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大会アピール/被爆67周年原水爆禁止世界大会・福島大会

2012年07月28日

 被爆67周年原水爆禁止世界大会・福島大会アピール

 昨年3月11日、東日本一帯を襲った巨大地震は、多くの命と生活基盤を根こそぎ奪い取る未曾有の被害をもたらしました。あらためて震災で犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。
この震災によって福島第一原発は、電源喪失、メルトダウン、水素爆発などで海・空・大地を大量の放射性物質で汚染し、その影響は長期に渡るものとなっています。環境はもとより、人々の暮らしや健康を破壊し、社会・経済に崩壊と混乱をもたらしました。福島では、いまも16万人を超える避難者を生み出しています。残念ながらいまも事故は収束に至らず、収束に向けた取り組みは40年、50年と長期に渡ることが明らかになっています。その間さらに被害が拡大することも心配されます。私たちは一日も早い事態の収束を願い、東京電力や政府関係者のさらなる努力を強く要請します。
国会の事故調査委員会は、今回の事故を政府や東電による「人災」であったと厳しく指弾しています。長年の馴れ合い体質、技術に対する驕りなど「原子力ムラ」が抱えていた問題が明らかとなりました。私たちもこれまで地震や津波の危険性を訴え、地震大国日本における原子力施設の立地の危険性を強く訴えてきました。しかし、力及ばず、今回の事態を迎えてしまいました。原子力推進派は、原子力発電所の「安全神話」を宣伝し、原発震災を問題としてきませんでした。経済効率を優先し、安全性をないがしろにしてきた結果が今回の事故につながったのです。その責任は重大です。
今後、事故の収束と被災者への謝罪と賠償、健康への補償など様々な課題が山積しています。厳しい環境に置かれている被災者へ早急な取り組みが求められています。さらに放射能汚染の実態や事故原発の現状に関する正確な情報公開も必要となっています。私たちは、核による被災者の要求を支えていくことが重要です。被災者支援にさらに力を入れていきましょう。
福島原発事故は、チェルノブイリ原発事故と並ぶ原発史上最大級の事故となりました。ヒロシマ・ナガサキが原爆の惨禍から立ち上がったように、私たちはまた、この「フクシマ」から立ち上がらなければなりません。放射能被害の下で「健康」や「生活」への不安、差別と偏見を断ち切らねばなりません。
これまで私たちは「核と人類は共存できない」として、核兵器廃絶とヒバクシャ支援、脱原発の運動を進めてきました。今、あらためてその運動の質が問われています。「フクシマ」の現実とどう向き合っていくのかが、私たちの大きな課題です。
今年の被爆67周年原水爆禁止世界大会は、ここ福島大会を皮切りに、広島大会、長崎大会と続いていきます。原発も基地も戦争も、合意なき「国策」として、私たち一人ひとりの「命」を軽んじてきたものです。もうこれ以上「命」が軽んじられてはなりません。豊かな自然とすこやかな「命」を守るためにここ福島から声を上げ、大きな行動や政策転換に結び付けていきましょう。
私たちは「核」に負けてはいけません。そして豊かな福島を取り戻しましょう!

2012年7月28日
被爆67周年原水爆禁止世界大会・福島大会

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