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「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みについて
2020年08月18日
「止めよう再処理!100万人署名」の取り組みについて
1993年から始まった六ヶ所再処理工場の建設は、27年経った今でも完成していません。この間、原発や核燃料サイクルをめぐる環境は大きく変わり、原発の新増設は進まず、むしろ原発の廃炉が相次いでいます。原発は「廃炉の時代」を迎えています。核燃料サイクルも、中心となるべき高速増殖炉は、原型炉「もんじゅ」の開発がとん挫(廃炉)となり、フランスなどとの高速炉開発も行き詰まっています。プルトニウム消費のためのプルサーマル計画も低調なまま、先行きが不透明となっています。核燃料サイクルは、実現性もなく政策的にも破綻しています。しかし、安倍政権は、原発・核燃料サイクル政策を強引に推し進めています。
原発をめぐる世論は、福島原発事故以降大きく変わり、圧倒的多数は脱原発を求めています。核燃料サイクル政策の破綻は、六ヶ所再処理工場やMOX加工工場、むつ使用済み核燃料中間貯蔵施設の存在意義を失わせました。余剰プルトニウムを持たないことを国際公約としている中で、これ以上プルトニウムを増産すれば、国際社会に「核武装」の懸念を与えます。六ヶ所再処理工場は、核拡散の面からも問題となっています。このまま核燃料サイクルを進めれば、処理・処分の難しい核のごみを増やし、危険なプルトニウムを増やすだけです。現在、六ヶ所再処理工場は規制委員会による新規制基準に「適合」とされ、完工そして稼働に向け動き出していますが、ここで止めることが重要です。
今年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、4月の「4・9反核燃の日」行動を取り組むことができませんでした。核燃料サイクルが破綻している現状をこのまま放置することなく、反核燃の声を大きく集め、世論にしていくために、標記署名を現地の方々と協力して展開することになりました。ぜひご協力をお願い致します。
記
止めよう再処理!100万人署名 署名用紙『止めよう再処理!100万人署名』(PDF)
1.要請先
内閣総理大臣/経済産業大臣/原子力委員会/原子力規制委員会
2.要請項目
1.原子力政策、核燃料サイクル政策の根本的転換を求めます。
2.六ヶ所再処理工場、MOX加工工場、むつ使用済み核燃料中間貯蔵施設、世界初の大間フルMOX原発の建設中止を求めます。
3.プルトニウム利用政策の放棄を求めます。
4.プルサーマル計画の中止と第二再処理工場計画の放棄を求めます。
5.下北半島を核のごみ捨て場にしないことを求めます。
6.原子力政策、核燃料サイクル政策について公開討論会を求めます。
3.呼びかけ団体
止めよう再処理!100万人署名実行委員会
原水爆禁止日本国民会議・原子力資料情報室・核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会・反原発運動全国連絡会・青森県反核実行委員会
4.目標数 100万筆
5.締め切り 2021年3月31日
6.送付先 青森県反核実行委員会 〒030-0811 青森県青森市青柳1-3-14 ℡ 017-776-5665
7.学習小冊子(A5判・24頁)を作成しました。ご活用ください。
「STOP!再処理―六ヶ所再処理工場を動かしてはいけない10の理由」はんげんぱつ新聞編集部・著
販売価格 1冊200円・送料別 *申込書Word(ダウンロードしてご使用下さい)
8.その他
①青森県反核実行委員会からの呼びかけ要請文(以下記載)
②署名用紙は、PDFデータを印刷してください。なお、大量に必要な場合は、原水禁事務局へご相談ください。
ストップ再処理!百万人署名 の要請
私たちは、六ヶ所再処理工場をはじめとする、下北半島に展開している核燃サイクル政策に関わる原子力施設の計画・建設・操業に反対している。その主な理由は①六ヶ所再処理工場の意義が既に失われていること②世界初のフルMOX大間原発を軽水炉原発の運転経験がない電源開発が手掛けるのは無謀であること③むつ使用済燃料貯蔵施設から50年後に搬出する保証がない等の理由にあります。
六ヶ所再処理工場は、平常時の運転でも多量の放射能を垂れ流し、また抽出したプルトニウムは、国際原子力機関(IAEA)も「2週間ほどで核兵器に転用可能」と認めています。日本のプルトニウムの大量保有は海外からは核拡散の問題であるととらえられています。そして同時に取り出される回収ウランは使い道がない事や、重大事故への対処は通常の原発以上に困難であり、周辺住民の避難さえ下北半島の地理的条件や自然条件によって大きな困難に直面することが懸念されています。六ヶ所再処理工場は、1997年完工予定であったが、今現在も完工にいたらず、その間に建設費も7600億円から約3兆円にまで膨れ上がっています。現在総事業費も14兆円という巨額な費用が見積もられていますが、それで済む保証はなく、その料金は私たちの電力料金などから支払われています。何より巨額の投資に見合うほどの恩恵があるとは思えません。核燃料サイクルが破綻しているいま、六ヶ所再処理工場の存在意義は失われています。
大間原発はプルサーマル燃料を大量に消費することが期待されていますが、MOX燃料は制御が難しく、事故時の被害が深刻なものになることが指摘されています。さらに、使用済MOX燃料は長期に渡る冷却が必要となるなど問題が多い。現在、使用済MOX燃料も再処理することが方針として示されていますが、具体的計画はありません。むつ市にある使用済燃料貯蔵施設は、貯蔵期間50年までに再処理工場に搬出することを約束していますが、六ヶ所再処理工場の後の第二再処理工場の具体的計画はまったくなく、そのまま留め置かれ核のごみ捨て場となる可能性が高い。
核燃料サイクル施設や原発が集中立地する下北半島は、原子力政策の矛盾と破綻が象徴的に表れています。原発は「廃炉の時代」に入り、核燃料サイクルはいたるところでほころび、まともにサイクルできずに破綻の現状を見せています。そのような中で安倍自公政権は、エネルギー基本計画を打ち出し、原発・核燃料サイクルの推進に躍起になっています。その流れは、来年の第6次エネルギー基本計画に引き継がれようとしています。しかし、いまこそ原子力政策・核燃料サイクル政策の根本的転換が求められています。
私たちは、六ヶ所再処理工場とMOX加工工場、大間フルMOX原発、むつ使用済燃料の計画・建設・運転の中止を求め、行き詰る原子力政策、中でも核燃料サイクルの破綻実態を明らかにする「ストップ再処理!100万人署名」を提起し、全国展開することにしました。
全国各地、各団体、市民の皆様の御協力をお願いします。
注)*MOX ウラン・プルトニウム混合酸化物。
*プルサーマル MOX燃料を、現在の原子力発電所で利用すること。
2020年7月
青森県反核実行委員会
代 表 三上 武志