12月, 2020 - 原水禁 - Page 2

大飯原発設置許可取り消しの判決を真摯に受け止め、直ちに廃炉を選択せよ

2020年12月08日

 12月4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、安全審査基準に適合するとした原子力規制委員会(規制委)の判断は誤りだとして、福井県など11府県の住民127人が設置許可の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は、設置許可を取り消しました。地震による原発事故の懸念に目を向けた画期的な判断で、判決では、新規制基準に基づく原子力規制委員会の判断には「看過しがたい、過誤・欠落がある」と、その誤りを強く糾弾し、国の安全審査に疑問を突きつけました。

今回の判決を受け、原水禁として声明を発しましたので、ここに掲載いたします。

 

 

大飯原発設置許可取り消しの判決を真摯に受け止め、直ちに廃炉を選択せよ(原水禁声明)

 

 12月4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り、安全審査基準に適合するとした原子力規制委員会(規制委)の判断は誤りだとして、福井県など11府県の住民127人が設置許可の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は、原告の主張を認め設置許可を取り消す判断を下しました。

 東京電力福島第1原発事故を踏まえて策定された新規制基準の下で、設置許可を取り消す司法判断は初めてです。判決は、新規制基準に基づく原子力規制委員会の判断には「看過しがたい、過誤・欠落がある」と、その誤りを強く糾弾しています。地震による原発事故の可能性に目を向けた画期的な判断であり、国の安全審査の根幹に大きな疑問を突きつけるものです。

 裁判では、耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の評価を基に設置を許可した規制委の判断の妥当性が大きな争点となり、その中で原告側は「基準地震動の算出で、過去の地震データの数値に平均値から外れたものなどがあるが考慮されておらず、地震の規模や基準地震動が過小評価されている」と主張しましたが、国側は「数値のばらつきを考慮する必要はない」としました。判決では、規制委が定めた審査ガイドもばらつきを考慮する必要性を示しているとして、規制委は、基準地震動を算出する地震規模の想定で必要な検討をせず、「審査すべき点を審査していないので違法だ」ときびしく指摘しています。原発の安全性をチェックする規制委の耐震設計の手法が根本から否定されました。

 2014年福井地裁が、大飯3、4号機については、「地震対策に構造的な欠陥がある」として運転差し止めの判決を出しました。その際、官房長官(当時)だった現在の菅義偉首相は「規制委が世界で最もきびしい安全基準で審査し、その結果を待って(再稼働させる)ということだ」と述べています。政府は、判決を受け止めることなく再稼働を積極的にすすめ、2017年に規制委は、新規制基準に基づき審査し安全であるとして再稼働させました。首相や規制委の姿勢が改めて問われています。

政府・規制委は、今回の司法の判断を重く受け止め、新規制基準下で許可を受け稼働している原発は直ちに停止し、すべての原発の耐震性の見直しを行うとともに、地震や活断層の問題が指摘される危険な原発は直ちに廃炉とすべきです。

現在定期検査で停止している大飯3,4号機の再稼働はむろん許されず、関西電力は、廃炉の選択をとるべきです。それが、原発マネー問題などで市民社会の信頼を失った関西電力がとるべき唯一の道と考えます。

 

2020年12月8日

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野浩一

 

 

12月5日~6日、高校生平和大使「ヒロシマ研修」を実施

2020年12月07日

12月5日~6日、高校生平和大使「ヒロシマ研修」を実施

12月5日~6日、全国16都道府県、28人の平和大使が広島市に一堂に会し、「ヒロシマ研修」を開催しました。

例年であれば、6月に広島研修、8月に長崎研修を実施し、8月後半に欧州訪問を行っています。しかし、2020年はコロナ禍にあり、思うような活動ができていませんでした。

今回、感染症対策を徹底し、半年遅れての顔合わせとなりました。

「ヒロシマ研修」は、高校生平和大使派遣委員会の小早川共同代表の「本日を迎えられてよかった」と開会のあいさつから始まりました。

その後、広島平和記念資料館元館長の原田浩さんが、「被爆体験そのものを自分のものにして下さい、自分のものとして考えて、核兵器をなくす努力をしてください」と被爆者からの生の声を伝えました。

原水禁からは広島の代表委員である金子哲夫さんが「世界中に核被害者が存在している」と問題提起を行い、平和大使経験者からは体験談や現在の取り組みが語られました。

続けて、共同代表の在間さんの「高校生平和大使に期待する」と題した講和が行われ、同じく共同代表の平野伸人さんからは「平和大使の歴史と役割」と題して心構えが熱く語られました。

その後、自己紹介を兼ねた各県からの活動報告を行いました。

コロナ禍でこれまで活動の中心であった署名活動に代わる活動を、各県、高校生平和大使が模索し、それぞれ独自の活動を行っていることが報告されました。

6日は、広島平和記念公園でフィールドワークを行い、平和記念資料館を見学しました。

高校生平和大使としての使命と自覚を一層高める「ヒロシマ研修」となりました。

 

12月13日 止めよう!六ヶ所再処理工場  新“原告”募集の集会、開催します!

2020年12月04日

止めよう!六ヶ所再処理工場 新“原告”募集の集会、開催します!

