2014年分科会報告原水禁大会原水禁大会 2014年

長崎大会第8分科会 見て・聞いて・学ぼう"ナガサキ"

2014年08月12日

長崎大会第8分科会
見て・聞いて・学ぼう”ナガサキ”─証言と映像による被爆の実相と平和運動交流

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まず原水禁国民会議が制作したドキュメンタリー「君たちは原爆を見たか」の上映を行いました。
続いて、被爆者の八木さんからの次の様な証言を受けました。
原爆投下から69年、いずれ最後の被爆者が亡くなる時が来ます。だからといって、それで終わりではありません。広島、長崎の原爆で亡くなった22万の人達のためにも語り継ぎ、平和のバトンをリレーしていってほしい。
原爆は落ちてきたのではありません。そこに多くの人々が生活していることが分かっていながら、人の手で投下されたのです。約400メートルの爆風、4000度の熱線は一瞬で多くの命を奪いました。1週間後の8月15日に終戦を決意するなら、なぜあと1週間早く決めてくれなかったのかと思います。
私は無事でしたが、子どもが出来た時、孫が出来た時に大丈夫か心配しました。知識としてではなく、心で分かってほしい。誰とも分からない遺体を校庭の広場で焼いたことを。二度と戦争はしてはならないのです。

次に西岡由香さん(漫画家)から次の様な講演を受けました。
ピースボートに乗船した際、世界中の人が広島、長崎を知っていることに衝撃を受け、住んでいる長崎について自分の出来る漫画で発信していこうと考えました。被爆体験の継承が大きなテーマになっています。私の漫画を見た方から、これなら怖くないので子どもに見せられると言われました。原爆の怖さは伝えなくてはならないが、悲惨すぎても拒否をされるというジレンマの中で描いています。
戦争の最初の犠牲者は「真実」であり、次は「文化」であると思います。戦争に役立たないものは邪魔者扱いです。集団的自衛権とは、武力外交がその正体だと思います。制限付きでも、後方でも関係なく敵になってしまいます。非武装という抑止力もあると思います。9条を守る外交をしてほしい。
私たちはもう一つの被爆者を作ってしまいました。「原発事故はスローモーションの核戦争である」と広島原爆資料館の方が話していました。いま国内では1基の原発も稼働していません。しかし、電気は来ています。命が原発や経済よりも重要という判決も出ました。意識改革が必要です。自然利用の発電も自家発電から普及し始めています。
放射能はなぜ危険なのか。細胞の結合エネルギーが10に対して、セシウムは65万、プルトニウムは510万のエネルギーがあります。それでDNAが切れてしまい、正常に戻らないことがあるのです。ですので、これ以下なら安全という数値は無いと思っています。「何もせず、何も言わず、自分たちにとって良い社会を求めることは不可能である」(ネルソン・マンデラ)。

最後にまとめとして、「戦争は国が行うと言うだけで出来るものではなく、それを支える国民の意識もある。だから、平和教育が大事になっている。被爆者の思いを受け止め、家庭や職場に伝えていこう」と確認しました。
(報告=政労連・佐藤茂)

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