2016年、原水禁大会、原水禁大会 2016年、声明申し入れ、被爆71周年原水禁世界大会
被爆71周年原水爆禁止世界大会/大会宣言
2016年08月09日
1945年8月6日、9日の広島・長崎への原爆投下から71年。原爆は、多くの人の命や暮らし、家族や友人、夢や希望を奪いました。生き残った被爆者も辛苦の中で戦後を生き抜きました。被爆者は「核戦争を起こすな、核兵器をなくせ」「ふたたび被爆者をつくるな」と訴え続けてきました。しかし、その願いもむなしく「ビキニ核実験での被爆-JCO臨界事故-福島原発事故」と、核による被害は続きました。もうこれ以上「核」の惨事を繰り返してはならないと、私たちは強く訴えます。
原水禁運動は、被爆体験をもとに、核廃絶とともに「命の尊厳」を訴えてきました。
その「命の尊厳」を脅かす核兵器は、いまも1万5千発以上も存在しています。核軍縮は停滞し、核兵器廃絶への道筋が見えていません。米国が今後30年間で1兆ドルを予算化するなど、核保有国は核の近代化をはかり、NPT体制の枠外にある国々にも核拡散が進んでいます。
ヒロシマ・ナガサキを経験した被爆国・日本の役割は明らかです。核の脅威に対抗し、核兵器廃絶にむけて積極的なリーダーシップを発揮することが求められています。しかし日本政府は、核の先制使用を認め、国際的に進む「核兵器禁止条約」の動きに消極的です。私たちは、このような日本政府の姿勢を転換させ、被爆者の願う核兵器廃絶への道筋を早急につくりあげなくてはなりません。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者が、戦後71年を経てもなお、被爆者認定訴訟を起こさざるを得ないところに、被害の補償に対する日本政府の消極的姿勢が象徴されます。被爆体験者や在外被爆者、被爆二世・三世の課題の解決も重要であり、全力でとりくんでいかなくてはなりません。
また「命の尊厳」を脅かす動きは、安倍政権の中にも存在します。
侵略戦争と植民地支配によって、アジア・太平洋諸国民に多くの被害を与えた日本は、沖縄戦、東京大空襲、そして広島・長崎への原爆投下と、様々な惨劇を体験しました。その反省から、平和と民主主義、人権尊重の「日本国憲法」を圧倒的賛意でもって受け入れました。しかし、民意に耳を傾けない安倍政権によって、立憲主義、民主主義が否定され、平和主義が戦後最大の危機を迎えています。
安倍政権の命をないがしろにする姿勢は、原発の再稼働や福島原発事故の被災者切り捨て、沖縄・辺野古、高江での基地建設工事強行など様々な分野に現れています。
安倍政権は、いまだ放射線量が高い被災地へ、賠償や補償などを打ち切ることで住民の帰還を強行しています。フクシマの切り捨てを許さず、国や東電の責任を明らかにし、福島第二原発の廃炉や国家補償による被災者への援護と生活再建、健康保障の充実を求めていきましょう。
大会直後の今月12日には、伊方原発(愛媛県)の再稼働が強行されようとしています。伊方原発のすぐ近くには国内最大規模の活断層「中央構造線断層帯」が走り、原発震災が懸念されます。原発再稼働を許さず、脱原発社会へ国の政策転換を早期に実現するようとりくみを強化していかなくてはなりません。
安倍政権は、改憲への民意を問うことなく、論点隠しの中で、先の参議院選挙で、3分の2の改憲勢力を確保し、憲法改悪にむけて動き出しています。
私たちは、原水禁結成以来「核と人類は共存できない」「核絶対否定」を訴えてきました。「核も戦争もない21世紀」、憲法の平和主義を実現するために、安倍政権が進める「命の尊厳」をないがしろにし、戦争への道にひた走る動きに、断固として反対していきましょう。
ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアフクシマ ノーモアヒバクシャ ノーモアウォー
2016年8月9日
被爆71周年原水爆禁止世界大会