2011年、分科会報告、原水禁大会、原水禁大会 2011年
【66大会・報告】広島第6分科会/「見て、聞いて、学ぼうヒロシマ」
2011年08月05日
被爆体験について講演する平井昭三さん
第6分科会は、DVD上映及び、被爆証言を通じて、被爆地ヒロシマの実相に触れるとともに、若い世代へ運動をつなぐための分科会(入門編)として行われた。会場は約350人、3分の2が初参加者であり、なおかつ、若い人たちで占められ、そのほとんどは女性であり、次の世代への平和運動の継承という点からもふさわしい会場となった。
開会あいさつの後、分科会進行内容の説明を運営委員が行い、その後、DVD「君たちはゲンバクを見たか―ヒロシマ・ナガサキからの伝言」を上映した。内容は、ヒロシマ・ナガサキの被災状況から、ビキニ環礁での水爆実験による第五福竜丸、スリーマイル島及び、チェルノブイリ原発事故など23分にわたるものであった。被爆の状況や被爆者の写真、被爆者の証言や被爆二世の思い、韓国・中国・アメリカなど、海外の被爆者についても盛り込まれていた。また、アメリカが原爆投下の正当性をアピールしていることにも触れていた。
被爆者の証言の中で「つらいのは人の情けがないこと」という言葉や、「正しい戦争は絶対にない」「後に続く人たちに被爆者の心を引き継ぐことが使命」だという言葉が印象的だった。
その後、平井昭三さんを講師に迎え、「被爆証言」の講演を聴いた。平井さんは当時16歳で、友人宅にいて被爆した。父親と弟を原爆で亡くし、母親も被爆し、負傷したとのことだった。
被爆当時の状況、広島市街地が炎上する様子、被爆した人々が北方面に避難する状況を克明に証言された。父親の遺体発見、弟の遺体や遺品が全くないことがつらいということ、防火水槽や河川が遺体で埋めつくされた様子など、生々しく語られた。初めて被爆証言を聴いたという参加者には、原爆の悲惨さや惨状がよく伝わったと思う。
その他、アメリカで2ヵ月ホームステイし、ヒロシマの被爆証言をしたこと。ピースボートに参加し、様々な被爆(被曝)者との交流、また、ドイツに行って、アウシュビッツ収容所や、ドイツでの被曝証言や参加者との交流についてもお話があった。その中で、東日本大震災での福島原発事故にも触れて、「すぐには解決できないが、人類と原爆・原発は共存できない」と語った。最後に、「正しい戦争は絶対にない。どんな理由があっても絶対に戦争をしてはいけない」と強調した。
入門編にふさわしく、ていねいで、初参加者にもわかりやすく、なおかつ詳しく話されたので、説得力のあるだった。