「避難指示地域の医療費無料化措置の継続」を求める政府交渉および「トリチウム汚染水の海洋放出の問題点」に関する政府交渉
2020年12月11日
「避難指示地域の医療費無料化措置の継続」を求める政府交渉および「トリチウム汚染水の海洋放出の問題点」に関する政府交渉
12月11日、原水禁を含む8団体は、「避難指示地域の医療費無料化措置の継続」を求める政府交渉、および「トリチウム汚染水の海洋放出の問題点」に関する政府交渉を参議院会館B104会議室で行いました。今回は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、各団体1名程度の参加とし計13名が参加しました(Web配信視聴者18名)。
7月3日と10月5日に行われた同交渉に引きつづき、前回までに残された課題についての再質問、新たな要請等を、政府(厚生労働省・復興庁・経済産業省・農林水産省・原子力規制委員会
)と行いました。
第一部:「避難指示地域の医療費無料化措置の継続」を求める政府交渉冒頭、「東電福島第一原発事故避難指示地域住民の医療費無料化措置の長期継続を求める緊急申し入れ(再)」を手交し、厚生労働省・復興庁からは「原子力災害地域については、現時点で支援を縮小・終了するような段階ではなく、中・長期的な支援を今後も継続していく。」との回答がありました。交渉では、「復興・創生期間後における復興の基本方針」に「減免措置見直し」と記載されたことについて議論されましたが、自治体・福島県民・住民の心配・不安を完全に払拭するような回答は、残念ながら得られませんでした。
第二部:「トリチウム汚染水の海洋放出の問題点」に関する政府交渉経済産業省からは、2015年1月7日に開催された「第6回廃炉・汚染水対策福島協議会」における、糟谷廃炉・汚染水対策チーム事務局長補佐による「(ALPS処理水について)関係者の方の理解を得ることなくしていかなる処分もとることは考えておりません」との答弁、および経済産業省から福島県漁連への「関係者の理解なしにはいかなる処分も行いません」との文書回答(同年8月24日付)をめぐり、「当時、その通り『約束』したが、『海洋放出しない』ことまで『約束』したわけではない」と、まさに官僚答弁が繰り返され、これまで同様に、福島県民・住民の立場に寄り添っているとは思えない発言・回答が多くあり、やりとりは平行線のままでした。
農林水産省からは、「政府・農林水産省として、ALPS処理水の処分方法について、今決まっていることはない。今後も、復興に向けた農林水産業に携わる方々の努力を妨げないことを最優先にして、処分方法や風評被害対策を検討していくべきと、経済産業省には伝えていく。」との答弁がありました。
原子力規制委員会とは、「線量告示(周辺監視区域外で最大1mSv/年)」について議論しましたが、見解の相違があり、議論は深まりませんでした。
原水禁は、7ヶ国(アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリス・ドイツ・マーシャル諸島・韓国)から「トリチウム汚染水海洋放出反対」への賛同メッセージが団体・個人合わせて100件以上届いていることを紹介したうえで、「トリチウムの半減期*と今後の技術開発への期待を考慮すれば、長期保管(最低でも200年程度は『陸上保管』)し、『海洋放出』以外の検討を進めるべき」と改めて主張しました。
【*:トリチウムの半減期は12年。仮に120年保管すれば1,024分の1に、240年保管すれば約100万分の1(104万8,576分の1)に減衰します。】
☆政府交渉の時程は以下の通りです。
第一部:「避難指示地域の医療費無料化措置の継続」を求める政府交渉
11:00~12:00 厚生労働省・復興庁
第二部:「トリチウム汚染水海洋放出の問題点」に関する政府交渉
13:00~14:15 経済産業省
14:20~15:05 農林水産省
15:10~16:00 原子力規制委員会
☆主催8団体:
脱原発福島県民会議
双葉地方原発反対同盟
原水爆禁止日本国民会議
原子力資料情報室
全国被爆2世団体連絡協議会
原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
ヒバク反対キャンペーン