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被災62周年ビキニ・デー集会(静岡市)、久保山愛吉さん墓前祭(焼津市)
2016年03月01日
1954年3月1日にアメリカがビキニ環礁で行った水爆実験によって、日本の第5福竜丸など多くの漁船が被曝をしたビキニ事件が起きてから62周年を迎え、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)や東海ブロック原水禁連絡会議などの主催による「3.1ビキニ・デー集会」が静岡で開催され、200人以上が参加しました。
まず、第5福竜丸の無線長で、被曝から半年後に亡くなった久保山愛吉さんの墓前祭が焼津市の弘徳院で開かれ、参加者が久保山さんのお墓に焼香を行った(上写真右)後、寺の中で、講談師の田辺一乃さんによる講談が行われました。ビキニ事件のあらましや、その後の経過を追った「第5福竜丸物語」と、水爆実験をヒントに作られた映画のゴジラにちなんだ「ゴジラ誕生秘話」の2作が迫力をもって語られました。
夕方からは静岡市内で集会が開かれ、主催者の川野浩一・原水禁議長が「ビキニも広島・長崎の原爆も、福島原発事故も政府によって風化させられようとしている。そして、安倍政権によって、再び戦争の出来る国にしようとしている。集会を機に改めて憲法改悪阻止、戦争法の廃止にたちあがろう」と呼びかけました。また、渡邊敏明・静岡県平和・国民運動センター会長も地元歓迎あいさつを行いました(上写真左)。
講演は、元広島市長として長年、核廃絶を訴えてきた秋葉忠利さん(ヒロシマ・ピース・オフィス代表)が「ヒバクシャと共に『核にない日』を迎えよう」と題し、広島市・長崎市が中心となる国際的な「平和市長会議」が目標とする2020年までの核廃絶を現実のものとしようと訴えました。そのために具体的な発想として「国家的思考から都市的思考へ、被害者同士の横のパートナーシップ、人間中心の脱イデオロギー、世界規模の民主主義」の確立が必要と、秋葉さんは提起をしました(写真左)。
「福島原発事故から5年─現地からの報告」では、福島原発告訴団団長の武藤類子さんが立ち、いまだに10万人もが避難生活を余儀なくされ、除染によって110万個のフレコンバッグが散在する中で、政府や自治体が住民の帰還を強要しようとしている現状を、写真をもとに報告しました。そして、原発事故の責任を問う原発告訴団や「原発事故被害者団体連絡会」の活動を紹介し、連携を呼び掛けました(写真中)。
また、静岡県選出の高校生平和大使などの女子高校生が核廃絶を訴え(写真左)、さらに、「戦争をさせない1000人委員会・静岡」からも戦争法廃止を求める2000万署名の呼びかけがありました。最後に「平和と民主主義を守り、核兵器廃絶、脱原発、ヒバクシャの援護・連帯に向けて運動を強化しよう」と集会アピールを採択し、集会を終了しました。