピールしながらも、戦争被爆国の政府首脳として果たすべき役割、すなわち核抑止論に立ちむかい、核兵器廃絶にむけた具体的な行動をとっているとは言えません。非核兵器保有国が中心となって成立させた核兵器禁止条約の拡大を実現させていくためには、唯一の戦争被爆国である日本が早期批准をすべきです。

東日本大震災・福島第一原発事故から13年が経過しましたが、いまだに「原子力緊急事態宣言」も解除できずにいるにもかかわらず、原発事故の「風化」も懸念されています。

今年1月に発生した能登半島地震は、改めて原発の危険性を明らかにしました。北陸電力志賀原発では、変圧器やモニタリングポストの故障、原子力規制庁の想定を上回る揺れの観測、連動しないとされた断層との連動など、数多くの「想定外」の事態が生じました。そして何より、原発事故と地震災害という複合災害が発生すれば、道路の寸断や集落の孤立、多くの家屋の倒壊・被災で、屋内退避も避難も困難な状態となり、現在の避難計画では住民の安全を確保できないということが明らかになりました。

この教訓を、原発依存・再稼働への強い警告と受け止め、私たちはこれからも全ての原発の廃炉と再生可能エネルギーへの転換を強く求めていきます。

原水禁運動の原点は被爆の実相です。子どもたちに核のない未来を実現するためには、若い世代が積極的に平和運動に参加し、被爆の実相をつなげて、次世代へと継承していかなければなりません。

今年で27年目となる高校生平和大使・高校生1万人署名活動をはじめとした若者たちへの支援は、まさに核兵器廃絶・平和運動の「次世代継承」にとって大変意義深い取り組みです。

これまで積み重ねてきた運動の継続と継承を進め、過去・現在から未来へと「核も戦争もない平和な社会」を届けるべく、これからも原水禁運動を全力で前に進めていきましょう。

ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・フクシマノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ウォー

2024年8月6日
被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会

【被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会】国際シンポジウム「核兵器廃絶へ向けた一歩を踏み出すために」

【被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会】まとめ集会

分科会・ひろば・フィールドワーク・子ども企画 「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」2日目

2024年08月06日

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」2日目の日程となる8月5日、参加者は広島市内・各会場に分散し、6つの「分科会」のほか「ひろば」や「フィールドワーク」に参加しました。

分科会では講師からの提起や各地からの報告を受け、活発な議論が行われました。また、「大久野島」「安野発電所」といった戦争遺跡をめぐるフィールドワークも実施。

第1分科会「平和と核廃絶Ⅰ-世界の核軍縮」では講師からのお話のほか、海外ゲストからも報告があり、核軍縮に向けた世界的な動きを多角的に学ぶことができました。

本大会には子どもたちも全国各地から多数参加し、原爆や戦争の被害の実相、そして平和の大切さを学びました。午前は平和記念公園・原爆供養塔前での慰霊祭、フィールドワーク、「被爆電車」乗車や被爆証言を聞く会などに参加。

午後には大学生や高校生が中心となって企画・運営するワークショップが行われました。きょう学んだことを新聞形式にまとめたり、平和への想いをうちわに描いたりしながら、地域を超えての交流を深めることができました。

第1分科会「平和と核廃絶Ⅰ-世界の核軍縮」

第2分科会平和と核廃絶Ⅱ-日本国内の情勢」

第3分科会「「脱原発-脱原発に向けた大きな流れについて」」

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第4分科会「ヒバクシャⅠー被爆の実相の次世代継承と二世課題」

第5分科会「ヒバクシャⅡ-ヒバクシャの現状」

第6分科会「見て・聞いて・学ぼうヒロシマ」

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」が開会しました

2024年08月05日

8月4日、「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」開会総会が広島市・グリーンアリーナで行われ、約2200人が参加しました。

開会総会の前段には、平和記念公園から開会総会会場に向けた「折鶴平和行進」が行われました。全国各地からの参加者は炎天下の広島市街を行進し、大会会場のグリーンアリーナへと入場しました。

開会総会は岡本依純さん(第25代高校生平和大使)の司会のもと、すすめられました。はじめに原爆被害者への黙とうを参加者一同で行いました。

金子哲夫・共同実行委員長が主催者あいさつ。ウクライナやパレスチナなどの危機的状況に触れ、単に核兵器に反対するだけではなく、核兵器使用につながるすべての戦争に反対するのが「ヒロシマの心」だとし、アメリカと「拡大抑止」強化で合意した岸田首相は被爆者の想いを踏みにじっていると指摘。また、「核と人類は共存できない」というスローガンに込められた意味を、原水禁運動におけるさまざまなとりくみや経験を紹介しながら解説し、被爆80年に向け原水禁運動の強化を呼びかけました。

