5月, 2021 - 原水禁

「―第3次原水禁エネルギー政策の提言―」全編PDFデータ公開

2021年05月13日

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)では、各専門分野の委員の皆様にご協力いただき、東京電力福島第一原発事故以降のエネルギーを取り巻く環境の変化に対応したエネルギー政策の「提言」をとりまとました。

2021年3月に記者会見を行い、概要版を発表するとともに、国会議員へ向けて概要版の配布を行ってきました。

 

全編をご覧になりたい方は、以下のPDFをご覧ください。

「―第3次原水禁エネルギー政策の提言―」(PDF)20210730時点

 

 

 

 

※書籍化にあたり、図表の整理を行い、7月30日付のファイルに変更いたしました。(8月12日更新)

原水禁エネルギープロジェクトからの「提言」

4/30 17,000を超える声!「でんきの市場価格高騰の実態解明と公平なしくみを」署名提出

2021年05月20日

17,000を超える声!「でんきの市場価格高騰の実態解明と公平なしくみを」署名提出
https://power-shift.org/petiton_jepx_210430/


2021
430
パワーシフト・キャンペーン運営委員会

原水禁も参加するパワーシフト・キャンペーンは、430日(金)午後、17,047筆を超える署名「再エネ普及に大きなカベ?!でんき市場価格高騰の実態解明と公平なしくみを求めます」を資源エネルギー庁電力・ガス事業部 電力産業・市場室に提出しました。

ホームページでもご案内させていただきましたが、ネット署名数は、後半に大きく伸び、市民の関心の高さを示しています。


4
28日の「電力・ガス基本政策小委員会」にて、「2020 年度冬期の電力需給ひっ迫・市場価格高騰に係る検証 中間取りまとめ(案)」が示されました。
第34回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会(METI/経済産業省)

2月から3月にかけて、電力ガス取引監視等委員会にて状況の調査が行われました。
具体的には、大手の電力会社による売り入札と買い入札が適切であったかが確認され、「大手電力会社による不当な売り惜しみはなかった」と結論づけられました。

329日の内閣府再エネ規制改革タスクフォースでは、構成員から、
「不当な行為がないのに異常事態が生じたとすれば、市場制度の 不備が最大の要因ということになる。」
等の意見が、詳細な分析とともに出されています。

第7回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース 議事次第 : 規制改革 – 内閣府 (cao.go.jp)
構成員からの意見(資料6-1)

また、この事態に対して、再エネを重視する新電力などいくつかのグループも、経済産業省に対して繰り返し働きかけをしています。「今回の価格高騰は制度の未整備による異常事態であり、その支払いは特別損失として計上したい」「一般送配電事業者の差益は適切に還元してほしい」といった要望が出されています。

市場制度の不備を最大の要因とする価格高騰の甚大な影響が、「自己責任」という形で新電力、特に再エネを重視する新電力に押しつけられています。

パワーシフト・キャンペーンでは、署名提出にあたり改めて、以下を要請しました。
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1.原因究明と再発防止策を
・大手電力と再エネ新電力の間の情報格差があるのではないか。
大手電力の不当な買い越しや売り渋りはなかったとの結論だったが、大手電力の需要見積もりのずれがあったことは確かではないか。
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/033_s03_00.pdf
2.送配電会社の過剰なインバランス利益について、過剰な損失を受けた新電力に還元すべきではないか
・インバランス収支を旧一電、新電力の別で公表すべき
・過去の累積赤字と相殺する案が出ているが、今回の事象に対する対応は別にすべき
3.再エネ普及、主力電源化の趣旨に反するのではないか
・特に、再エネを重視する新電力に多大な影響が出た。制度のゆがみ・不備と言える。このままでは、再エネ新電力の発展や、再エネの普及にも支障があると考えられる。
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<問題の背景は・・?>
1月の電気代が10万円に?!」
一部の再エネ新電力と契約している消費者から、悲痛な声が聞かれました。
天然ガスの在庫不足を背景に、大手電力などから電力市場への供給電力量がしぼられたことで、電力の市場価格が高騰しました。電力市場価格は通常は平均で10円程度、高くなる時間帯でも50円程度でした。ところが、20211月中旬には、250円を超える時間が発生するほど高騰しました。

