声明申し入れ

JCO臨界事故13周年集会アピール

2012年09月30日

JCO臨界事故13周年集会アピール

 あの忌まわしいJCO臨界事故の教訓の一つは原子力事故は必ず起こるという事でした。残念ながら福島原発事故によってそれが実証され、原発の「安全神話」は完全に崩れました。これまでの原子力災害は、どんなに事故対策がたてられても、その想定を超えて事故が常に起ってきました。あらためてJCO臨界事故を風化させてはなりません。

 2011年3月11日の福島第1原発事故は、ひとたび放射性物質を拡散してしまえば、取り返しのつかない事態に陥ることを明らかにしました。事故はいまも続いており、放射性物質に汚染された地域では、未だ住民が帰還できる状況ではなく16万人を超える人々が避難生活を余儀なくされています。事故は、私たちの暮らしを大きく変え、海・空・大地を汚し、農林水産業をはじめ、あらゆる産業に甚大な被害をもたらし続けています。

 原発は「安全神話」のもと国策として強引に進められ、その下で「命」が軽んじられてきましたが、現在も収束作業では、東京電力の下請け会社で、労働者の被曝線量を測る線量計(APD)に鉛のカバー取り付けやそもそも線量計を装着しないで作業をさせるなど被曝隠しも次々と明らかになり、労働者の「命」が軽んじられていることを許すことはできません。40年以上とも言われる収束作業の長期化に伴う被曝労働での労働者の命を守るため、被曝の低減や労働者の権利を確立する必要があります。

 一方、野田内閣は、「革新的エネルギー・環境戦略」で「2030年代に原発稼働ゼロ」を打ち出しましたが、島根原発3号機、大間原発、東通原発の新増設の続行や核燃料サイクル議論の先送りなど、政府として「原発ゼロ」の具体的施策が見えてきません。また今夏には「電力危機キャンペーン」を宣伝し、国民の圧倒的な脱原発の声を無視した大飯原発3、4号炉の再稼働を強行しましたが、「電力不足」は生じず、逆に電力供給量には余裕が有り、原発がなくても電気は十分足りていることが明らかになりました。強引な再稼働は、国民に危険を強いることと同時に、電力会社の利益誘導のための再稼働であり、強く批判しなければなりません。

 日本原電・東海第2原発は、昨年の3・11で一応原子炉は停止したものの、外部電源喪失で、3日後の冷温停止まで原子炉格納容器内で主蒸気逃し安全弁の操作が170回行われるなど、危機一髪の事態が続きました。最悪の場合は福島原発と同様の事態となりえるもので、放射能が首都圏を襲う危機をはらんでいました。
 東海第2原発は、1978年の稼働からすでに33年が経つ老朽原発であり、その位置から周辺30キロ圏内に約100万人が暮らし、東京まで110キロの距離に立地しており、ひとたび事故が起これば人々は押し寄せる放射能から避難できず身を守ることはできません。
 現在日本原電は、8月31日に東海第2原発の1次安全評価(ストレステスト)の提出を行い、「再稼働」に向けた準備を進めています。県内では、東海第2原発の再稼働に反対し、廃炉を求める声はさらに大きくなっており、廃炉を求める署名も23万筆を超えて知事に提出され、「再稼働反対・廃炉」を求める市町村議会決議が相次いで採択されています。

 私たちはJCO臨界事故13周年にあたり、あらためて次のことをアピールします。

・私たちの「命」を守るために、危険な日本原電・東海第2原発の再稼働を一刻も早く断念させ、今後数十年かかる廃炉作業をスタートさせましょう。

・「核と人類は共存できない」現実を踏まえ、すべての原発を即時停止し、自然エネルギーヘの政策転換を図りましょう。

2012年9月30日  JCO臨界事故13周年参加者一同
 

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