来賓として広島市市民局長の村上慎一郎さんが登壇し、松井・広島市長からのメッセージを代読しました。

日本被団協代表理事の田中聰司さんから被爆証言を受けました。原爆投下2日後、1歳5か月であった田中さんは、お母さんとともに「入市被爆」するとともに、多くの家族・親族を原爆で失いました。青少年時代には心無い言葉を受けたり、社会人になってから食道がんをはじめとした闘病も経験しました。新聞記者を務めるなかで被団協に出会い、被爆者として活動してきた経緯について語りました。核保有国に未来を託すことはできない、核への怒りをとり戻し、ともに声を上げようと訴えました。

続いて、広島・長崎選出の高校生平和大使と高校生1万人署名活動実行委員会のみなさんが登壇しました。それぞれ核廃絶にとりくむ原動力となる自らの想いを語り、核なき世界をつくるために国内外でがんばっていく決意を述べました。

開会総会に参加した海外ゲストが紹介され、代表してアメリカ・ピースアクションのデーヴィッド・ギブソンさんがスピーチし、アメリカ政府がいまこそ、人権と相互の生存を尊重する政策へと転換することが必要だとし、この世界を変えるためにともにがんばろうと述べました。

また、ドイツ緑の党のハーアルド・イブナー・連邦議会議員のビデオメッセージが上映されました。

谷雅志・実行委員会事務局長が大会基調を提起しました(→大会基調全文はこちら)。核と戦争をめぐる厳しい世界情勢、原発回帰に向けた動きを踏まえつつ、原水禁運動がとりくんでいる課題について確認していきました。世界のヒバクシャとの連帯のなかで培われた「核絶対否定」の立場はいっそう重要になっています。この間とりくんできた運動の次世代継承を強化しながら、日本政府、そして世界を大きく揺り動かすことをめざし、本大会を成功させることを訴えました。

その後、広島音楽サークル協議会のみなさんのリードで「原爆許すまじ」を合唱しました。

さいごに、秋葉忠利・代表委員が閉会あいさつを行い、今後の具体的運動目標を立てつつ、核廃絶を実現していく基本的構想を構築するためにともにとりくむことを参加者一人ひとりに呼びかけ、集会を終了しました。

今後、広島大会としては5日に分科会・ひろば・フィールドワーク、6日に国際シンポジウムとまとめ集会が行われる予定です。

「被爆7周年原水爆禁止世界大会・広島大会」開会総会アーカイブ動画

今こそ、福島から反核・脱原発の声を上げよう!「被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会」に約650人

2024年07月29日

7月28日、福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」において、「被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会」が開催され、約650人が参加しました。「ALPS処理水」海洋放出開始から1年、あたらめてこれを弾劾するとともに、全国・全世界の人びとと連帯し、反核・脱原発の運動をすすめていくことを確認しました。

開会にあたって東日本大震災の犠牲となったすべての方に対し黙とうを行いました。あわせて昨年の福島大会で基調講演を行っていただいた故・伴英幸さん(原子力資料情報室・共同代表、今年6月に逝去)への追悼の意も表しました。

染裕之・大会共同実行委員長と、現地実行委員会を代表し角田政志・福島県平和フォーラム共同代表がそれぞれあいさつしました。その後、大会基調提起を谷雅志・実行委員会事務局長が行いました(→大会基調はこちら)。

特定非営利活動法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也さんから基調講演が行われました。「文明史的エネルギー大転換と日本の未来を福島から見通す 第7次エネルギー基本計画策定にあたって」をテーマとして、日本のみならず世界的に原発回帰の動きがあるいっぽうで、再生可能エネルギーをめぐる「新しい現実」が出来していることを豊富なデータをもとに解説。太陽光・風力の急拡大のなかで日本はむしろ急ブレーキをかけている状況だが、太陽光・風力こそが原発や気候危機を含むエネルギー問題を解決する現実的な方策だとしました。

続いて、各地の原発をめぐる状況について、女川原発に関して多々良哲さん(女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション世話人)、柏崎刈羽原発に関して近藤正道さん(原水爆禁止新潟県協議会理事長)、そして福島第一原発に関して松久保肇さん(原子力資料情報室事務局長)から、それぞれ報告を受けました。

高校生平和大使からの訴えでは、福島の五十嵐まど佳さん・田村陽子さん(第26代)と長澤華咲さん・半谷優亜さん(第27代)、新潟の手代木幸さん(第26代)が登壇。昨年のジュネーブ派遣での活動報告や今年の派遣にかける意気込み、あるいは核兵器や原発をめぐっての率直な意見が表明されました。会場入口では署名活動とカンパの呼びかけが行われ、多くの参加者がこれに応じていました。

