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静岡で「被災61周年3.1ビキニ・デー全国集会」開かれる
2015年03月01日
1954年3月1日に南太平洋のビキニ環礁で、アメリカ軍が行った水爆実験によって、日本のマグロ漁船・第5福竜丸など多くの漁民や周辺のマーシャル諸島・ミクロネシアの住民が放射能被害を受けました。その後、日本では原水爆実験反対署名が始まり、原水爆禁止運動がスタートしました。
それから61周年の3月1日に「被災61周年3.1ビキニ・デー全国集会」が静岡市で開催され、全国から210名が参加しました。主催者の川野浩一・原水禁日本国民会議議長は「今年は日本の敗戦から70周年を迎える。しかし、多くの国民が戦争や原水爆被災のことを知らなくなっている。福島原発事故を起こした日本政府の責任を問い続け、原水禁運動を広げよう」と、運動の継続を訴えました。また、開催地を代表し、静岡県平和・国民運動センターの渡邊敏明会長も「安倍政権は再び戦争をする国づくりを進めている。危険な道を阻止しよう」と呼び掛けました。
講演は、長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授が「NPT再検討会議と核軍縮の課題」と題して行い、「いまだ多くの核兵器をアメリカやロシアなどが所有し、核兵器の近代化も進めている。今後10年間で約100兆円が核兵器予算に使われる見通しだ」と厳しい現状を指摘。「こうした中で今年の4月からニューヨークの国連本部で核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれる・前回のNPT再検討会議で核兵器の非人道性に初めて言及した。また、それに関する国際会議も何回か行われている」と紹介。その上で日本がアメリカの「核の傘」に依存している姿勢を批判し、「日本の本気度が問われている。道は険しいが、核兵器禁止の新しい枠組みをめざすべきだ」と述べました。(下中写真)
次に講談「第5福竜丸」を創作して演じている田辺一乃さんが、ビキニ事件遭遇からの乗組員や事件の経過などを講釈しました。臨場感あふれる話ぶりに、参加者は改めてビキニ・デー事件の重要性を認識しました。(下右写真)
「福島からの報告」では、福島原発事故によって浪江町から静岡県内に避難している堀川文夫さんが、「突然に住むところを追われてしまった。いまでも6ミリシーベルトを超える線量がある。帰りたいが帰ってはいけない所だ。しかし、国や県は帰還政策を進めている。非人道的政策だ」と、批判しました。
さらに、第17代高校生平和大使として静岡から選ばれ、昨年、ジュネーブの国連欧州本部を訪ねた杉山慶亘さんや「1万年高校生署名運動」を進める高校生などが、「これからも月1回の署名運動などを進めたい」と、力強く決意を語りました。(下左写真)
集会へのメッセージが静岡県知事、静岡市長、焼津市長、牧之原市長から寄せられたことが紹介された後、「平和と民主主義を守り、核兵器廃絶、脱原発に向けて運動を強化しよう」と集会アピールが確認され、終了しました。
集会アピールはこちら