被爆79周年原水禁世界大会、2024年
「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」が開会しました
2024年08月05日
8月4日、「被爆79周年原水爆禁止世界大会・広島大会」開会総会が広島市・グリーンアリーナで行われ、約2200人が参加しました。
開会総会の前段には、平和記念公園から開会総会会場に向けた「折鶴平和行進」が行われました。全国各地からの参加者は炎天下の広島市街を行進し、大会会場のグリーンアリーナへと入場しました。
開会総会は岡本依純さん(第25代高校生平和大使)の司会のもと、すすめられました。はじめに原爆被害者への黙とうを参加者一同で行いました。
金子哲夫・共同実行委員長が主催者あいさつ。ウクライナやパレスチナなどの危機的状況に触れ、単に核兵器に反対するだけではなく、核兵器使用につながるすべての戦争に反対するのが「ヒロシマの心」だとし、アメリカと「拡大抑止」強化で合意した岸田首相は被爆者の想いを踏みにじっていると指摘。また、「核と人類は共存できない」というスローガンに込められた意味を、原水禁運動におけるさまざまなとりくみや経験を紹介しながら解説し、被爆80年に向け原水禁運動の強化を呼びかけました。
来賓として広島市市民局長の村上慎一郎さんが登壇し、松井・広島市長からのメッセージを代読しました。
日本被団協代表理事の田中聰司さんから被爆証言を受けました。原爆投下2日後、1歳5か月であった田中さんは、お母さんとともに「入市被爆」するとともに、多くの家族・親族を原爆で失いました。青少年時代には心無い言葉を受けたり、社会人になってから食道がんをはじめとした闘病も経験しました。新聞記者を務めるなかで被団協に出会い、被爆者として活動してきた経緯について語りました。核保有国に未来を託すことはできない、核への怒りをとり戻し、ともに声を上げようと訴えました。
続いて、広島・長崎選出の高校生平和大使と高校生1万人署名活動実行委員会のみなさんが登壇しました。それぞれ核廃絶にとりくむ原動力となる自らの想いを語り、核なき世界をつくるために国内外でがんばっていく決意を述べました。
開会総会に参加した海外ゲストが紹介され、代表してアメリカ・ピースアクションのデーヴィッド・ギブソンさんがスピーチし、アメリカ政府がいまこそ、人権と相互の生存を尊重する政策へと転換することが必要だとし、この世界を変えるためにともにがんばろうと述べました。
また、ドイツ緑の党のハーアルド・イブナー・連邦議会議員のビデオメッセージが上映されました。
谷雅志・実行委員会事務局長が大会基調を提起しました(→大会基調全文はこちら)。核と戦争をめぐる厳しい世界情勢、原発回帰に向けた動きを踏まえつつ、原水禁運動がとりくんでいる課題について確認していきました。世界のヒバクシャとの連帯のなかで培われた「核絶対否定」の立場はいっそう重要になっています。この間とりくんできた運動の次世代継承を強化しながら、日本政府、そして世界を大きく揺り動かすことをめざし、本大会を成功させることを訴えました。
その後、広島音楽サークル協議会のみなさんのリードで「原爆許すまじ」を合唱しました。
さいごに、秋葉忠利・代表委員が閉会あいさつを行い、今後の具体的運動目標を立てつつ、核廃絶を実現していく基本的構想を構築するためにともにとりくむことを参加者一人ひとりに呼びかけ、集会を終了しました。
今後、広島大会としては5日に分科会・ひろば・フィールドワーク、6日に国際シンポジウムとまとめ集会が行われる予定です。