最後に、福島大会実行委員の菅野賢一さんが「フクシマアピール(案)」を読み上げて提案(本ページ下部に掲載)。全体の拍手をもって採択しました。

翌29日には東京電力福島復興本社への要請行動が行われました。

【被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会】アーカイブ動画

2024 フクシマアピール

東京電力福島第一原発の過酷事故から13年が過ぎました。特定復興再生拠点区域の避難指示が、2023年11月の富岡町をもってすべて解除され、住民の帰還に向け、町の整備や企業誘致などが進められています。また、昨年6月の福島復興再生特別措置法の改正により、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域外の区域において、避難指示の解除により住んでいた方々の帰還とその後の生活再建を目指す「特定帰還居住区域」を定めることが可能となりました。しかし、避難の長期化に伴い帰還を断念せざるを得ない住民も多くなっています。未だに立ち入ることのできない多くの帰還困難区域の除染は手つかずのままです。

避難指示区域等の住民の医療・介護保険料や医療費の窓口自己負担分の免除等の措置が、2014年までに避難指示が解除された地域から段階的に廃止されています。原発事故によって生活を奪われた人々の健康及び生活の保障は、事故を起こした国と東京電力の責務であり、被害者の当然の権利です。被災者の生活再建支援や健康への保障の打ち切りを許してはなりません。さらには、被ばくを強いられたすべての人々の健康と医療を保障させていかなければなりません。

政府・東京電力は、昨年8月24日、「ALPS処理水」の海洋放出を実施し、これまで7回、約5万5千トンを放出しました。2024年度は約5万4600トンを7回に分けて放出するとしていますが、今後もこの放出が30年間も繰り返し行われることになっています。漁業関係者をはじめ多くの県民、国民、さらには国際社会の理解が得られないまま、海洋放出を強行したことは許せません。

岸田政権は、GX(グリーントランスフォーメーション)推進と称して、原発再稼働と「60年超運転」を推し進めています。未だに約2万6千人の県民が避難を余儀なくされるなど、原発事故は現在進行形であるにもかかわらず、被害者の心の痛みを忘れたかのような政府方針の転換は、到底認められません。

今年元日の能登半島地震では志賀原発が「想定外」の事態に陥り、重大な損傷が生じました。地震大国日本において、原発は危険な施設以外の何ものでもありません。フクシマの悲劇を二度と繰り返させてはなりません。国の政策の誤りによって、再び人々が犠牲を強いられることがあってはなりません。

私たちは、今こそフクシマから声をあげます。宮城県女川原発、新潟県柏崎刈羽原発、茨城県東海第二原発の再稼働反対、加えて青森県六ヶ所村再処理工場の核燃料サイクル施設の建設・運転の断念などを求めます。また、福島第一原発事故がもたらした深刻な被害を風化させないため、世代を超えて共に考え、伝え、福島から全国、全世界に発信します。

さらに、国と東京電力の責任を厳しく問い、原発事故被害者の人権と補償の確立を求める運動を強めるため、全国、全世界の反核・脱原発運動と連帯します。ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリをはじめ、世界の核被害者と連帯します。「核と人類は共存できない」を原点に、原発も核も戦争もない平和な社会の実現に向けたたかいを進めていきます。

2024年7月28日
被爆79周年原水爆禁止世界大会・福島大会

被爆79周年原水爆禁止世界大会・ひろば企画「話芸で学ぶ平和と核」

2024年07月24日

この間、原水爆禁止世界大会・ひろば企画としてご好評をいただいてきた「話芸で学ぶ平和と核」を、本年も広島〔8月5日(月)〕・長崎〔8月8日(木)〕でそれぞれ開催しますので、ご案内します。入場無料ですので、ぜひご参加をお願いします。

「話芸で学ぶ平和と核」

本物の話芸を聞いてみませんか?

今年の原水禁大会で、落語や講談を通して平和や核を考えるワークショップです。

古典や新作などをネタに、楽しく笑って、ちょっぴりまじめに考えさせるお話を持って高座にあがります。どんなお話になるのやら、お楽しみに。

本物の落語や講談を初めて聞く方大歓迎。会場でお会いできるのを楽しみにしています。

【広島】日時:8月5日(土)14時~16時30分/場所:YMCA国際文化センター・本館地下ホール

講談:田辺一乃さん「第五福竜丸物語」「ゴジラ誕生」
落語:古今亭菊千代さん「国策落語 子宝計算」「禁煙落語 お楽しみ一席」

→チラシデータ( PDF )

【長崎】日時:8月8日(火)14時~16時30分/場所:長崎県農協会館7F大会議室

講談:田辺いちかさん「曲馬団の女」「生か死か」
落語:古今亭菊千代さん「国策落語 子宝計算」「禁煙落語 お楽しみ一席」

→チラシデータ( PDF )

主催:大会実行委員会

被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会のご案内

2024年07月09日

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」は、8月7日(水)・8日(木)・9日(金)、下記のスケジュール・内容で開催いたします。

