2023年05月22日
5月18日、超党派の国会議員による「被爆者問題議員懇談会」設立総会が開かれました。この議員懇談会は「原爆症認定や被爆者健康管理、被爆二世および在外被爆者などの被爆者問題について問題意識を共有し、政治解決をめざすこと」(規約より)を目的とするもので、被爆地広島・長崎選出の国会議員を中心に呼びかけられました。
設立にあたって役員体制を確認したのち、被爆者、被爆体験者、被爆二世、在外被爆者の当事者および支援者からのヒアリングと意見交換を行いました。
いずれの課題においても訴訟などがとりくまれていますが、当事者の高齢化が進行しており、早期の政治的解決が求められているなか、「被爆者問題議員懇談会」の設立は画期的と言えます。原水禁としても重要な課題として引き続き支援・協力していきます。
【参考記事】被爆者問題 野党が「議員懇談会」設立総会開く 立民や国民有志、超党派で解決へ
https://nordot.app/1032104326827688459
2023年05月20日
5月17日、原水禁は広島市・広島YMCA国際文化ホールにおいて、「『ヒロシマ』のおもい、核兵器廃絶のおもいを世界へ5.17原水禁集会」を開催し、約200人が参加しました。
金子哲夫・原水禁共同議長からの主催者あいさつの後、秋葉忠利さん(原水禁顧問・元広島市長)、梶原百恵さん(大学生・被爆体験伝承者)によるトークセッションが行われました。また、広島・長崎の高校生平和大使からの発言を受けました。
その後、集会アピールを採択し、参加者全体でプラカードアピールを行いました。
(近日中にアーカイブ動画を掲載します)
【参考記事】原水禁が広島でサミット前集会 「核の先制不使用宣言を」アピール採択
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/307218
集会アピール
間もなくG7サミットがここ広島で開催されます。私たちはG7サミットが、「ヒロシマ」に込められた被爆者や市民の思い、ならびにこれまでの歴史をふまえ、「ヒロシマ」の意味を世界に広める場となることを望んでいます。
「ヒロシマ」の意味は、被爆の実相を我がこととして理解し、被爆者の声や訴えをしっかりと受け止め、核兵器のない平和な世界の実現をめざすことにあります。これまで広島・長崎だけが唯一、戦争による被爆を経験しました。原爆の犠牲になったのは何の罪もない一般市民であり、その苦しみは今なお続いています。
その後今日まで、核兵器が使われなかったことは重要な意味があります。被爆者が自らのつらい体験を証言し、その凄惨な状況を訴えることが、核兵器使用を世界で思い留まらせてきたのです。被爆者こそが核使用を阻止する核抑止の最大の力となってきました。G7各国首脳は広島に来たのであれば、まずは被爆者の声に耳を傾けるべきです。
世界各国は核不拡散条約(NPT)と、それを補完する核兵器禁止条約(TPNW)の二つの国際条約をもとに、核軍縮、核兵器廃絶の大きな流れを作り出そうと模索しています。NPT体制が認める核兵器保有国は、2022年1月に、「核戦争に勝者はおらず,決して戦ってはならない」とする共同声明を出しました。その直後、2月には核兵器保有国であるロシアによるウクライナ侵攻があり、核兵器使用の威嚇が繰り返されています。どの国であっても核兵器保有を認めてはならないことを証明する結果となりました。めざすべき方向性はTPNWの拡大であることは明白です。
核兵器廃絶を実現させるための具体的な一歩として、核保有国が「核の先制使用はしない」と宣言することが必要です。岸田首相が広島選出の首相として、核兵器廃絶を本気でめざすのであれば、まずは今回のG7サミットの場で、「核の先制不使用宣言」をとりまとめる責任を果たすべきです。そして、1日も早くロシア・ウクライナ戦争を終わらせるための外交努力に尽くすべきです。
私たちはこれまでも、「核と人類は共存できない」として、反戦・反核を訴えてきました。被爆の実相を原点とした世界のヒバクシャ援護・連帯と核廃絶運動、それらの次世代継承をめざし、今後も粘り強く運動を進めていきます。核も戦争もない平和な社会の実現のため、具体的な行動にとりくんでいくことを確認し、本集会のアピールとします。
2023年5月17日
5.17原水禁集会 参加者一同