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福島大会・被災地訪問フィールドワーク報告
2019年07月28日
福島大会・被災地訪問フィールドワークを実施
7月28日、被爆74周年原水爆禁止世界大会・福島大会のフィールドワークが行われました。33名の参加者は、それぞれの思いを抱きながら、被災地をめぐりました。
川俣町山木和地区では、補助金でできあがった施設を見学するものの、完成した箱物に対し、人件費が追いつかず、営業時間を制限しなければならない現実を目の当たりにしました。
帰宅困難地域である飯舘村や浪江町を見学しながら国道を進むと、除染された地区、除染されてない地区の放射線量の数値の差に愕然としました。浪江町に於いては、高速は通行できるものの、四輪車のみであり、二輪車の通行は制限されています。また、インターチェンジや高速道路の途中に掲示されているモニタリングポストの数字を見ると、現在も放射線の影響を受ける地域であることがわかります。果たして、全国のインターチェンジ、高速道路にモニタリングポストが設置されているところが他にあるでしょうか。
フィールドワークのガイドをしてくれた楢葉町、双葉地方原発反対同盟の佐藤龍彦さんは、「原発さえ無ければ・・・」という言葉を繰り返し述べていました。地元の方だからこそ、ご自身の思いだけでなく、被災された方や、お知り合いで亡くなられた方の話しを親身に語られていました。
フィールドワーク行程の請戸漁港では、当時の隻数(100隻以上)と補助金を受け取り回復したはずの現在の姿(30隻程度)を比較し、説明してくれました。
福島駅までの帰路、飯館村の道の駅に立ち寄り、そこで目にしたものは、一体3,000万円の銅像でした。復興のためのお金の使い方とは、何が正解なのか、参加者が2体の銅像を見て、それぞれ考えさせられました。
2020年の東京オリンピックを前に、福島の復興に力が入れられているといいますが、被災の傷跡を隠し、「復興」と謳っているだけでは、本当の福島の復興は遠い道といえます。