なお、開会行事・分科会・閉会総会については後日アーカイブ動画を掲載する予定です。

→長崎大会日程一覧(PDFファイル)(7月22日更新)

8月7日(水):
開会行事 15時~17時@長崎ブリックホール・大ホール

8月8日(木)
分科会 ①③④⑤9時30分~12時/②⑥14時~16時30分@市内会場
①平和と核廃絶Ⅰ-世界の核軍縮
②平和と核廃絶Ⅱ-国内外の情勢
③脱原発Ⅰ-脱原発にむけた全体の流れ
④脱原発Ⅱ-核ゴミの具体的課題
⑤ヒバクシャ-ヒバクシャ継承・二世課題
⑥見て・聞いて・学ぼう“ナガサキ”

ひろば 14時~16時30分@市内会場
⑦特別上映会 ビキニ事件から70年 「第五福竜丸」
⑧女性交流のひろば-被爆体験講話 子供たちに託す 被爆体験から平和への希望
⑨話芸で学ぶ「平和と核」(落語:古今亭菊千代・講談:田辺いちか)
⑩ヒバクシャと語ろう

フィールドワーク ※要申込
⑪戦争と原爆の遺構めぐり
⑫子どものひろば
⑬佐世保フィールドワーク/港内クルージング※参加費7000円
⑭ヒバクシャとの交流-施設訪問中止

若者企画
ピース・ブリッジ 2024 in ながさき(9時~12時30分)

8月9日(金)
閉会総会 9時~10時@長崎県立総合体育館・メインアリーナ
非核平和行進 10時15分~11時@長崎県立総合体育館~爆心地公園

大会への参加方法

(大会実行委員会構成団体以外の)個人・グループの方で参加される場合、下記の通りお願いします。

大会資料や参加章、分科会整理券などをお渡ししますので、長崎ブリックホール内会議室の受付にお越しいただき、参加登録をお願いします。参加費個人3000円(団体10000円)と資料代500円(団体の場合×人数分)です。なお、高校生は500円、中学生以下は無料です。広島大会から継続してご参加される場合は、長崎大会分の資料代500円を追加でいただきます。

長崎大会・登録受付:長崎ブリックホール会議室(長崎市茂里町2-38)
受付時間:8月7日(月)9時30分~16時30分

被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会のご案内

2024年07月08日

「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」は、8月4日(日)・5日(月)・6日(火)、下記のスケジュール・内容で開催いたします。

なお、開会総会・分科会・国際シンポジウム・まとめ集会についてはアーカイブ動画を後日掲載する予定です。

→広島大会日程一覧(PDFファイル)(7月17日更新)※⑩会場が変更になりました

8月4日(日)
折鶴平和行進 15時40分~@広島平和記念公園~広島県立総合体育館
開会総会 17時~18時30分@広島県立総合体育館・大アリーナ

8月5日(月)
分科会 9時30分~12時30分@市内会場
①平和と核廃絶Ⅰ-世界の核軍縮
②平和と核廃絶Ⅱ-日本国内の情勢
③脱原発-脱原発に向けた大きな流れについて
④ヒバクシャⅠ-被爆の実相の次世代継承と二世課題
⑤ヒバクシャⅡ-ヒバクシャの現状
⑥見て・聞いて・学ぼうヒロシマ

ひろば 14時~16時30分@市内会場
⑦ヒバクを許さないつどい Part.23
⑧女性のひろば
⑩上関原発を考えるつどい
⑪話芸で学ぶ「平和と核」(落語:古今亭菊千代・講談:田辺一乃)

子どものひろば ※要申込
⑨a(午前:)平和公園フィールドワーク・被爆電車
⑨b(午後:)大学生によるワークショップ型企画

フィールドワーク(定員あり・先着順です)
⑫バスツアー大久野島「ヒロシマと戦争」※参加費8000円(弁当・お茶、保険料込み)
⑬安野発電所「中国人強制連行・中国人被爆の歴史を歩く」※参加費6000円(弁当・お茶、保険料込み)

8月6日(火)
国際シンポジウム 9時~10時30分@広島県民文化センター・多目的ホール
〔「核兵器廃絶へ向けた一歩を踏み出すために」(同時通訳あり)〕
まとめ集会 10時30分~11時@広島県民文化センター・多目的ホール

大会への参加方法

(大会実行委員会構成団体以外の)個人・グループの方で参加される場合、下記の通りお願いします。

大会資料や参加章、分科会整理券などをお渡ししますので、お手数ですが必ず大会現地事務局にお越しのうえ、受付をお願いします。参加費個人3000円(団体10000円)と資料代500円(団体の場合×人数分)です。なお、高校生は500円、中学生以下は無料です。

広島大会・現地事務局:自治労会館3階会議室(広島市西区横川新町7-22)
受付時間:8月3日(木)13時~17時/8月4日(金)9時30分~17時

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