声明申し入れ

オバマ大統領の広島訪問について安倍首相への要請

2016年05月23日

 内閣総理大臣

 安倍 晋三様 

 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)

 事務局長 藤本 泰成

 

オバマ大統領の広島訪問について安倍首相への要請

 

 

 オバマ大統領がG7サミット参加後の527日、広島を訪問します。アメリカ大統領が初めて被爆を訪問するのは、「核なき世界」を実現する意思を改めて表明するためとされています。日本政府はこの訪問を核兵器廃絶実現に向けて、具体的な行動を示す場となるべきです。

 

 ‐原爆投下後71年目を迎え、存命の被爆者も少なくなりつつあります。被爆者の体験を直接聞き、その証言から被爆の実相を学び、核兵器の非人道性をアメリカ国民に広く伝えてもらうべきです。

 

2015年核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、アメリカの中東非核会議への反対、核の非人道性を重視して核兵器禁止条約に踏み込もうとする非核兵器国と核保有国の対立によって、合意文章の採択ができませんでした。包括的核軍縮を進め、核廃絶を具体的に目指すことにより、核セキュリティサミット等核不拡散政策の平等性、道義性は成り立ちます。アメリカや他の核兵器保有国にNPT6条で要求されている、全世界で確証可能な核兵器の廃絶交渉を開始するよう要求して下さい。また「人道的誓約」に賛同する非核兵器国と協力し、「国連オープンエンド作業部会」での核兵器廃絶条約について交渉を開始し、その条約締結実現のために努力すべきです。

 

 ‐安全保障における核兵器の役割を否定し、核廃絶に向けての重要なステップを進めて下さい。

 

 ‐プルトニウムを増やさないために、核燃料サイクルの確立を断念するように世界全体としての合意を確立すべきです。高速増殖炉「もんじゅ」は、1995年のナトリウム事故で15年間停止し、20105月に試運転再開後もトラブルが相次ぎ、8月には炉内中継装置を原子炉容器内に落下させた事故以降、安全確認ができず、停止しています。青森県六ケ所村で建設中の再処理工場、MOX燃料工場プルトニウム生産も、完成時期の延長が続いています。もんじゅ計画の中止、再処理工場、MOX燃料工場の建設の取りやめ、海外での再処理等、あらゆる再処理計画を断念するという決定をすべきです。

 

 ‐朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核兵器の廃棄と核開発プログラムの撤廃は行われなければなりません。平和的に核兵器開発プログラムを止め、核兵器を廃棄するさせるよう交渉で解決を図るべきです。日朝交渉、六か国協議により、恒常的な東アジアの平和と安定を築く道を開くことが不可欠です。

 

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