2022年、ニュース、世界・原水禁の動き
核廃絶に向けた具体的筋道の議論を 「国際賢人会議」との意見交換会に参加しました
2022年12月14日
岸田首相が2022年1月立ち上げを表明し、核兵器廃絶に向け核兵器保有国と非核兵器保有国の橋渡しの役割を担うことを目的に掲げた「『核兵器のない世界』に向けた国際賢人会議第1回会合」が12月10日・11日、広島市で開催された。その中の一つのセッションとして国内NGO団体と「賢人」との意見交換会が設定され、原水禁も「核兵器廃絶日本NGO連絡会」の一員として参加した。「賢人」とされた参加者は、アメリカやロシアなど各国からあくまでも個人としての参加であることを強調され、それぞれの立場を理解したうえで礼節を欠くことがない発言を行うよう何度も確認をされた。
そのセッションの中でロシアの方から「日本は核兵器禁止条約に署名・批准をしていない。みなさんのようなNGOに意見を求めるような場面はあったか」といった質問、中国の方から「核兵器禁止条約に署名・批准をするために政府にどう働きかけているのか」といった内容の質問があった。私たちとしては一日も早い署名・批准を求めていることや、政府は「核の傘」に守られている状況を否定できないことから米国との関係を優先している現状について等、意見を述べた。
特に被爆者の訴えに頷く参加者の様子が印象的で、広島は特別な場所だと繰り返し話されたことから、実際に広島を訪れることの意味は重要であるようと改めて確認された。その意味をより世界に広げていくうえでは、より多くの訪問と理解を促していかなくてはならない。世界から広島・長崎を訪れる人がより多くなるよう、国際的な発信を原水禁としても今後も意識をして継続していきたい。
原水禁は引き続き、世界各国と連帯して核兵器廃絶に向けた具体的道筋の議論を促していきたい。そのためにまず日本政府は核兵器禁止条約に署名・批准をし、核兵器廃絶に向けた決意を明確に世界へ示すべきであり、その姿勢への信頼なくして橋渡し役を担うということなどあり得ないと考えている。
(原水禁事務局長 谷雅志)
※写真は核兵器廃絶日本NGO連絡会の提供