 

 六ヶ所再処理工場の行政訴訟を担ってきた核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団が、新たに“原告”を募集いたします。

 1993年の提訴(青森地裁)以来、27年間111回の口頭弁論が行われ、青森県民を中心とする原告団・弁護団と被告の国と日本原燃の論争が続いてきました。2011年の福島第一原子力発電所事故を契機に作成された「新規制基準」は、核燃料サイクル施設に対しても重大事故対策を義務付けています。この「新規制基準」に対応した事業変更許可処分が2020年7月に行われ、裁判の審理の内容も大きく変わることになりました。

 原告団は、この新たな許可処分に対して、現在係属している取消訴訟(以下、「旧訴」)とは別に、新たな取消訴訟(以下、「新訴」)を提起する方針を決定し、この「新訴」の原告を募集しております(申込みは12月20日頃までにお願い致します)。

 本集会では、六ヶ所再処理工場の現状と「新訴」について、弁護団からお話させていただき、新たに原告募集を行います。世界でも類を見ない商業再処理工場をめぐる行政訴訟に、ぜひご参加ください。

 

本集会では、平和フォーラム/原水禁アカウントによるツイキャス配信も予定しております。

こちらのTwitterアカウントよりご覧ください。

※当日は、開会の10分前より配信を開始いたしますので、上記のTwitter画面から入っていただき、配信をご覧ください。

 

◆12月13日(日)13:30〜15:30

◆千代田区立内幸町ホール(JR、地下鉄新橋駅、都営地下鉄内幸町駅下車)

  *東京電力本店向かい   https://www.uchisaiwai-hall.jp/access/

◆【報告】六ヶ所再処理工場の現状(淺石紘爾弁護士・ZOOM参加)

     六ヶ所再処理工場と新規制基準(海雄一渡弁護士)

     新訴」提起について (伊東良徳弁護士)

◆資料代:800円

  • 新型コロナ感染対策として、参加人員の制限、マスクの着用、体調不良の場合は、ご参加をご遠慮いただくなど、ご協力をお願い致します。
  • 当日会場で原告参加の受付いたします。印鑑、諸経費1万円の準備をお願い致します。

◆ 集会後、「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」のデモを予定しております。 

                                       

主催 :核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/核燃サイクル阻止1万人訴訟弁護団 /
    再処理とめたい!首都圏市民のつどい 

賛同:原子力資料情報室、原水爆禁止日本国民会議

問い合わせ:核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(東京事務局:澤井090-4422-5394)

 

12月1日、さようなら原発1000万人アクション―市民と議員の意見交換会を実施

2020年12月02日

12月1日、さようなら原発―市民と議員の意見交換会を実施

原水禁が事務局を務める「さようなら原発1000万人アクション」実行委員会は、この間、国会会期ごとに「原発ゼロ基本法案」を共同提案した立憲野党との意見交換を重ねてきました。
今臨時国会でも、「原発ゼロ基本法案」の審議や原子力政策に関わる様々な課題について議論を諮っていただきたくため、12月1日、衆議院第一議員会館 大会議室において、立憲野党議員との意見交換会を開催しました。
会場参加者のほか、オンライン配信の視聴者も含め、多くの市民が参加しました。

「でたらめな原子力政策を、国会で多数を占めて、変えていこう」と、さようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人である鎌田慧さんが、主催者挨拶を行いました。

「福島第一原発の汚染水問題」について、原子力資料情報室の伴英幸さんが問題提起し、汚染水海洋放出の危険性を訴えました。

続いて、各政党からの発言となり、会場に到着した順番に発言をいただきました。


第180回国会に提出された脱原発基本法案(原発ゼロ法案)は、提出から2年9カ月もたなざらし状態にあります。与党の審議拒否が続いているだけではなく、来年改訂される「エネルギー基本計画」が原発回帰にならないように取り組んでいく旨の発言を、それぞれの議員からいただきました。

発言順は以下の通りです。

山崎誠さん 立憲民主党/「原発ゼロ基本法」事務局
笠井亮さん 日本共産党
福島みずほさん 社会民主党
辻村ちひろさん れいわ新選組(党代表・東京8区総支局長)
大河原雅子さん 立憲民主党
伊波洋一さん 沖縄の風

集会の時間が限られた中で行われた意見交換では、「老朽原発を止めることこそ、原発をなくすことにつながる」という意見が出されました。

最後に、「国会の活動と大衆活動をつなげていく」と呼びかけ人の鎌田慧さんの閉会あいさつで、集会は終了となりました。

なお、集会の様子は、さようなら原発1000万人アクションのツイキャスにて、録画をご覧いただけます。

動画はこちらから→ https://twitcasting.tv/sayonara_n2011/movie/654114617

 

原水禁は、汚染水海洋放出の問題について、日本のみならず、これまでともに原水禁活動を行ってきた海外の活動家・団体に、「汚染水放出を止めるため」のキャンペーンを呼び掛けています。
結論ありきの議論にさせないためにも、引き続き、海外とも協力し、取り組みを強めていきます。

[Please share this widely] “Say NO to the dumping of Fukushima’s radioactive water to the Pacific Ocean!”

海外での「トリチウム汚染水海洋放出反対する原水禁からの呼びかけ」についてご紹介

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