2023年、声明申し入れ
【原水禁声明】老朽原発・高浜原発1号機の再稼働を許さない
2023年07月29日
原水禁は、7月29日付で以下の声明を発表しました。
老朽原発・高浜原発1号機の再稼働を許さない
7月28日、関西電力(関電)は、営業運転開始から48年も経つ高浜原発1号機(福井県高浜町)を再稼働させた。国内で最も古い老朽原発だ。
高浜原発1号機は、2011年1月に定期検査入りして以降、福島原発事故以降も停止し続けていた。再稼働は、約12年ぶりとなる。長期に渡って運転停止であった原発だけに、トラブルが懸念される。
先の通常国会でGX関連法案が可決・成立した。その中でこれまでの原則40年としていた原発稼働期限を、60年超の運転が可能とする法律が成立し、将来的には高浜1号機が国内初の60年超運転となる可能性がある。さらに高浜2号機は9月中旬に再稼働するとしており、関電は、廃炉中を除いた7基の原発すべてを稼働させようとしている。
今回の老朽原発の再稼働は、岸田政権が進めるGX方針の「原発の最大限活用」と「運転延長」を推し進めるものであり、私たちとして認めるわけにはいかない。
政府方針は、脱炭素の実現に向けたエネルギー確保のために2030年度までに27基程度の原発再稼働が必要だとしている。現時点で再稼働した原発は、高浜原発1号機を含め11基に留まっている。残り7年で16基の原発の再稼働が順調に進むとは考えられない。安全神話が崩壊し、ましてや老朽原発が安全であることの信頼など得られずはずがない。
GX基本方針を作り、法改正や新制度を創設しても、破綻した原子力政策を回復させることはそう簡単にはできない。いまこそ原子力政策の行き詰まりの現実を認め、延命のための無駄な原発を再稼働させ、多くの放射性廃棄物を作り出すことを止めるべきだ。特に関電は、地元福井県から求められている使用済み核燃料の県外搬出の約束さえ守られていない。フランスに一部を搬出したことで約束を果たしたとしているが、地元からも異を唱える声が多数出ている。
そのような中で原発の再稼働を進め、使用済み核燃料を大量に作り出し続けることは、県民に対する裏切りであり、無責任極まりない行為である。また、処理処分が極めて困難な放射性廃棄物を大量に作り出すことは、将来世代に負の遺産を残すことになりえる。世代間倫理としても問題だ。
あらためて私たちは、老朽化した原発の停止とこれ以上放射性廃棄物を生み出さないことを強く求める。
2023年7月29日
原水爆禁止日本国民会議
共同議長 川野 浩一
金子 哲夫
藤本 泰成