2026声明申し入れ

原水禁声明「原子力事業者の適格性欠如と原子力政策の根本的破綻を訴える」

2026年01月23日

東京電力柏崎刈羽原発の再稼働および中部電力浜岡原発における不正問題を受けて、原水禁は以下の声明を発表しました。

原子力事業者の適格性欠如と原子力政策の根本的破綻を訴える

柏崎刈羽原発は、2011年に東京電力福島第一原発事故を引き起こした当事者である東京電力が運転主体となる原発である。事故の収束は見通せず、廃炉作業の先行きは不透明で、被災者に対する補償も不十分である。「ALPS処理水」や高濃度汚染の廃棄物処理、除染土と、廃炉作業を進める中でさらに問題は深刻化してきている。原発事故を引き起こした当事者として自らの責任を果たしていない東京電力に原発を動かす資格はない。まず東京電力がなすべきは、再稼働ではなく、福島第一原発の安全で確実な廃炉措置を進めることである。

今回の柏崎刈羽原発再稼働にあたって「地元合意」が強調されているが、その実態は知事の判断を県議会が追認したに過ぎない。「再稼働の条件は整っていない」「東電による運転を不安視する」という県民意識調査で多数を占めた声に応えることなく、住民投票による意思表示さえさせないまま再稼働への判断が下されたことは、民主主義のあり方としても大きな疑問を残す。

東京電力は当初1月20日の再稼働を予定していたものの、直前で制御棒の警報不具合で延期とし、21日未明に点検を終え、その日のうちに柏崎刈羽原発6号機を再稼働させた。しかし稼働から5時間で、原子炉から制御棒を引き抜く作業中にトラブルが発生し、作業を中断、その原因の特定に時間がかかるとして、原子炉を停止する判断となった。一連のお粗末な対応は、15年前の原発事故の教訓を忘れ、再稼働ありきで、安全最優先という基本姿勢を蔑ろにする企業体質を明白なものとした。

原子力発電事業者の不祥事、トラブルに関しては枚挙に暇がない。

中部電力も安全意識の欠落が明らかである。浜岡原発再稼働に向けた審査で、安全対策の水準となる基準値振動のデータ捏造問題が発覚した。

さらに、外部通報がなければわからなかったという事実は、原子力規制委員会の安全審査の信頼性そのものまでも疑念を生じさせる。再稼働を渇望する原子力事業者への「お墨付き」を与えているのみで、原子力規制庁・規制委員会の審査に限界があることはだれの目にも明らかになった。

東京電力福島第一原発事故の発生からまもなく15年となるが、今なお多くの人びとが避難を強いられ、ふるさとや生活を奪われたままである。事業者の安全管理体制が十分ではないにもかかわらず、日本政府は原発推進、積極活用へと再び舵を切った。私たちは被害者の苦しみに背を向け、原発事故をなかったかのように政策を推し進めようとする政府の姿勢を決して許すことはできない。

もはや原子力災害に対する「想定外」など存在しない。経済一辺倒で、安全を二の次にするような原子力政策そのものを今すぐ撤回すべきである。

2026年1月23日
共同議長 川野浩一
金子哲夫
染 裕之

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