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「JCO臨界事故11周年集会」開かれる
2010年09月26日
1999年9月30日に発生した東海村の核燃料加工工場「ジェー・シー・オー(JCO)」での臨界事故から11年。その事故により2人の労働者の被曝死と600人を超える被曝者を生み出し、30万を超える屋外退避者を出しました。事故の記憶も年々風化していく中で9月26日、今年も集会とデモが開催されました。水戸市・みと文化交流プラザを会場に「JCO臨界事故11周年-事故の教訓を生かし、プルサーマルを止めよう!」と銘打ち、原水禁国民会議、原子力資料情報室、茨城平和擁護県民会議、反原子力茨城共同行動の4団体の主催で、全国から 約300名が参加しました。
集会では、主催団体を代表して原水禁国民会議の藤本泰成事務局長が、事故の教訓を踏まえ、原子力中心の今のエネルギー政策を、「人に優しい、環境に優しいエネルギー」に転換していくことが必要だと呼びかけました。
原子力資料情報室共同代表の山口幸夫さんからは、「JCO事故から11年、原発の課題」と題して基調講演がなされました。
この11年の間で、9.11同時多発テロの発生(2001年)や、新潟県中越沖地震(2007年)に代表されるようなマグニチュード6.0以上の地震が日本で11回も発生し、テロと地震の恐怖が改めて浮かび上がったこと。さらに東京電力をはじめ、電力各社のトラブル隠しなどの発覚、核燃料サイクルの行き詰まりなど、JCO臨界事故以降の動きをまとめ、原子力政策転換の必要性が訴えられました。
発言する大泉昭一さん
JCO臨界事故による健康被害裁判の元原告である大泉昭一さんからは、この間の裁判闘争の経過が報告され、今後地域において「臨界事故を語り継ぐ会」を結成して、事故を風化させない取り組みを行うことが語られました。
また、東海第2原発でのプルサーマル計画の動きについては、地元である東海村村議の相沢一正さんから、隣県の福島第一原発3号機のプルサーマル実施については、脱原発福島ネットワークの青木祐一さんからそれぞれ報告がなされました。その後、集会決議を採択し、参加者は水戸市内を「プルサーマル反対」、「臨界事故を風化させない」などと訴えながらデモ行進を行いました。
翌27日には、茨城県、東海村、日本原子力研究開発機構、日本原子力発電に対し、申し入れを行いました。
■日本原子力発電-東海発電所所長宛・申し入れ書(PDF)
■茨城県知事/東海村村長宛・申し入れ書(PDF)
■東海研究開発センター長宛・申し入れ書(PDF)