2011年、分科会報告、原水禁大会、原水禁大会 2011年
【66大会・報告】広島第2分科会/平和と核軍縮1(学習編)アメリカの核戦略とNPT体制
2011年08月05日
参加者は全体で100人、初参加者は30人程度だった。
湯浅一郎さんからの講演では、現在も米ロで2千発の核弾頭が警報即発射の状態に置かれていること、冷戦が終わったらこれはゼロにすべきものだという指摘があった。しかし、核兵器保有国はいずれも核兵器保有の目的として「他国の脅威を抑止するため」という理由を挙げている。オバマ政権も、プラハ演説で核兵器廃絶を言いつつ、昨年の核態勢見直し(NPR)では「核兵器による脅威が存在する限り、核兵器による抑止力を維持する」という矛盾を抱えた核兵器政策をとっている。
東アジアで言えば、「核兵器に依存しつつ核兵器をなくそう」という矛盾を解消するためには、東北アジア非核地帯の取り組みを進めて行くことが重要。NPTは矛盾を抱えた条約だが、経済難のなかで軍事費削減を求める米世論や、中堅国家構想を進めるスイスの市民の取り組みなど新たな動きもある。市民社会の力こそが原動力となる。市民と自治体の共同が重要という提起があった。
これを受けた交流では、大阪の仲間から「核と人類は共存できないという言葉は1975年の世界大会で提起された言葉。非核自治体宣言運動が活発だった。これからは脱原発自治体宣言を広範に取り組むべきでは」「原爆の被害に対して国家補償を求めてきた。これは福島についても明確化させて、国の責任を問うべき」「いかなる核実験にも反対すべきだが、それを基調がはっきり伝えていない」という意見が出された。
また、三重の仲間からは湯浅さんからの提起のあった自治体との連携に関して、「県で非核平和行進を取り組み、各自治体に非核自治体協議会や平和市長会議への加盟を求めてきた。ただ、県の姿勢は協議会に入らなくても充分に情報が取れるというもの。また、8月に子どもたちをヒロシマ・ナガサキに送るのに助成を求めている」といった取り組みが報告された。
放射能の被害について、湯浅さんからは、放射能をつくるという意味では原発も原爆も同じであり、福島を通じて核兵器の問題も見えてくるという指摘があった。一方、会場からは福島の問題について交流する重要性の一方、「福島」と「福島以外」のギャップがあることも指摘された。今後の運動の課題として、このギャップを埋めることの重要性を確認し、分科会を終えた。