2019年分科会報告原水禁大会原水禁大会 2019年

広島大会 第3分科会 平和と核軍縮Ⅲ─朝鮮半島の非核化と日本

2019年08月05日

被爆74周年原水爆禁止世界大会  広島大会

 第3分科会 平和と核軍縮Ⅲ─朝鮮半島の非核化と日本

 

日時:8月5日(月)9:30~12:30

会場:ホテルチューリッヒ東方2001 4F エーデルワイス

(広島市東区光町2-7-31/℡082-262-5111)

講師:梅林宏道(ピースデポ特別顧問)

海外ゲスト:スージー・アリソン・リットン(米国・ピースアクション)

ソン・ヨンフン(韓国・参与連帯)

◆初参加者は4割程度

 

米国・ピースアクションのスージー・アリソン・リットンさんからは、

①「核兵器や核戦争の脅威は、貧困、不平等、テロ、気候変動などとともに実存的脅威のエコシステムと結びついている」としたうえで、現在の米国の政治情勢は世界の非核化にとって困難な状況であるとの認識を示されました。

②そして、米国における「ピースアクション」の様々な活動を紹介され、その中でも「米国による核兵器の先制使用を禁止する法案」や「核兵器を発射する大統領の一元的な権限を廃止する法案」の取り組みを展開しているとの報告がありました。

➂最後に、朝鮮半島の非核化を実現するには、米朝双方が信頼感を醸成し、互いに譲歩することが必要で、非核化を経済制裁解除の条件にするのではなく、交換条件にすることが必要である

と発言されました。

 

韓国・参与連帯のソン・ヨンフンさんからは、

①北朝鮮は朝鮮戦争の中盤から米国からの核攻撃を抑止するために必要として、核兵器にとりつかれてきた。しかし、北朝鮮が核兵器を追求し続けることは北朝鮮にとって大きな負担である。

②北朝鮮の国民は次に指導者に何を望んでいるか。経済開発なくして指導者の地位を固めることはできないだろう。

③北朝鮮の段階的なアプローチと米国の包括的なアプローチは両立可能であり、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を同時に行わなければならない。北朝鮮の政権の保証と米国の北朝鮮敵視政策を放棄することが必要である。

と発言されました。

 

ピースデボの梅林宏道さんからは、

「北東アジア地域の平和と安全への日本の関与」と「グローバルな核兵器廃絶への日本の使命」の二本の柱から発言がありました。

①まず、日本の70年に及ぶ過酷な朝鮮支配の歴史を振り返りながら、日本人があまりにも歴史を知らない。

②日韓基本条約を結んだが、韓国の民衆にとって「植民地支配の精算」が当時の独裁政権下で行われたことが、尾を引いて現状に至っている。

③北朝鮮が核保有する理由は一貫している。「米国からの核攻撃の脅威への対抗」であり、国の脅威がなくなれば核は必要ないということ。

④朝鮮半島の非核化と北朝鮮の安全の保証を同時に解決するには、「非核兵器地帯条約」(現在、世界には5つの条約があり、117カ国・地域が含まれる)を北東アジア、朝鮮半島につくることが必要。

⑤そうすると南北朝鮮、米国、ロシア、中国の5カ国が約束をしないといけないが、日本も加わらないと在日米軍の非核化の検証ができない。

⑥日本が核兵器禁止条約に協力できない理由は、「日本を守るために核兵器を使え」としていているため。「核の傘の政策」の転換を迫らないといけない。

と発言されました。

 

質疑では、日本が核兵器禁止条約に賛成しないことについて、米国における核兵器に対する運動の現状について、在韓米軍の核について、最近の日韓関係について、市民レベルでの交流の必要性について、原発を含む核廃絶についてなど、7人の参加者から発言がありました。

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