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福島から原水禁大会がスタート 脱原発、核兵器廃絶めざし1300人参加
2014年07月28日
被爆69周年原水爆禁止世界大会は、7月27日、福島大会から始まりました。福島では、東京電力福島第1原発事故が起きた2011年から毎年開催され、特に原発事故の責任を問い、再稼働を阻止し、脱原発への政策転換を求めています。
福島県教育会館で開かれた大会には、東北各県を中心に全国各地から1300人が参加しました。主催者あいさつで川野浩一・大会実行委員長(原水禁議長)は、「安倍政権は、鹿児島の川内原発をはじめ各地の原発再稼働を狙っている。原発事故があれば全てを失ってしまう。福島原発事故の国の責任を明確にさせ、断固として脱原発、核兵器廃絶、平和憲法を守る運動を貫こう」と訴えました。
また、福島県平和フォーラムの角田政志代表は「福島ではいまだ13万人が避難生活を余儀なくされている。震災時の直接死よりも、その後の関連死で亡くなった方が多くなった。原発災害を風化させてはならない」と強調しました。
大会の基調を藤本泰成・大会事務局長が行い、特に原子力政策の根本的転換と脱原子力に向けて、①安倍政権の原子力推進政策に反対し、福島原発事故の対応に全力をあげる、②川内原発などの再稼働の阻止、③核燃料サイクルからの撤退、④自然エネルギーなど政策の転換を求めていくとしました。
大会では福島現地報告が行われ、福島県教職員組合の澤井和宏さんは、原発があった双葉郡8町村の小中学生は、事故前に約6400人いたのが、今は660人に減ったことや、子どもの甲状腺検査で通常より多くの悪性の疑いが出ているとして、「教育現場はまだまだ事故から立ち直ることが出来ていない」と指摘しました。
また、原発事故で避難した女性達が弁当を提供するなどの活動を続けている「かーちゃんの力・プロジェクト」の渡邊とみ子会長は、「福島で作った食品は放射性物質の検査を受けなければならず、毎回複雑な気持ちだ。もうこんな辛い思いはさせたくない」と、脱原発を強く訴えました。
さらに、地域医療活動をする「きらり健康生活協同組合」の福地庸之さんは、放射線測定や、無料健康相談、子ども達の保養の取り組みなどを紹介するとともに、避難者の現状、低線量被ばく、除染、米の全量検査、甲状腺機能検査の問題などを取り上げ、「被災者の健康と命を守る取り組みと脱原発を結んで運動を続けて行く」と決意を表明しました。
最後に「福島原発事故の深刻な状況、被災地の厳しい現実を直視し、フクシマを核時代の終わりにしよう」との大会アピールを採択しました。大会後、参加者は福島駅前などをデモ行進し、「原発はいらない!」「再稼働を許すな!」「政府は責任を取れ!」などとシュプレヒコールを行いました。(下写真)
大会アピールはこちら
28日はフィールドワークが行われ、国見町にある「福島県下水道公社・県北浄化センター」では、下水汚泥から放射性物質が検出され、敷地内に保管されている状況を視察しました。(上写真)
また、伊達市では、住宅等の除染廃棄物の「仮置き場」を視察、市の担当者は「まず生活の場の除染を徹底し、住民の理解を得ながら、各地区ごとに110箇所の仮置き場を設置、ほぼ住宅地の除染は終わった。しかし、その費用は年間250億円と、市の予算と匹敵した」と、原発事故の被害の深刻さが改めて強調されました。(下写真)
原水禁世界大会は、8月4日から6日まで広島、7日から9日まで長崎で開催されます。