2012年、分科会報告、原水禁大会、原水禁大会 2012年、被爆67周年原水禁世界大会
【67大会・報告】長崎第2分科会/脱原子力2―学習・交流編「地震と原発そして再稼動問題」
2012年08月08日
会場 長崎新聞文化ホール3F
講師 西尾漠さん(原子力資料情報室共同代表)
討論の要点と特徴
講演及び各地域報告を終えた後、参加者からの質問を通して、主に以下の討論が行われた。
(1)要点
政府が定める放射線の安全基準をどう捉えればいいのか。たとえば、食品(学校給食)をはじめ日常生活で必要となるものに対する安全基準が本当に人体に健康被害をもたらさないのか。
原発事故後の原発立地地域における原発政策に対する住民の反応と労働組合をはじめとする団体の取り組み状況(佐賀県、鹿児島県、福井県、静岡県、愛媛県)。
政府や電力会社が試算するエネルギーコスト(原発や自然エネルギー)は実際の研究では、どう評価されているのか。
(2)特徴
①自らが働く職場や地域を軸とした原発政策に対する疑問や提案についての発言が目立った。
たとえば、教員の方は、子どもたちが口にする学校給食の安全基準の問題や文部科学省が作成する副読本(放射能に関する)の扱い方について疑問を投げかけた。
また、原発立地外で暮らす参加者は、原発事故で原発の危険性が明らかになった今、なぜ原発立地地域で反対の声が上がらないのか、また、原発で働く労働者、労働組合はどう考えているのかといった投げかけも出た。原発立地地域と消費地域で異なる運動の盛り上がりやその困難さが際立つ状況となった。
②脱原発運動を取り組むにあたって、原水禁への提案が上がった。
1000万人署名や10万人集会(7月16日、代々木公園)をはじめ各地で広がる運動を背景にしつつも、政府にエネルギー政策を求める交渉、大飯原発を再稼働させた関西電力が所在する関西地域での大規模集会の開催、そして、学校現場で活用できる放射能の危険性を学習できる副読本の作成をはじめ、いくつかの提案があり、討論を通して、改めて脱原発を実現させる取り組みのさらなる強化を求める参加者の熱意が感じられた。