また市場価格に連動しているFIT電気(固定価格買取制度の支援を受けている再エネ電気)の仕入れ価格も高騰しました。その打撃を一番受けたのが、再エネ新電力や地域新電力でした。独自の化石燃料電源を持たず、FIT電気や市場からの電気を中心に調達している場合が多いためです。

しかし、冒頭のような極端な電気代高騰となったのは一部の消費者で、「市場価格と連動した価格体系」をとっていた新電力と契約していた場合です。ほとんどの新電力は、消費者に価格高騰の転嫁を行っていません。そのため、消費者の電気代は変わっていませんが、数千万・数億円単位の損失を新電力みずからで抱えることとなったのです。
一方、大手電力は逆に市場に電気を売っている側です。エリアよって多少の影響もありましたが、新電力の打撃とは比べ物になりません。

大手電力会社と新電力、とくに再エネ供給をめざす新電力との間に大きな格差と不平等な状況がありますが、今回の市場価格高騰でもその不平等が露見し、格差がさらに拡大されることとなっているのです。

20214月、パワーシフト・キャンペーン運営委員会)

 

ネット署名「再エネ普及に大きなカベ?!でんき市場 価格高騰の実態解明と公平なしくみを求めます」 のとりくみについて

40年超の原発再稼働に断固反対する原水禁声明の発出について

2021年05月04日

4月28日、杉本達治福井県知事は、運転開始から40年を超えた福井県内の関西電力美浜原発3号機、高浜原発1・2号機の再稼働に同意しました。

 これを受け、原水禁声明を発出致しましたので、ご報告いたします.

 

 

40年超の原発再稼働に断固反対する

 

4月28日、杉本達治福井県知事は、運転開始から40年を超えた福井県内の関西電力美浜原発3号機、高浜原発1・2号機の再稼働に同意した。周辺住民をはじめとする県民、周辺県の反対や不安の声を無視し、再稼働に同意したことは断じて許されない。

運転開始から40年を超える老朽原発の再稼働は、東京電力福島第一原発事故後に原発の運転期間が「原則40年、最長で延長20年」と定められ、あくまで再延長は、例外的であったはずである。しかし、国が「脱炭素社会」に向けて進めている計画の中で、原発活用論を打ち出している。計画通り、2030年度に原子力発電を電源構成比率の20~22%にするためには、原発は30基程度が必要になる計算である。そのためには、今後、多くの40年超の原発再稼働が必要となり、「40年ルール」という原則を形骸化させるものになる。

老朽原発は、安全性、労働者被曝の増加、避難計画など、さまざまな問題がある。今回の高浜原発では電気ケーブルの火災防災対策やテロ対策等施設の未完や基準地震動の過小評価による耐震性の問題などが指摘されている。労働者被曝についても、機材の劣化による点検交換、故障・事故の増大等により、労働者被曝の増加が懸念される。さらに、避難計画の問題は、大阪や京都といった大都市圏を背後にかかえ、その実効性が問われている。3月18日、東海第二原発の運転差し止め裁判では、避難計画や防災体制が不十分として、運転差し止め判決が出された。福井県では「避難先の確保」もたりず、避難の実効性も問題となっている。

また、かねてから県知事が求めていた使用済み核燃料の福井県外での中間貯蔵の問題も、解決策がなく先送りされたままである。

それらと引き換えに、新たな交付金として原発1ヶ所につき25億円、美浜と高浜で合わせて50億円を手にすることによって、老朽原発の運転延長に同意したことは、福井県民の命や安全を蔑ろにしていると言わざるを得ない。

原水禁は、このような危険性がある40年超の老朽原発再稼働に断固抗議し、福井県知事の同意撤回を強く求める。住民の命を守り、脱原発・脱炭素社会を求めて、さらに運動を強化していく。

2021年5月3日

原水爆禁止日本国民会議

共同議長 川野 浩一

金子 哲夫

藤本 泰成

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